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第六十二話 前世のわたし・もっと仲良くなっていきたい

殿下と昼食を一緒にとるようになったわたし。


しかし、それは嫉妬を呼び込むものだった。


わたしが殿下と仲良くなっていくのが気に入らなかったのだろう。


婚約者候補の二人は、クラスの人たちに、わたしのことを無視するように呼びかけた。


また嫌な噂を立てられるようになった。


「殿下を誘惑して自分のものにしようとしているわがまま女」


「殿下にいつもおねだりをしている贅沢好き女」


どうしてこういう噂が出てくるのだろう。全くそういうことはないのに。


その為、わたしはクラスで孤立するようになった。


無視され、嫌な噂を立てられることは、つらいことだった。


しかし、今までのわたしは、それ以上に苦しい病気と戦ってきた。


それに比べれば、まだ耐えられることだった。


わたしが耐えている内に、だんだん同情してくる人が増えてきた。


いつも笑顔でいることで、周囲の人たちがわたしのことを見直し始めたのと、自分では言わなかったが、重い病気を抱えているということがだんだん知られてきたのが大きいと思う。


病気のことは、特に同情されようとは思っていなかった。


普通にクラスメイトと接していきたかったが、これは仕方のないことだ。




こうして、少しずつではあるが、孤立状態からは脱却し始めていた。


殿下は、政務も移譲され始めていて、忙しさが増してきていた。


睡眠時間が短くなってきているようだ。


顔色の良くない時もある。


体も心もつらい時はあると思う。


わたしは、自分の体より殿下の体の方が心配になってきていた。


しかし、殿下は自分のつらさは他人に絶対見せない人だ。


わたしの前では微笑みを絶やさない。


それが、わたしを癒してくれる。


病気と戦っているわたしにとって、それは力になってくる。


そんな殿下の役に立ちたいと思い、わたしは内政についての知識を身につけていこうと思った。


いずれ助言ができるようになれるといいなあ、と思っていた。


そして。毎日殿下と話をしている内に、殿下に対する恋する気持ちが芽生えてきた。


ハンサムで、頭もいいし、体も鍛えている。そして、やさしくわたしを包んでくれる。


殿下のことが好きです。愛しています。


殿下の前ではまだ言えないけど、心の中では強く思うようになった。


殿下の方はどうなんだろう。


わたしのこと、好意は持ってくれていると思うけど、それ以上のことは思ってくれているのだろうか?


わたしの体のことは気にせず、好きな気持ちを大きくしてくれているといいんだけど。


もしそうだったら、相思相愛になって恋人になるってこと?


そうだったらいいな。


そして、キスまで進んだりして。


あら、わたしたら何を思っているんだろう。なんか恥ずかしい。


それにしても、この体さえもう少し強ければ……。


そう思わざるをえない。


今は小康状態だが、主治医からは、決して楽観的な話はされていない。


今まで生きてこられただけでも、十分すぎるほどなのだ。


長生きはできない身。


改めて、殿下とこのまま仲良くなっていいものか悩むところはあった。


しかし、わたしの心は、どんどん殿下に傾いていっている。


殿下には申し訳ないが、婚約者になりたいという気持ちも少しずつ湧き出していた。


そして、寿命が持つのであれば、結婚にまで進んでいきたい。


そういう気持ちも、少しずつ強くなってきていた。


こうして、悩みながらも殿下との関係を進めようとしていたわたしだった。


「面白い」


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