○気にしなくていいのに
〇飛悟side〇
う....。愛沙....。
気まずい沈黙。でも、その沈黙を破ったのは、愛沙だった。
「....ごめん。」
「えっ?」
「理由....ちゃんという....から」
「なんの、理由?」
「....さっき、避けた理由。」
なんだ....まだ気にしてたのか...
全然、気にしなくていいのに。
「気にすんなよ。な!」
「....でも」
「はい!話は終わり!そろそろ部活終わるし、また後で聞くさ」
愛沙は少し考える表情をした。
で。考えが纏まったのか、「もういいよ....」と不器用な笑顔でへなっと笑った。
「じゃ。もうお互い気にしないのな」
「....うん」
やっぱり。コイツは不器用だな。
なんでかそんなことを考えた。
翌日。
朝も昼もごく普通だった。ただただ、時は流れる。
「まぁーいーかァァァァ!!」
横を走り抜けたのは....ベレー帽を被った美久先生....!?
しかも全力だし....あの人、なにしてんだ?!
「舞夏さんと遊んでるんですよ」
「は?」
突然の衣久先生....
てゆーか、遊んでる?部活....は....美術はないんだっけ?
だから....か(笑)
「....なにしてるの」
「うわっ、愛沙!」
「....そんなに、驚くなよ....」
....本当、神出鬼没だな....ε=(・д・`*)ハァ…
なんて思ってたら、吉昭がやって来た。
「愛沙ちゃん、時間空いてる?」
「まぁ....」
「話があるんだけど....」
てか、あいつら、俺放置かよ....
吉昭の奴、いる事気づいてないのか?
なんて、考えてたら、2人の姿はなかった。
で、後ろから声がした。「おい」と........................
ん?後ろ?................後ろォォォォォォ?!!!
待て!なんだこの地味ホラーは!!待て、待て、待てェェェェ!?
「何混乱してんのさ」
「は?」
聞き覚えのある声で一度落ち着く。
待て、意味がわからない。全く、さっぱり、意味がわからない。訳がわからない。
「俺だよ、ばぁか。」
「綾華か....」
ほっと胸をなでおろした。
「本題に入っていいか。」
「あ、はい。どうぞ....」
「2人を追うぞ」
「....唐突だな。」
「いいから、いくぞ。」
ズルズル引き摺られて、2人....吉昭と愛沙を追う羽目になった。