20/20
……君と 2
「ねえ、あれって……」
「うん。多分、いや絶対にあれはユキヤだ」
「うん。ユキヤ」
しばらくはユキヤと見つめあっていた。
私達三人だけの時間が止まったような気さえした。
周りの人だけの時間は正常にすぎていく。
ユキヤの前にTシャツにジーパンをはいた格好をした女の子が現れた。
「音摩くん。どうしたの?」
「………あ、ああなんでもない…」
「じゃあ行くよ。タクヤが向こうで待ってるんだ。」
「……わかった」
「うん」
ユキヤと女の子は、……いいや、ナオは
横断歩道を通ってビルの影に消えた。
ぼうっと突っ立っている私の肩をコウタが叩く。
「追いかけないのか!?」
「……行かない」
「なんで……」
「ナオは知ってたんだね。そして、タクヤも」
「それには、驚きだな確かに」
「驚きっていうかー、なんというか……」
「帰ろうか、ユキコ」
前を行くコウタを追いかける。
別に悲しくはない。
不思議なことに会えたことに喜びもない。
だけど、一つだけなんだか引っかかる。
……遺書
ユキヤは死ぬのだろうか。
車椅子にのっていたユキヤ。
がりがりに痩せてしまっていた。
そんな様子を見て、なんだか考えてしまう。
でも。
………




