エピローグ/あとがき
~エピローグ~
悲しい顔でテレビを見ている青年がいる。
彼の名は 加賀谷良。
テレビでは、「加藤亮の死亡」のニュースが流れている。
メールが来る。
「ようやく、あなたを信じられそうよ。
もう一度やり直せない? 綾香」
良は一瞬メールを見て削除した。
「いまさら何を」
とつぶやいて。
そして、同じく携帯を見てつぶやく。
「これが、翔子が望んだことなのか」
そういって、携帯を持つ手が止まる。
受信BOXの下にあるフォルダー。
フォルダー名は桜井翔子。
中には7通のメールが入っていた。
-了-
~あとがき~
この「メール」はもともと書こうと思ったは今から○年以上前でした。
そのときは結末すら考えれなくて困っていました。
ただ、死んだ彼女からメールが来るという事だけでした。
実は○年前に死んだ彼女からメールが来るというのを体験しています。
それは、その人が死んでからある程度経っていて、そして何気ないメールでした。
その時、私たちが経験した思いは多分言葉にはできなかったです。
けれど、それから○年という月日を経て一つの形にしたいと思いました。
そして、この「メール」には一つのメッセージがあります。
それは、
「あなたは恋人を、友人をどれだけしっていますか?」
です。
携帯やメールによってコミュニケーションは大幅に変わりました。
けれど、それは相手を良く知るということにつながったのでしょうか?
私自身いまだになぞです。
この小説「メール」は多くの人へのメッセージとして、そして、多くのことを伝えたかったものとして
書きました。
けれど、思いはすべて届かない。
そして、届いたものは人によって形は違うと、
思います。
けれど、それでいいと思っています。
もし、この小説『メール』を読み、少しでも何か感じていただければと思います。
この小説「メール」は2004年の冬、青森で書き終わりました。
青森での降り積もる雪は、すべての景色を私をも変えてくれてました。
だからこそはじめて書いたこの小説「メール」ができたのかもしれません。
私はこの小説は
「ハッピーエンド」
だと思っています。
そして、ある意味キレイな終わりだと思っています。
でも、ハッピーエンドではないという人のほうが多いかもしれません。
そのため、ちょっと質問です。
もし、自分にものすごく好きな恋人がいて、でも、自分は
先に死ぬことが決まっている。
相手のこれからの幸せを願いますか?
すごく好きな人が他の恋人とともに過ごせない時間をすごし、
他の恋人を抱いているところを想像して、
それでも、先に死ねますか?
相手の幸せを祈って死ぬことは美談かもしれません。
でも、その選択はかなりの心の強さがいると思っています。
一緒についてきてほしい。
そういう思いを持つ人もいると思います。
けれど、選ぶ人が2名いた場合どうしますか?
そう、今回の「メール」は私の中ではある意味の
「純愛」
がテーマなんです。
そして、最後になりました、
本当に最後まで読んでいただいた方。
ありがとうございました。
つたない小説でしたが、書き終わることができました。
ありがとうございます。
ミナセ。