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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
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第21話 少しの力と想い

遅れてしまいすみません!


 変になっている部分が多すぎて修正に時間がかかってしまいました。


 「フウー、さて首輪は外れたのは喜ばしいが―――"アレ"どうする?」


 「う~ん、……本当にどうしよう?」


 重い音をたてながら首輪が地面に落ち、確認する様に自由になった首を擦り喜ぶが、すぐに顔をしかめ……後ろの方を指し首輪を外してくれた彩芽に尋ねる。


 その方向に顔を向けながら眉をひそめつつ腕を組み唸ると、困った目を向けて尋ね返してきた。


 そうしてお互いに困り果てながら問題のアレの方を見ると―――境内にあがる為の階段に座り込み、手すりに上半身を預け虚ろな眼差しで涙を流し何かを呟く姉貴がおり、そんな姉貴を慰めようと麗奈が必死になりながら、周りに殺気と威圧を向け……時折睨み付け人を怯えさせる姿を見続ける。


 通常であれば麗奈の方で困ってる様に思うかも知れないが実際の理由は姉貴にある。


 ただでさえ地元以外でも噂がたつ程に綺麗なうえ、家族の俺達三人が見てもエロいと言える体つきをしている姉貴が……虚ろな眼差しに加え、着ている巫女服の半分がはだけかけ豊満な胸の谷間が見えており端から見れば完全に襲われた後の状態になっていた。


 (はぁ~、あんな格好になっている姉貴も悪いが、だからといってアイツの殺気を受けながらもよく撮ろう何て行動を起こす事が出来るな。俺ならすぐ逃げるぞ?そのエロに対する貪欲さを誉めるべきか。それとも軽蔑すべきか?)


 周りに意識を向けてみれば、血走った目で前屈みになる奴やカメラを向けるか迷っている奴等を、軽蔑と尊敬を入り混ぜた目で見ながら考えていると横に息を乱した彩希羅が彩芽の横に立つ。


 「はぁ~はぁ~、いやどうしようも何も彩芽があんなことを言ったからだろ!?」


 「ウグッ!?だ、だってしょうがないじゃん!?ああ言わないと絶対と言いきれる程に離す気も外す気も感じられなかったんだもん!?」


 乱した息を整えた彩希羅がさっきのやり取りを聴いていたのか、軽く彩芽を睨み……怒気を含ませた声で指摘する。


 その指摘がささったのか息を詰まらせた様な声をだすと、言いづらそうにしながらもすぐに言い返し始めた。


 なかばやけくそ気味に言った彩芽の返答に彩希羅は額に青筋を浮かべ彩芽の頭をバスケットボールの様に掴みあげ周りの男共の方を向かせる。


 「もんじゃねえよ!その結果を見てみろ!?周りに変態共がハエの様に集まってしまってんじゃねえかよ!!?」

 

 「それについては悪いと思って反省してるから!?早く放しイタダダダ!?待って待って、これヤバイから!?これ頭が潰れちゃうから!?」


 「そう言う位なら最初っからしっかり反省せんかー!?」


 「イダダダ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさーい!?」


 怒りながら変た―――もとい生ゴミ達を差し、罵りつつ説教しているが、彩芽の反省が足りない事が発言に感じ取れたのか更に目を吊り上げ、掴んでいる頭に力を込めだすと、その痛みに涙眼になりながら本気の謝罪を始めた。


 俺はその様子を眺め、(気付いてないみたいだが……彩希羅に罵られて興奮している奴等も結構いるんだがな?)と思った後、また周りを見回してみると……彩希羅の方を見ながら鼻息を荒げて写真を撮る奴や、前屈みで「ありがとうございます」と言っている奴や、「ああ、彩希羅ちゃんの怒った顔も可愛いよ!ハァハァ」と言っている声を聴きながら呟く。


 「はぁ~、この街には変態しかいないのか。最後の奴は後で捜しだして精神的に追い詰めるとして、姉貴の方の変態共がそろそろ増えてきてヤバそうだな」


 「ちょっとアンタそこで死んでないで手伝いなさいよ!そろそろこっちもヤバイのよ!」


 「人を勝手に死体にすんな!こちとら眼が死にかけてるだけの生きてる人間だ」


 「どうでもいいから早くして!周りの雄共がどんどん撮り始めてきて本当にヤバイのよ!」


 死体呼ばわりされた事に条件反射で突っ掛かったが、周りが行動し始めてるのは判っており意識を向けたまま思う。


 (はぁ~、アイツ等がいて勘づかれないか心配だが……やるか)


