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宿

ペットと遊んでたら噛まれました、でもそんなとこも可愛い!



「これからどうしますか?」

「取り敢えず、宿を取ろうと思ってるんだけど、安い場所ないかな」


 並列思考を使って家の場所を探しているけど、効率が悪い。彼女が死ぬまでの記憶というのもあるが、記憶の順番がバラバラになっていて複雑だ。整理などできないだろうか? まあ宿でゆっくり考えよう。


「そうですねぇ」


 リアリーが考えている。


 目的が終わったらどうしようかな。やっぱりまずはお金を稼いでおかないと、無いよりあるほうがいい。

 確かここは学園があった、僕は学校など行った事がないので憧れている、そして様々なことを学べるだろうし、もしかしたら男性を克服できるかもしれない。学園に行くという手もある。でもどちらにせよ、お金がいる。


 そんなことを考えているとリアリーが、あっと声を上げた。


「いいところがありました、鈴なりの夢幻亭という宿です」

「一泊いくらなの?」

「一泊三百ゼニーですね」


 安いのかな? といっても千二百ゼニーしか持っていないのだけど…。


「ちなみに他の宿はどれ位するの?」

「大体、五百~千ゼニー。良いとこになると一泊一万ゼニーなどですね」


 かなりお得だったみたい。


「ベッドもちゃんと備わってますし、朝食もちゃんと出ますよ」

 

 ベッドが付いているうえ、朝食もついている。


「取り敢えず宿に向かいましょうか」

「そうだね」



 手をつなぎ移動する。


 移動していると学生服を着ている少女達がいた。今は大体お昼ぐらいか、曖昧なのは、この世界の時計は日時計だ、魔法があるゆえにあまり技術が進んでいない。

 移動している際、日時計があったのでチラッと見ていたが、見た限りではこの世界も地球と同じ時間の流れのようだ。だが普通の時計を見かけない。


「あの制服って、学園に入ったら皆着るの?」

「いえ、そういうわけではないですよ。服装は自由ですが、学園の制服は魔法の耐性など付与されていて優れていますからほとんどの人は制服を着ていますね」

「なるほど。 楽しそうだな…」


 少女達は仲良く食事をしていた。僕もあんな風に沢山の人と一緒に食事したいな。



『ぐう~』


 リアリーのお腹から可愛らしい音がした。


 顔を見ると、どんどん顔が赤くなっている。お昼にはちょうどいい時間だし、何処かで食事をしよう。


「そろそろご飯にしようか」

「そ、そうですね!」


 少し進むと、焼き鳥の様なものを売っているお店があった。


 元気のいい声で男性が客を呼んでいた。美味しそうな匂いがする。


「お!そこの二人どうだい、一本十ゼニーだよ!」


 僕はいつも通り、リアリーの後ろだ。 


「美味しそうですね、どうしますかラキさん?」


 するとまた、『ぐー』と、音がなる。


「……」

「今回こそ僕がおごる番だよ」

「でも」

「絶対に譲らないからね」


 リアリーは諦めた顔をした。


「おじさん、僕は…二本…ください…」


 はあ…。何とか言えた…。


 なるべく自分で言わないとね、自分に甘えるわけにはいかない。少しづつならしていかないと、いざという時に何かあってはだめだ。


「リアリーは何本? 遠慮しなくていいよ」

「それじゃあ、五本下さい…」

「あいよ! 全部で七本。えーっと、七十ゼニーだよ」


 小銀貨1枚渡す。


「小銀貨からだな…」

「お釣りは…三十ゼニー…ですよ」

「すまねぇな。計算が苦手でな…」

「あはは…」


 商売しているのにこんな調子で大丈夫なんだろうか? ぼったくられそうで不安だ…。 


 ちゃんとお釣りをもらい、リアリーが受け取る。近くに座れる場所があったので移動。



「じゃあ食べようか」

「そうですね、お腹ペコペコです」


 どうやら開き直ってもう隠す気はないようだ。


 今回も未知の素材なのでワクワクしている。この肉、何の肉なんだろう…。一応鑑定しておこう。



【ロック鳥の肉】

体の周りは石で覆われ固いが、中の肉は非常に柔らかくとても美味しい。



 おお、説明を見る限りとても美味しそうだ。


 一本十ゼニーなのにかなり量がある。一口食べてみる、噛むととても柔らかく、噛めば噛むほど肉汁が溢れる、味付けは濃ゆすぎず、丁度いい。


「美味しい」

「ほいひいへふへ(おいしいですね)」


 凄い食べっぷりだ、見ていて惚れ惚れする。やっぱり獣人は肉が好きなのかな?


