閑話【癖のある奴ら】5話
閑話5話になります!
それではどうぞ!!
『けぷ、油揚げ美味しかったわ!またちょうだいね!』
「うん、欲しい時に言ってくれれば、いつでもあげるよ?さて、そろそろ闇精霊召喚するね?」
『どんとこい!...でも私、実はあの子に避けられてるの。何でかはよくわからないけど...。本当は仲良くなりたいのにね?』
カーリーはクジラに闇精霊を召喚すると言われ、少し俯きながら自分と闇精霊の関係を語る。
「んー...。闇っていうし、結構大人しめな子だったりするの?(この子って好いてる人の前では、基本健気で良い子なのかな?そもそも、この子が嫌うような人って、どんな特徴を持つ人間なのかが気になる...)」
クジラは、天真爛漫な光妖精カーリーを見つめた後、対照的な性格なのかなと考え、聞いてみた。
『まぁ、そんな感じ...?』
カーリーは思いつく言葉が無かったのか、少し悩んだ後に疑問系で縦に頷く。
「ふんふん、それなら友達から『なんちゃって草食系男子』と称された僕の出番かな?」
カーリーが闇精霊の子と友達になれるように上手く話してみるよ。
クジラはそう言って、闇精霊を召喚する為に念じ始める。
『あっ、そうだ。モグラみたいな言い方をすると、闇精霊は基本的に私とは対照の能力を持つから、違う意味で面倒よ?』
「えっ...、どういう事?」
『私は、あなたの意思を無視して、自由に私の意思で召喚されるって言ったでしょ?闇精霊はその逆で、1度召喚したら、タイムアップまで自由に消す事が出来ないから、頭の隅にでも入れといてねっ?』
「なるほど...、それくらいなら構わないよ。それじゃあ改めて闇精霊現れろっ!」
ドスンッ!
「...えっ」
『ポコちゃん久しぶりー!会いたかったよ!今日はお願いがあるんだ!ねぇねぇ私の話聞いてくれる!?』
闇精霊の召喚に成功したと思ったら、空から棒立ちの黒い動物が降ってきた。
『...うるさい近いうざい邪魔』
その動物はタヌキであり、カーリーを一瞥するとムスッとした表情でボソボソと悪口を呟く。
『うぅ、何でそんなに酷い事言うのよぉ!私はポコちゃんと仲良くしたいだけなのにぃ!』
カーリーはそれにめげず、タヌキに果敢に話しかけていった。
『まず、私はポコちゃんではない。タヌキという名だ。むっ?キツネ、お前このマスターらしき男と永続契約したのか...?』
タヌキ改め、ポコちゃんは、普通にカーリーの本名?を呼びながら永続契約について聞いた。精霊だけにわかる、契約した証か何かがあるのだろう。
『えへへ、いいでしょ!他の精霊からはポコちゃんが先だろって言われてたけど、結果的に私の方が先だったよ!』
『ふん、この男にどれほど媚びたかは知らないが、せいぜい見捨てられないように気をつけるんだな』
『ふーんだ!私が媚びたんじゃなくてクジラが媚びたんだもんね!私に一生そばに居てくれって!ね?あなた?』
カーリーはパチッとウィンクをし、話を会わせろと言わんばかりの目線をクジラへぶつける。しかし、クジラはそういうアクションをされると、ついつい弄りたくなってしまう人間だ。
「あはは、カーリーにすっごく媚びられたんだよね。そりゃあ10日近く。最終的に、寝ている時に勝手に契約されてたよ?」
クジラはニヤけた小悪党フェイスをしながらポコちゃんへ嘘偽りを話す。
『はぁっ!?クジラ何言ってるのよ!?流石に私も盛りすぎたけど、初めに永久契約をしようって言ったのはあなたでしょ!?』
『ふん、所詮本当の姿も見せず、嘘偽りで塗り固められた姿で媚びるだけのキツネだな』
本気で焦り、クジラへ詰め寄るカーリー。ポコちゃんはそれを見て哀れだなと鼻で笑った。
『ふぇぇぇぇん!クジラ意地悪しないでよぉぉぉ!!』
カーリーは割と本気で泣きながらクジラの服を掴み、本当の事を話せと強要する。
「あぁ、ごめんねカーリー。あ、油揚げ!油揚げあげるから許して!」
クジラは軽くパニックになりながら、油揚げを手渡す。
『ヒック、本当の事を話してよぉ...、モグモグ...』
油揚げ効果なのか、軽く泣き止んだカーリーは潤んだ瞳で彼に頼み込んだ後、油揚げを食べ始めた。
「カーリーは弄りがいがあるから、つい意地悪したくなっちゃうんだ。ごめんね?それで、ポコちゃんだっけ?」
『やめろ、タヌキだ』
「ポコちゃんの方が可愛いよ見た目的に。カーリーに永続契約を持ち掛けたのは僕自身で、カーリーは一切媚びたりしてないからね?」
『あんた、話聞かないタイプだな...。とりあえず嘘は言っていないみたいだし、信じてやろう。初めての永続契約で良い主に拾われたみたいだなキツネ』
ポコちゃんは若干苛立ちながら一応話は信じた。素直になれないだけで、本当はカーリ同様にいい子なのだろう。
『キツネって呼ぶのやめてよぉ!クジラにバレちゃうでしょ!?』
「『...はっ?』」
カーリーの発言に、本名出されてるのに、逆にバレないと思っていたのかと思い、クジラとタヌキは口をポカンと開けた。
『へっ?もしかしてバレてる!?きゃぁぁああああ!!』
カーリーは膝を地面につけ、顔を手で覆って叫ぶ。本来のキツネの姿はあまり知られたくなかったようだ。
「ごめんカーリー、実はさっき、一旦カーリーを消した後に、モグラさんから教えてもらってたんだよね」
『あんのエセ紳士ぃぃぃぃぃ!今日の夜、精霊界に帰ったら、夜中に乗り込んでギッタギタにしてやるぅ!!』
カーリーはそう言って、何度も拳を地面にぶつける。
「お、落ち着いてカーリー」
クジラは止めようと近づく。
『危ない、やめろ』
タヌキは手をすっと横に出し、クジラの歩みを阻止した。
「え?どうして?」
『あの状態のカーリーは危ない。迂闊に近づくな。5倍増しで騒がれるぞ?』
「本当に...?うわぁ、それは遠慮したいかな?」
クジラとタヌキは、カーリーが落ち着くまで10mは遠のいた場所で観察していた。




