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第二十七話 友達をお茶会に誘いたい

二月中旬のある日。


今日の放課後、わたしはクラディナさんとお茶会をすることになった。


彼女とは、どんどん仲良くなってきていた。


彼女のおかげで、クラスの中であいさつやおしゃべりをする人が増え、もうクラスでの孤立状態からは脱出していた。


ノーナさんのグループを中心にわたしのことを無視している人は、まだ多い。それは仕方のないことだと思っている。


それでもわたしは、そういう人たちとも、友達にはなれなくてもあいさつぐらいはし合える間柄になりたいと思っていた。


わたしを悩ませている嫌な噂も少しずつではあるが弱まり始めている。


わたしは毎日、微笑みを絶やさず、人にやさしくしていこうと思っている。


そのことが、少しずつ理解され始めていて、噂が本当ではないことが理解されてきたのだと思う。

その理解を進めてくれたのはクラディナさん。


嫌な噂が弱まり始めたのは、彼女の力が大きい。


彼女は、わたしのこと理解してくれて、わたしのことを周囲の人にいつも褒めてくれている。


中には、


「なぜセリフィーヌさんの肩を持つの! 殿下を骨抜きにしようとしている人なのに!」


と怒りながら言ってきた人もいるそうだ。


しかし、彼女は、


「あの人ほど人にやさしくできる人はいない。あなたもセリフィーヌさんと接すれば、きっと、素敵な人ということがわかるわ!」


と強い調子で言い返したそうだ。


彼女に言ってきた人は、何も言い返すことができなかったという。


彼女には本当に感謝したい。


そうした気持ちがあって、わたしはクラディナさんを自分の屋敷に招待し、お茶をしようと思ったのだ。


とはいうものの、招待に応じてくれるかどうか、そこが心配だった。


友達になってからまだ一か月ほど。


もう少し仲良くなってからの方がいいのでは、と思う気持ちも強かった。


でも一方では、もっとおしゃべりをしたいという気持ちもあった。


おしゃべりは学校でしているが、それほど長い時間ではない。


そうしたこともあって、もっと長い時間、おしゃべりをする機会を作りたいという気持ちがだんだん強くなってきていた。


そこで、わたしは、意を決してクラディナさんに、


「今度の放課後、お茶したいと思うんだけど」


と言った。


今日から三日前の日のことだった。


仲良くなってきたので、誘われること自体は、嫌だということはないと思う。


用事があって断られることはあるかもしれない。


しかし、その時はその時だ。また都合のいい時に誘えばいい。


そう思いながらのお誘いだった。


一瞬クラディナさんは沈黙した。


これはまだ無理だったか、と思った。


しかし、


「ありがとう。セリフィーヌさん。誘ってくれて。わたし、誘われると思っていなかったので、ちょっとドキドキして、すぐに言葉が出てこなかった。うれしい。もちろん行かせていただきます」


とクラディナさんは微笑みながら言ってくれた。


わたしもうれしくてたまらなくなった。


友達のクラディナさんがわたしの屋敷にしてくれる!


その場で踊り出したい気持ちになったが、さすがにそれは自重した。


「それじゃ、三日後の放課後にお願いします。楽しみにしてるわ」


「よろしくお願いします。わたしも楽しみにしてる」


わたしたちは、微笑み合いながら、お茶会の約束をした。


そして、いよいよ今、クラディナさんがわたしの屋敷にやって来ようとしている。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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