 ロック鳥の焼き鳥は美味しく頂いた。食事を済ませたので移動を再開する。



 時々見かける服屋さんの服をよく見ておく、服は今着ているだけの一着なので参考にし、自分で作るためだ。ちょっと試したい魔法もあるし。


 しばらく進むと、通っていく人の数が少なくなっていた。


「結構遠いんだね」


 歩き始めて結構経った気がする。


「あと、もうちょっとですね」

「でもよく、宿を見つけたね」

「お金がないとき、一番安い宿を探していたら偶然見つけたんですよ」

「どんな所だった?」

「”宿は”落ち着いていて、いい場所でした」

「宿は?」


 なぜそこだけ強調するのだろう。


「店主に問題があって…」

「問題って?」


 聞いてみると、どうやら店主は女性のようだが、性格に問題があった。


 なんでも、大の女好きだそうだ。本来の宿の値段は2000ゼニーらしい…。なぜ安いかというと、女性客なら安くなるらしい、それも可愛ければ可愛いほど安くなるようだ。なので、もしかしたら値段が変わるかもしれないと、リアリーが言った。


 男性はどんな場合でも二千ゼニー固定らしい。 


 それはお店としていいのか…?

 

「なんか不安なんだけど…」

「多分、大丈夫…ですよ」


 

 とうとう問題の宿についてしまった。


 宿は木で出来ていて、木特有の柔らかさがあり、いい感じだ。看板にはちゃんと、鈴なりの夢幻亭、と、書いてあった。どうやらここで間違いないみたい。


「ここが…」

「はい」


 深呼吸をし、扉を開ける。


 中はしっかりとしており、とても綺麗にされていた。誰もいなかったので呼ぼうとしたら、奥から女の子が出てきた。


 もしかしてこの子が例の女性なのか? どこからどう見てもただの女の子にしか見えないのだが。


 奥から出てきた女の子は、十歳くらいだろうか。髪は黒く、瞳は燃えるような真っ赤な色、耳は少し尖っていて肌の色は自分と同じような色だった。


「いらしゃいませ」


 特に問題なさそう…?


「二人とも可愛いの…うへへ」


 訂正、かなりやばいです。


 あれ、僕はローブで隠してるのに何で?。一応、鑑定してみよう。



【エラー】


 鑑定できなかった、出来ないってことはリルと同じパターンなのかな。


「ぬ? お主、いきなり鑑定するのは失礼じゃぞ?」

「え、すみません!」


 気づかれちゃった…。


「うむ。じゃが戦闘以外はいきなり鑑定をしないことじゃな。感知系をもっていたら気づかれるからの」

「そうなんですか…」


 今度から気をつけなきゃ…。


「よろしい、お詫びにローブを取るのじゃ!」

「あ、はい」


 言われた通りにローブを取る。


「ふむふむ、やはり我の目に狂いはなかった!」


 すると、いきなり飛びついてきた。


「うわあ!」


 何するんだこの子は。僕に抱き着く女の子(店主)。


「かわええのー」

「やめてください、くすぐったいです…」

「いいではないか、その代わり宿代を無料にしてやろう!」


「む…」


 無料だと…。


 今は余りお金を持っていないので有難い。これくらいで済むなら安いだろう。 くすぐったいが。


 リアリーのほうを見ると、微笑ましそうにしていた。なんでだろう?。


「分かりました、いいでしょう。リアリー、良いよね?」

「いいな…………。 え! はい、いいですよ!」

「自己紹介がまだじゃったな。我はヘレナ、鈴なりの夢幻亭の店主をしているものじゃ」


 抱き着いたまま自己紹介をするヘレナ。


「僕は、グラキエスです、ラキって呼んでください」

「私はリアリーです」

「ちょっと気になったんですが、ヘレナさんは何歳なんですか?」


 気になったので聞いてみる。


「八百二十一歳じゃ」


 やっぱり子供じゃなかったか。


 さすが異世界、長寿種族などがいる。この世界は見た目で判断できないかもね。


「凄い…」


 リアリーが驚いている。


「そんなにすごいの?」


「凄いですよ…。この世界の平均寿命は八十~から百歳くらいですから。しかし、エルフ、ダークエルフなどは数千年の時を生きます。ハイエルフは寿命が無いと言われるほどです。」


「へー、凄いね…」


 ハイエルフ凄いな、僕も多分同じだろうけど…。

夜中トイレのために起きて床のほう見たら、赤い光の玉が浮いていて悲鳴を上げそうになったらゆっくり消えていったんですけど・・・。

真っ暗だったし、赤いライトも部屋にはないんですけどね、怖い。

真夜中に一匹だけ鳴く烏、スーパームーン、赤い光の玉、地震。って続いて恐ろしい・・・。

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