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君の歌声と。  作者: 結季奏
18/20

14話

「ユキコ、もう作戦会議は開けないんだ

 ユキヤのことは、諦めて……あのね、実は」


ナオに急に言われた。


理由も聞かずに電話を切ってしまった。

きっと、優しいナオのことだから理由があるに決まってる。でも、聞けなかったのだ。


ユキヤのことは、諦められない。


なぜか、急に会いたいと思い出した。

そのことに理由なんかきっといらないと思う。

しかも!遺書!


……心のどこかで最後に一度だけという思いがあった。


だめだめだめ!

ユキヤは元気にやってる。

きっと、遺書はいたずらだ!


ふう。大きく息をすって、はいて。深呼吸。

慌ててはダメだ。というか、急に町中で慌てるやつなんかいないだろう。


わたしは、一人で聞きこみ調査をすることにした。


ユキヤと出会った海岸の近くを。


「すみません!ユキヤって人を知りませんか?

音摩ユキヤって人を、知っている人はいませんか?!」


道行く人に、変な目で見られてるような気がする。しかし、気にしない!

昔、クラスの担任の先生が私達に語った言葉を思い出す。


「本気でやりたいこと、成し遂げたいこと、夢があるのなら、人になんと言われようと意志を突き通しなさい。そして、守りたい人が出来たなら命をかけて守りなさい」


そうなのだ。

そのとおりだ。


やりたいことがあるなら、人になんと言われようと、どう思われようと突き通すしかない!


初志貫徹だ!

会うって決めたんだ!

有言実行!


照りつける太陽。天気は晴れ。

春風が私を応援しているよう。




1日叫び続けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー…




「ユキコ…」


ベンチに腰掛けていた。

今日はとても疲れた。


「コウタ?」


「おつかれさん」


手には二本のペットボトル。

思わず笑顔がこぼれた。


「喉、かれてない?今日一人で頑張ってたけど」


「大丈夫!私元気だけが取り柄だから!

明日は少しスカート長くしたりしたら真面目に見えてみんな相手にしてくれるかなぁ……?」


「ん。そーかもな」


炭酸飲料を渡された。

キャップを回すとプシュッと涼し気な音。

シュワァアっと喉に炭酸飲料がしみる。


冷たい。


「ありがと。」


「次は奢れよ」


「オッケー」


「ねえ、まだユキヤのこと好きなの?」


「さあねー分かんない」


「分かれよ。大好きだろーあはは。こんな遅くまで叫びまくるとか。俺朝から見てたんだけどー?」


「え、ほんとに?」


「うん。そんな暇があれば勉強しろよ」


「嫌だー。ユキヤにまた会いたいんだ」


「それは、俺も同じだ。ユキヤに会いてえ」


「うん」


空は真っ暗だ。

公園の時計台は10時を示している。


「やば!もうこんな時間だー」


「親に怒られる?」


「いーや。門限はないの」


「なら、時間は気にしなくていいじゃんか」


「夜ふかしすると朝から眠いじゃん」


「えー」


「そろそろ、帰ろうかなーっ」


ベンチから、立ち上がり荷物を手に取る。

コウタは上目遣いにこちらを見ていた。


「これ、ありがとね」


空になったペットボトルを5メートル先のゴミ箱へ。

がこん


……成功だ!!!!!


「ねえ。ユキコ」


「ん?」


「もう少しだけ話さない?ちょっと相談あるんだけど」


「あはは。いいよ」


もう一度ベンチまで戻る。

びゅうと、吹いた風は少し冷たかった。



「相談って何?」


「お前くらいにしか頼めないんだ」


「よっしゃ!任せとけ!聞いてあげるよ!」


「うん。実は………







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