ミッドウェー海戦の兵装転換 28
一応、ここまででケース一、すなわち、兵装転換をおこなわなかったらどうなったかというものを想像してきた。
せっかくだから、この後についても少しだけ触れておくことにしよう。
まず、史実より二隻空母を失ったアメリカ軍であるが、この時点で修理しているものを含めても、サラトガとワスプしか空母がいない状況になる。
とりあえず空母一隻という形で第二次ソロモン海戦はおこなえるだろうが、その後立て続けに潜水艦攻撃を受け、ワスプ沈没、サラトガ大破という被害を受ける。
当然南太平洋海戦は起きない。
直後サラトガが復帰するものの、翌年春にエセックスが加わるまで空母一隻体制となる。
一方の日本軍。
史実通り四隻の空母を失い、主力は翔鶴と瑞鶴となる。
そこに、龍驤、隼鷹、飛鷹、瑞鳳が加わる。
空母の数では圧倒するわけなのだが、珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦で真珠湾攻撃に参加した搭乗員の多くを史実史上に失っている。
特に各空母の飛行隊長や分隊長クラスがこの時点でほぼ戦死しているため、史実では転出するはずの何人かは空母に乗り続けることになるのかもしれない。
そして、ここから泥沼のソロモンの戦いが始まる。
残念ながら、日本海軍は陸軍の支援より空母や戦艦の撃沈することを優先するため、有利な状況を生かすことなく翌年からのアメリカ軍の大攻勢を受けることになる。
結局、大量の物資と兵員を乗せた十隻の輸送船を沈めるより軍艦一隻を沈めることに価値を見出す思想と、数で劣る身でありながら生存率を上げる努力をしない、最高の条件が揃わないと勝利しないような作戦を好む日本海軍には勝つ道はなさそうに思える。
続いて、ケース二。
空母発見直後に陸用爆弾を抱えたまま攻撃に出たら?
ということになります。




