作戦会議後 二人で
窓をしめた。
ペンをとる。
ほんとうに話してくれるのだろうか。
タクトは視線を床に落としている。
表情は、分からない。
「なあ、さっきの約束はちゃーんと守ってくれよ、ナオ……」
「分かってるよ。ちゃんと、守る」
「ひとつ、言わせてくれ。
これをナオに言うのはユキコにユキヤとの再開を諦めてもらうためだ。勘違いするなよ」
「ええ。そんなこと言われなくても察するわ」
「ああ。なら、いい。」
その瞬間紙吹雪が私の目の前で舞った。
あーあ。新しい家ノートなのに……。
ノートはタクトによって粉々に千切られた。
……勿体無い!
「ユキヤはユキコの事が好きなんだよ。ずっと前から。想い続けてる」
「あら、そうなの。運命かしら?ユキコもユキヤの事を想い続けてるのよ」
「ふふ。そーか。叶わぬ恋だな」
「初恋は実らないっていうじゃない」
「ああ。それでな、ユキヤは一度ユキコに会おうと試みたんだ。病気がひどくなる前に」
「まって。ユキヤは病気なの?」
「そうだよ。余命は半年もつかもたないか」
「そんな……」
「だからなんだ。一度だけ最後に会おうとしたけど。無理だった。せっかく俺が電話番号とか調べてやったのによ」
「それなら、なぜ会ってはダメなの?」
「もうユキヤは動けない。というか会ったとしても悲しくなるだけだ。病院で死にそうな姿なんか好きな人に見せたくないって」
「そう。」
「そこで、俺はユキコに遺言に見せかけたラブレターを送る手伝いをしてるんだよ。想いは伝えないけどエールは送りたい。だって」
「素敵な人じゃないの」
「俺の自慢の親友だ!」
「なら、その遺書、……ラブレター?っていうのは?ユキコに教えてあげないの?」
「……それは、ナオにも言えない」
「わかった」
「一つ、俺と一緒にユキコに嘘をつかないか?」
「嘘を……?」
「ああ。ユキヤのことを忘れてもらうために」
タクトの目は真剣だった。
ならば。
私が、迷う必要はないだろう。
「いいわ、教えて。その嘘を」




