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ななちゃんの、宝物

宝物──


とってもワクワクするその言葉に、ななちゃんも反応しない訳はなく──



「ななも、たたらもの、しゃがしゅでちゅ!」



お気に入りのリュックを背負い、早速お家の中を探検開始です。


カーテンの後ろを覗いてみたり、冷蔵庫の中を確認してみる。



「ないでちゅ」



ななちゃんも何を探しているのかわからなくなりかけていた。



「たたらもの……たたらもの」



呟きながら部屋を行き来して探している。



「なな探険隊は、宝物見つけたかしら?」



ママが声を掛けてくれました。



「あっ、しょうでちた!」



何か思いついた、ななちゃん。



「ママ。ちょっとおいでちてちて」



そういうとななちゃんは、ママの手を引き、リビングのソファに座らせました。



「ママ、ここで、おまちしててくだちゃい」


「わかりました。なな隊長」



うれしそうなお顔のななちゃんは、次の目的地に走り出しました。



「かなしゃん、ちゅいてくるでちゅよ」


そう言って、かなちゃんの手をひいてリビングに連れてきました。



「あっ、ママ。なになに? 急にやる気モードななに連れてこられたけど、何が始まるの?」


「かなしゃんも、ここで、おりこしゃんちててくだちゃい。あとはパパでちゅ」



ななちゃんは、パパを探して部屋中探します。



「ぱぁぱ〜、ななでちゅよ〜。どこでちゅかぁ」


「パパのお部屋にいるよぉ」


「もう、パパはまいごしゃんなんだからぁ。ぱぁぱ、ななといくでちゅよ」



そう言ってパパの手をひいてみんなの待つリビングへ連れて行くのでした。



「これでよちっ! みなしゃま、なな、みちゅけたでちゅ」


「あら、ななの宝物やっと見つかったのね」


「宝物? 何? 見せて見せて」


「パパも見たいなぁ」



お口の前に小さな人差し指を立てて、静寂を促すななちゃん。



「ななの、たたらものはぁ! パパとぉ、ママとぉ、かなしゃんでちゅ!」



自信満々に言う、ななちゃん。



「パパ! おしゃしん! おしゃしん!」



カメラを手にしたパパを、ママとかなちゃんの間に座らせると……。



「ななが、おしゃしんしゅるでちゅ」


「じゃあ、このボタンを押してくれるかな?」


「はいでちゅ。ななでちまちゅよ」



いつもパパがするようにカメラを構えて覗き込むななちゃん。


覗くことに集中するあまり、シャッターのボタンから指が離れてしまって、視線を戻しシャッターの位置を確認するななちゃん。


そして──


カシャッ──



「ななの、たたらもの! おしゃしんちたでちゅ!」



パパがななちゃんの撮った写真を確認すると、みんなの足元しか写っておらず、3歳のななちゃんにはまだ難しい作業でした。


そこでパパが、ななちゃんを抱っこして……。



「ななも写ってこそ宝物だよ」



パパがそう言って、カメラを三脚にセットしてこっそりリモコン操作をして写真を撮ることに。



「みぃんな、いまちゅ! たたらもの!」



撮った写真はプリンターで即印刷。


ななちゃんの宝物を写した写真は、素敵な写真立てに入れられ、家族皆が見える場所に、大切に飾られました──


ななちゃんが宝物と思っている家族は、パパもママもかなちゃんも同じように宝物と思っている素敵な家族です。


「ななの、たいしぇちゅな、たたらものでちゅ」



ななちゃんの優しい言葉に、みんなの笑顔が溢れました。



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