閑話【癖のあるやつら】2話
閑話2話になります!
本日2回目です。それではどうぞ!!
『あなたいい加減私から離れなさいよ!?』
「えぇっと、君が乗っかってるんだから君が降りればいいと思うよ?というか、君が光精霊?」
『うるさいな!そうよ!私が光精霊!カーリーと呼んでちょうだい!』
「光精霊のカーリー...。ヒカーリー、なんちゃって...、ぷふっ」
『何故人の名前聞いて笑っとんじゃコラァぁ!!!』
クジラは光精霊を召喚すると、さっそく小規模な口喧嘩を始めた。クジラのたまにポロっと出してしまう煽り癖が、光精霊カーリーの起爆剤となってしまったらしい。
「あははは!ごめんごめん、僕はクジラ。よろしくねカーリー」
『ふんっ!あなたなんて嫌い!べーっだ!」
クジラが柔らかい笑顔を浮かべて自己紹介をすると、カーリーは横を向き、舌をだして子供のように怒る。
「あはは、君、相当面倒くさい感じで面白いね!僕は好きだよそういうの」
クジラはそんなカーリーを見て、気楽に笑っていた。
『(なんでそんなに嫌われるような真似をするんだクジラくん...!?)』
そんなクジラとカーリーを見て、モグラは1人焦っている。
『そもそもなんであなたは私に見惚れないのよ!?こんな素晴らしい美貌を持つ見た目してるのに!』
カーリーは、クジラの初見の態度が気に入らないらしく、ギャアギャアと騒ぎながら胸を張った。
カーリーの姿は少し幼いが、ヤヨイのように顔立ちがキリッとしていて、美を感じさせる少女である。その為、リーシャのようにぽわっとしていて、癒しを感じさせるような可愛い顔立ちの方が好きなクジラにとっては、好みでは無かったから見惚れる事もなかったのだ。
カーリーにとっては、こんな人は初めてだったようで、対応に困っているらしい。
「君より可愛い人を僕は知ってるからね。君に見惚れる事なんてないよ?」
クジラは、ニコッと笑いながらさらに煽る。
『ムキィー!!もう怒ったわよ!?絶対にあなたを私以外愛せないような人間にしてあげる!!』
「(こんなに思考回路がチョロい子って本当にいるんだなぁ...)」
そう言うと、カーリーは強引にクジラの腕を抱く。完全に彼の手のひらの上で遊ばれており、クジラは、それを見て笑うしかなかった。
『(クジラ君、なんて策士なんだっ!?)』
モグラはドキドキハラハラしていた所を一転、巧みな話術に感動している。
「カーリーが瘴気魔法の丸薬をくれたら少しは惚れちゃうかもしれないなぁ?(あれ?なんだか今の僕、ただのゲス野郎にしか見えないぞ?)」
自分のやっている事に罪悪感を覚えながらクジラは丸薬を要求した。
『仕方がないわね!あげちゃうわよ!1個でいいの!?』
「あー、2つ欲しいな」
『2つね!わかったわ!...かーっペっ!私特製の丸薬よ!早く飲みなさい!』
「んぐぅ!?」
まるで痰を吐くような仕草で丸薬を2つ作ると、頬を染めながら彼の口に押し込んだ。
『私との、か、間接キスよ!喜ばなきゃあなたの感性はどうかしてるわ!」
『(2つ飲ませても効果は重複しないのになぁ...)』
カーリーは軽く恥ずかしがりながらクジラへ告げ、モグラはそれを見て口には出さないが内心でツッコミを入れていた。
「ごめんカーリー...。これ、友達に飲ませる為に貰おうと思ってたんだ...。悪いけど、もう2つ出してくれないかな...?」
偶然瘴気用の光魔法を覚えたクジラは、少し申し訳なさそうな顔でもう2つ追加を頼む。
「な、なによ!?もっと先に言いなさいよ!そんな知らない人にあげるなら、間接キスなんてさせるわけないじゃない!...はいこれ!」
カーリーはプンスカと怒りながら、手をギュッと握ると、そこから丸薬を2つ作った。
「ごめんね?ありがとうカーリー...(え、こいつら普通に作る事できるのに、わざわざ嫌な感じの作り方してんのか...?)」
クジラは内心でかなり毒吐きながら、光魔法の丸薬を受け取り、ジップロックに入れる。
『なに?あなた今、普通に作れるのになんでわざわざ口から出したんだろうって感じの事考えてない?』
「な、なんでわかるのかな...?」
『女の勘よ。その訳は、親しい異種族に授け物を送る時は、自分の粘膜に付着させてから渡すっていう精霊達のしきたりがあるからよ』
「へぇ、なるほど...。まったくもって意味のわからないしきたりだね。そもそも僕と君は親しいかな...?」
『うるさいわね!これから仲良くなっていくんだからいいでしょ!?男の子なんだからそれくらい黙ってなさいよ!』
「あははは、ごめんねカーリー。次呼ぶ時はいつになるかわからないけど、これからよろしく頼むね?」
クジラはそう言い、役割を終えた彼女の召喚をキャンセルする事にした。
『もう私を消しちゃうの?まぁいいわよ。別に、これからは暇な時は私から勝手に召喚されるから。じゃ、よろしく。私の事が大好きになる予定のクジラっ♪』
カーリーは召喚を取り消される事に気付き、そう言い残してニッコリ笑うと、消えていった。
「えっ...、えぇぇぇぇぇ?モグラさん、僕が召喚しなくても、精霊って自主的に召喚されてくる事も可能なの?」
『えっとだね...?光精霊が面倒って言ってたのにはもうひとつ意味があって、1度面識を持つと、光精霊側から勝手に出現する事が可能になるんだ。私達、光精霊以外には出来ない、固有の力なんだよ...』
「うわぁ...」
モグラが言いにくそうに告げると、クジラはかなり面倒くさそうな顔をして唸る。
『私にはどうする事も出来ない...、本当にごめんよクジラ君...』
「い、いえ。気にしないでください...」
クジラは、ただため息をつくしかなかった。
明日は少し予定が詰まっている為、1話投稿にさせていただきます。




