第32話:第一日目終了
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次は体育部合同による縁日へ行った。
縁日はグランドで行われている。正確には縁日っぽい露店というところ。テントをぴったり並べて体育会系の部がそれぞれ店を出している。
フランクフルト屋、綿あめ屋、焼きそば屋といった縁日らしい食べ物屋があれば、フリーマーケットをしている店もある。
凪は綿あめ、帯刀はおやき、浩樹は佐世保風ハンバーガーをかじりながら歩いていると越智と紫藤に再会した。
「お。いいとこに!お嬢ちゃん」
越智はそう言いながら駆け寄ると、ペンギンの形をした抱き枕を見せた。
「宝釣りしたらこれが景品で当たったんだが、いるかい?」
無理矢理抱き枕の形にしたせいなのか、胴体がやたら長くて不気味なスタイルのペンギン。出品した持ち主もその異様な括れが嫌だったのか新品同様である。だが、凪はそれを一目で気に入った。
ソフトビーズが入っているのか触ってみるとふんわりしているし、マイクロファイバーのような滑らかな触り心地の生地もいい。
そして、一番は顔である。
つぶらな黒い瞳、愛らしい黄色い嘴、そして頬の部分はほんのりピンクのチークが入っていてとても可愛いのだ。
凪が蕩けそうな顔でそれをプニプニしてるのを見て、越智は「あげるよ」と言った。
「あたしじゃ使わないからさ。お嬢ちゃんが使うといい。生徒会室に置いとくから後で取りにおいで」
引き取り手が出来て安心した越智はそれをビニール袋に突っ込むと、手を軽く振って次の会場へと移動していった。
「ウフフ。凄く可愛かったですね♪」
(いや、不気味だろ!?)
抱きやすいように括れを作ったせいで、捻り殺されたペンギンにしか見えない。しかも、妙に顔を愛らしくしているせいで余計不気味さを醸し出しているのだが、嬉しそうな彼女の気持ちを汲んで敢えて沈黙する二人であった。
凪は、浮かれながら次々に露店の評価を続けた。
「UFOキャッチャーの景品が多かったですね♪可愛いのが多くて、お金が足りなくなさそうな程危険で魅力的な誘惑でした」
浩樹達は凪が高得点を書き込んでいるのを苦笑しながら、彼女に見えないようにそっと書き込んだ。
『出品物のバリエーションが乏しすぎる』と。
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そして、本日最後はフィーリングカップルの部屋。
そこで見事カップル誕生となれば記念撮影をしてくれるらしい。
体育祭のリベンジなのか意外に大盛況である。
行列を作る程のその中身はまず、第一印象を1~5の番号から選んで両思いの場合は別のテーブルで話をして最終決定をする。また、第一印象がすれ違った場合は、クイズが出され共通の答えを出せれば話が出来、最終決定をする事が出来るというものだ。
「これじゃあカップル誕生しまくりにならないですかね?」
「単なるゲームとして捉えれば問題ないだろう」
と、口ではそう言ってる帯刀だったが、評価は良くない。
「俺も参加してみたかったな」
壁の花として評点だけ付けるのが、余程つまらないのか浩樹はそうこぼした。
だが、凪は浩樹が参加したら第一印象の時点で主旨が破壊されるとハッキリ感じながらもそれには一言も触れず黙々と評点した。
こうして文化祭第一日目が終了した。
本日2話目です。




