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皇居禁域
令和XX年、一月。
帝都・東京は、
天の底が抜けたかのような豪雨に沈んでいた。
五代無一郎は、西園寺景久が放った
私設部隊の追撃を振り切り、
皇居外苑の地下深く、物理的な地図にも、
電子的なGPSにも決して
現れない「禁域」へと足を踏み入れた。
そこは、巨石が幾重にも積み上げられた地下神殿。
壁には古墳時代から続く呪術的な文様が刻まれている。
西園寺家の源流、
藤原氏がその支配を確固たるものに
するために築き上げた「負の心臓部」だ。
無一郎の肩からは、銃弾を受けた鮮血が滴り、
地下の冷たい石床を汚していく。
だが、彼の瞳はかつてないほど澄んでいた。
手に握られた父・誠一のスマホが、
この神殿の放つ不気味な磁場に呼応し、
青白い光を放っている。
「……ここが、すべての嘘が始まった場所か」__。




