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壊れた家族

圭太は久しぶりにアパートに帰った。事件のことは任せろと2人が言ったので任せることにした。コンクリートの冷たいと感じてしまうのは勘違いだろうか。部屋番号までつくと見た目は何処かにらみつけるような眼をしている。中肉中背にろくなものを抱えていないだろう。

「圭太。話がいるんだ。」

「だろうな。あんたのことだ。事件のことで脅しに来たんだろう。それか資料を盗みに来たんだろう。だから大家から借りた鍵をもっているんだ。何時でもあんたのこと訴えることができる。」

幸助は息子が法律家になりたがっていたのを忘れていた。法律に強くなっているため簡単には太刀打ちできない。

「勝てない裁判に警察が立ち向かってくれればいいのにな。くだらない。で何か用事?さっさと終わらせたいんだよ。」

「中に入らせてくれないか。」

息子に内容も言わずに中に入らせろと言っている。仲がいい親子なら簡単に入れるだろうが、溝が深いままなのに近づくのは順番を間違えているといえる。

「大した話ではないんだな。じゃあかえってくれ。もう来るな。迷惑だ。家にも入ろうと考えるな。もうあんたの息子なんかじゃない。」

「親に向かってそんな口の利き方をするんじゃない。」

「今更父親のフリか。もううんざりだよ。それなら俺がなりたいといった弁護士にならしてくれよ。それもしないくせに自分の都合ばかりを吐くな。聞き飽きた。」

圭太は部屋へと入ってしまった。幸助には3人の息子がいる。長男は画家になった。次男は進んで警察へと入っていた。三男は弁護士の資格があるのに無理矢理警察へと入れた。だからかいつもあたりが強い。長男と三男は仲が良くて実家にすらかえって来なくなった。職に対する希望の強さを考えていなかったのかもしれない。兄弟そろって会議をすることもない。飲みに行くこともなかった。学生の頃から仲が良かった長男と三男は今も交流があるのだろう。幸助はトボトボと警視庁まで歩いて帰ることにした。頭を冷やすという意味を自分に含めて歩いているだけだった。都合のいいと圭太からいつも聞く。権力ばかりに目に向かないのが悪いと思っていたが違うらしいことまでは分かった。金で解決するだろうと勝手に思っているだけであることも知った。何もかも遅かった。警察は何を守ろうとしているんだと被害者遺族から大声で怒鳴られた。それも相手が悪いといって放っておいた。被害者の気持ちは事件に関係ないと思っている。今もまだ・・・。

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