転生
突然のことだった。
18歳の成人式の日朝早くに会場に向かう為に家を出て会場の目の前までやって来たのに横断歩道を渡っている最中に車に撥ねられてしまった。
「ぐっ!?」
一瞬余りの痛さに一瞬意識が飛んだ。
それから直ぐに意識が戻ったけど目の終点が合わない様なぼんやりとした景色しか目に入って来なかった。
その後のことは頭がボーッとしていて余り覚えて無いが周りから悲鳴が沢山聞こえていた気がした。
(俺死ぬのか――)
大学に進学する為に頭は良くなかったけど必死に勉強して模試も毎月受けたのにそれも全て無駄になってしまった。
死ぬほど辛かったけど絶対大丈夫だと自分に言い聞かせて頑張った。
波の様に押し寄せては引いて行く不安に襲われたのは一度や二度では収まらない。
(死んだらどうなるのかな、また記憶が消えて一からやり直し?こんなに頑張ったのに、まだ十八歳なのに…あんまりだよ…)
意識が段々と遠くなっていく。
そして――完全に意識が消失した。
* * *
「…あれ、俺は死んだ筈」
先程車に轢かれて死んだ筈が意識があることに戸惑う。
だが手足の感覚は無く、自分で自由に動くことも出来ない。
「どうなってんだこれ…」
仕方ないので周りを見ると長い一本の道の上に火の玉が沢山並んでいてどうやら自分もその中の一つであることが分かった。
「此処が死後の世界なのか?…てかこれはどこに向かってるんだ?」
周りには何も無いので時間すら性格に把握することは出来ないが大体三時間程経った後遂に自分の番が来た。
目の前には法衣を着た口に巨大な牙が生えている巨人がいる。
(これが閻魔大王ってやつなのか?)
「地球の人間…罪を犯したことも無し」
何やら書類に目を通してそれだけ呟く様に言うと勝手に自分の意識が上へと上昇していきもう一度意識が途絶えた。
* * *
「……ん?…今度はなんだよ」
強制的に意識が消失してり戻ったりして不思議な感覚を味わった2度目の目覚めに驚くこともなく目を開けるとそこは知らない天井だった。
真っ白な天井…てことは此処は病院?さっきのは唯の幻で本当は生きてる?
それを確かめようと身体を動かそうとすればなんの痛みも無く、まるで事故も何も無かったかのように身体を動かすことが出来た。
「身体が動くし手も足も全部ある……生きてる」
そして起き上がった次の瞬間此処が病院ではないことに気づいた。部屋は途轍もなく狭くてベットから抜け出せば窓と出入り口の扉まで一直線にしか進めない。
てか窓どうなってんの!?作りが中世風で所々木でできてるんだけど!?俺そんなコンセプトの病院に入院した訳じゃないよね?
此処が日本なのか不思議に思って恐る恐る窓を開けてみる。
「ハァァァ〜!?どこだここ!?」
窓の外は晴れ晴れとした澄み渡った空が広がっており、そこには無数の超巨大建造物が浮かんでいた。
だが殆どが地味なアパートを何百倍にも大きくした様なもので、その他の建物は立派な西洋風の神殿の様なものや宮殿と呼ぶに相応しい建造物など如何にもやべー雰囲気の建物のもある。
「色々分かんなすぎだろ、俺は何に――何処に転生したんだよ!」
そして下を見るがこの建物を囲む様に何やら魔法陣の様なものがぐるっと一周して存在するだけでそれより下は雲に覆われて確認することは出来ない。
この作品は不定期投稿にします。




