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第19話:先輩方の理不尽な物言い

 



 体育祭が終わり、一息つく間もなく、今度は下半期に向けて部費の調整と2学期の文化祭の草案作成に終われる日々になった。



「樹神はいるか?」



 そんなある日の事、クラスメイトと話していると上級生に呼ばれた。

 廊下に出てみると、そこには見たことのない上級生4人と英研の部長がいた。

 ウイルスの件がまだ記憶に新しい相手がそこいるだけに、凪は表情を硬くした。



「下半期のバスケ部の部費の支給額減らされるというのはどういうことだ?」


「野球部もだ。夏の大会も見ずに大幅に減らされるのは納得いかん!」


「柔道部なんて半分だぞ!?ふざけんな!!」



 今にも食いつかん程の勢いで言われ、凪は内心戸惑いながらも冷静に対応した。



「残念ながら先輩方の部は地区大会止まり。夏が本番とはいえ、現状を考えるに勝つ見通しがない為、この部費にさせて頂きました」



 その説明に納得のいかないテニス部部長が野球部達を押し退け意見した。



「テニス部は違うぞ!去年はインターハイに出てる!!それで引かれるのは納得いかない!」



 凪は、テニス部部長をじっと見た。



「そうですね。確かに……

 ですが、インターハイクラスは貴方だけです。

 夏の大会で引退されたら今後戦力が存在しません。ですから、当然の事ではないでしょうか?」



 その台詞にテニス部部長の顔は怒りで顔を朱に染め、凪の胸元を捩りあげた。



「それが上級生に対する言葉か!?」



 凪は苦しそうに顔を歪めながらも毅然と彼の目を見ながら声を絞り出した。



「せ、先輩こそ下級生に、やる、行為では、な、いじゃないで、すかっ。

 いくらじょ、上級生だから…ってそのような申し、出承認でき、かねま、す」



 悶えながら胸元の手をほどこうとしたが、上手くいかない。

 暫く格闘していると、鋭い刃のような声がした。



「何をしている?」



 その声で、先輩方は凍りつき、胸元から手が離れる。

 凪は、ようやく入ってきた新鮮な空気にむせかえった。



「凪、大丈夫か!?」



 浩樹の心配する声が聞こえる。

 だが、頭が痺れて反応出来ない。



「下級生に随分な真似をしてくれる。文句なら会計の俺に来るべきでしょう」



 明らかに怒りを表す帯刀の声。



「暴力に訴えるとは男の風上にもおけないな。それほどまでに不満なら生徒会と先輩方とで対向戦をしましょう」


「こちらで勝負方法は決めさせていただく。素人の俺達に負けでもしたら更に部費を削ってやる。

覚悟しておけ」



 どうやらそこには浩樹と帯刀がいるらしい。

 だが、凪の頭は酸欠状態で意識が定まらないままだ。

 そして視界がグルグル回ったかと思ったら急に暗くなっていき、凪は意識を手放した。




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