 決めるや否や目を閉じ、息を吐き出し続けつつ口元を覆った瞬間――――ドックンと心臓が一度高鳴り、ほぼ同時に自身の体感がスローになったのを感じ取る。


 周りの音も無くなり感じ取った感覚にだけ意識を向けつつ、最初に目を閉じた際に見た人の数……そして建物や木の配置と距離を映像として置きつつ、今度は周りに反響しあった人の声や風で揺れた木葉の音で場所と数の把握を始めた。


 その工程を終え映像として置いていた場面と照らし合わせ整合性を取り始める。


 (木や建物の配置は……問題なし。範囲指定……範囲、神社内の全て……情報の習得完了。…チッ、思いの外散らばっていってるな)


 神社内にある建物全ての配置と人の数を把握し、特定の行動をしている奴に絞り込むものの方々に散らばっている事に苛立ち舌を打つがすぐに切り替え行動の予測と人数の把握に努める。


 そして全てを終えると口元から手を離れる瞬間―――――


 『砂壊(さかい)』

 

 ――――周りに聴こえない音量で言葉を発し終えると同時に体感が戻る。


 それに伴い消えていた周りの音も聞こえだし始めた。


 周りの奴等から見れば、ただたんに口元を撫でただけに見える様にしたが、麗奈や姉貴のような特殊な奴は気付いてしまう可能性があり、注意して観察するがどちらもそれどころではなかった様で気付いていなかった。


 俺はその事に安堵しながら姉貴を正気に戻すため近づいていく。


 「ほら、美咲さん大丈夫ですから未来の奴も嫌いになってませんから!?さっきのあれは未来が何も考えずに返事をしただけで、美咲さんの事は大好きですから元に戻って下さい!?」


 「あぅ、未来に嫌われた~。嫌いになるって言ってはい。って~。未来嫌いにならないで~」


 近くまで来た事で聞こえてきた言葉に、(これ案外深刻な感じだわ)等と思いながらも進み姉貴の目の前まで来たが案の定と言うべきか目の前に来ても反応せず同じ事を呟き続けている。


 「大分深刻だな?」


 「他人事の様に言っているけどアンタと彩芽ちゃんのせいでこうなってんのよ!?責任もって何とかしなさいよこの馬鹿!?」


 「へいへい分かってるよ。とりあえず何とかするから麗奈はアイツ等の方を止めてきてくれ」


 そう言いながら今だ説教している彩希羅達の方を指差し伝えると一つ頷き早足で向かった。


 麗奈が止めに入るのを確認し俺も行動を始める。


 (今の姉貴の状態じゃあ話自体まともに出来そうにない。なら何か姉貴の琴線にふれる様な行動か言葉が必要になる)


 (そうなると他の奴等にはあまり見せたくないし聴かれたくない事をする必要性がある。だから離れさせとかなきゃな。さて、やるか)


 「嫌われた……未来に嫌われた。もう生きていけないよ」


 「……ね、姉ちゃん」


 今だ呟き続ける姉貴に言い淀みつつも昔の呼び方で呼び掛けるとピクッ、と体を震えさせ目を虚ろにさせたままではあるが呟くのを止め、ゆっくりと俺の顔を見てきた。


 「未……来?」


 「姉ちゃん。その、さっきはごめん。あの返答をしたのは本心じゃないんだ。少し頭がイカれて何も考えずにしてしまった返答だった。だからごめん!」


 「お姉ちゃんの事……嫌いじゃない……の?」


 そう聞かれた事にゆったりと首を横に振りながらしゃがみこみ、姉貴の目線にあわせ言葉をつむぐ。


 「嫌いじゃない。姉ちゃんも、彩芽に彩希羅も大好きな家族だ。それに」


 言葉全部に偽りのない本心をさらしているせいか、体が熱くなり心臓が早鐘の様に鳴り響く。


 止まらなくなった気持ちは今まで溜めてきた気持ちも言おうと姉貴の手に自分の手を重ね俺が……僕自身が――――


 「俺……いや―――僕自身にとって姉ちゃんはその中でも一番大切な人だよ」


 ―――今まで言えなかった一番の気持ちを伝えた。


 その言葉でようやく姉貴の目に光が戻り潤ませ頬をほんのり赤らめつつも笑顔で返してくる。


 「うん!私にとっても……未来が大切な人だよ♪」


 そう言い終わると重ね合っていた手を繋ぐ形に変えお互いに小さく笑いあった。


 この時の俺の顔は自分では気付いてなかったが、初めて姉貴に見せた笑顔と同じ無邪気な笑顔だったのは言うまでもない。


 ただこの時に注意をはらっていなかった為、気付いてないが円の様に囲んでいた集団の外側の木の影から―――俺達を血走った目で見ている奴がいた。


ここまで読んでくださりありがとうございます!


 誤字や脱字がありましたら指摘して頂けるとありがたいです。

 次回は2月に出します。

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