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闇からの解放

源太郎は携帯電話を見つめた。圭太の言葉にどこかで死という文字を感じてしまった。筆を止めて書いていたキャンパスをもって破った。書いていたのは紛れもなく圭太から頼まれたものだった。幼いときに過ごした日々を忘れたくなくてやっているのだろう。画家になって描いているのは過去を思い出すための材料に過ぎないのためなのかもしれない。破ったキャンパスを片付け始めた。インターホンが鳴り響いていた。玄関に向かった。

「はい。」

「一ノ瀬です。八木のことについて調べてたいんです。話したいんです。」

玄関に迎え入れた。一ノ瀬の目は優しさで満ち溢れていた。リビングに入れてコーヒーを入れた。

「どうかしたんですか?破ってしまっているじゃないですか。」

「いい絵が描けなくてスランプですかね。それで話とは。」

一ノ瀬はソファに座っているが傲慢な政治家のような座り方ではなく新入社員のようなすわりかただった。彼の話を聞くのは圭太のことをもっと知るためだといえる。

「八木いや圭太さんというほうが好ましいですね。圭太さんは画家になった貴方とは違って親父である八木幸助に従ってしまったことを知ってますよね。」

「そうです。おふくろが死んで2人で暮らしているも同然の生活だったんです。親父は遺産を狙ったんです。葬式にも出なかったのは金とかにしか興味がなかったのではないのかと思っています。親父面ばかりしていい思い出とかなかったんです。」

八木幸助はいつも猛ばかりの世話をした。私立の学校に通わせていた。全て見栄のための行動であったのかもしれない。

「能勢千尋は交番で地域外でもよく見かけるといわれていた人です。それと警察一家と結婚するのは何処かつながらないんですよ。」

「望まない結婚をしたんですよ。親父に脅されて警察にいたいのなら結婚しろって脅迫のようにしか見えないですよ。それでおふくろの親は怒ったんですよ。おふくろは望んでいないのに親は縁を切ることにしたんですよ。」

辛い経験を淡々と語っている。源太郎を見て入れなくなってしまう。2人が抱え込んでしまっているものは単純なものじゃないことは調べていてわかっている。親を殺されて信じることなどできなくなった時期があっても可笑しくないのになかった人だから。

「圭太は親父を捕まえるために刑事を選んだと思います。貴方の両親とおふくろは仲が良かったんですから。貴方には伝えていないはずでしょうから。」

「そうですよ。素直じゃなくて困りますよ。」

一ノ瀬は静かに笑った。助けたいと思っているのだろう。深すぎる闇から催促するように。

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