第11話:気になる
本日3回目の更新になります。
まだ、前の2回を見ていない方は気を付けて下さい。
生徒会室では帯刀がパソコンに向かっていた。
凪は真剣な表情の彼を見て、昨夜の男の電話の内容を思い出していた。
(あれ、まさかと思うけど裏口入学とかじゃないのかな……)
もし、そうだとしたら見過ごすわけにいかない。
とはいえ、一高校生がどうこう出来る問題じゃない。
どうするべきなのか考えていると、徐に帯刀の溜息が聞こえてきた。
「樹神。俺は忘れろと言った筈だ」
表情で気が付いたのか、帯刀はそう苛立ち気味に言った。
「無理です。帯刀先輩はなんとも思われないのですか?あたしは嫌です。このままなんて絶対嫌です」
「……」
帯刀は暫くパソコンを叩いていたが、真っ直ぐ自分を見る瞳に耐えかねて手を止めて彼女を見た。
「……この件は俺がなんとかする。
だからお前は今自分がやらなきゃならない事を優先しろ。
それでもし、今回みたいな事を見聞きしたら余す事なく俺に報告しろ。いいな?」
「……はい」
帯刀だって一高校生だ。
何か出来るわけじゃない。
だが、凪自身が動いてどうなる問題でもないし、実際やらなきゃならない事は沢山ある。
納得出来てはいなかったが、これ以上話しても無駄と悟り凪は資料の続きを読む事にした。
静寂が訪れる。
聞こえてくるのは、パソコンのキーボードを叩く音と、ファイルを捲る音だけ。
会話は一切存在しない。
だが、そんな時間はいきなりドアが激しく開く音によって終了した。
音の主は生徒会長の浩樹。
彼は脇目も振らず、一直線に帯刀に突進していった。
「恭介!!」
その理由を既に察している帯刀はニヒルな笑みを浮かべた。
「眠れなかったようだな」
「誰のせいだ!?」
そう怒鳴った時、視界の端に驚いた顔をした凪が入ってきた。
浩樹は恐る恐る彼女を見ると、そこには昨日の凪はいなかった。
(豆狸……そうこれだよ!)
キャルンという言葉が似合う丸く開かれた瞳。
小動物特有の愛らしさを放つ彼女の雰囲気に浩樹はホッと胸を撫で下ろして、彼女を抱き寄せた。
いきなり抱きつかれて動揺する凪に構わず、浩樹はいい子いい子と頭を撫で続けた。
「凪……良かった。本当に良かった。いつまでもそのまま可愛い豆狸でいてくれ」
「え?」
狸と言われた気がしたが、今にも泣き出しそうな程安堵している浩樹の様子に、凪はそのまま聞き流す事にした。
話の都合上、この回は短くなっています。
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3回連続更新の理由だったりしますf(^_^;




