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13話
目が覚めたら、そこは見慣れた町だった。
何時間もかけて海へ行っていたはずなのに。
時計は夜、11時。
そんなに速く帰ってこれる場所ではないはずなのに。
「やっと起きたー!死んじゃったと思ってびっくりしたよー♪」
タクトはバイクにまたがっていた。
ああ、たしかにバイクなら二時間位で帰ってこれそうだ。なんて考えていた。
というか、二人乗りしたのだろうか?
記憶がない。
「君はユキヤのこと忘れるべきだ」
そう言い残してタクトさんはバイクを走らせた。
「……なんだったの?」
優しい月明かりに照らされる。
ユキヤは??どうなるの?死んじゃうの?
……初恋の相手なのに…。
何年間も一途に想い続けていたのに。
目から一筋の涙がこぼれた。
現実味がない。実感が沸かない。
しかし、決心はついた。
ユキヤに会いに行こう。
ーーーー想いを伝えに。




