進む紙時計
源太郎のマンションにある資料室は警視庁にあるものの最小化したもののように思えた。1つ違うのは上からの圧力を感じないことだ。勝手見ても愚痴っぽいことを言われない。公認されたようなものだと思えた。一ノ瀬という和食やをしていたことが昔の新聞を読んでわかった。分厚いファイルをもって2人のところへ帰った。
「こんなに長居してもいいんですか?」
工藤は不安に思ってしまう。画家の家にいるということ、事件について調べて貰っているということと複数で引っかかってしまう。圭太は能天気に言った。
「いいんだよ。画家っていつも絵をかいていなくてはいけないというわけじゃないんだ。個展の依頼とかコンクールに出すつもりなら書いていないといけないけどなさそうだし。」
彼の目線はカレンダーを見ていた。1年分のカレンダーだった。月別のカレンダーは卓上に置いてある。赤い丸が描かれていないから言ったのだろう。
「圭太のいう通りさ。何もないからね。人の習性をよく見てるよ。だから親父が欲しがったのかな。厄介な話だよな。」
一ノ瀬に関する事件をとってきたということは今回の事件と関係するのか。ただ似たような事件だからなのか。
「一ノ瀬という和食屋をしていた。それが未解決にされている。政治家が関わっているところまではわかっているんだ。だから鑑識にすべて証拠品とかは渡しているんだ。暇なときにやれって。」
一ノ瀬の両親は放火によって起こった炎で死んだ。普通は逃げれたのに逃げれなかった。詳しく調べると鍵の上に頑丈にしてあった。開くことのない店だった。徳人は生きていたということは何処かへ行っていたのだろうか。
「一ノ瀬さんは友達の家で遊んでいて無事だった。防犯カメラがあっても死角となるところにあったんだ。それか死角になるように仕掛けたのかもしれないな。阿部の事件はナイフで刺されていたろ。隣人も気になるところなんだけどな。」
隣人がいつでもアパートにいるのなら音が響くことがあるならわかるだろう。会社から帰ってきたのがわかって画材店に行くことも知っているのに。
「単純な事件と単純じゃない事件。何処につながりがあるんだ。」
「知らない。けど、これも未解決事件として処理される運命をたどっているのはわかっている。あの数見ただろう。きりがないんだよ。」
被害者の気持ちを考えていないのは知っていた。何処かで放っておくのだろう。時効の消えた今、ホシを野放しにするのは嫌だ。これからすべての事件の運命をつなぐ。




