第20話 日常と全員集合
遅れてしまい大変申し訳ありません!
活動報告に書いた通りなんとか今日までに書けました。
12月までに出せず本当に申し訳ありません
「ん?ああ、もうそんな時間か?麗奈ちょっとメールがきたから代わってくれっか?」
「オッケ~、って後一発で撃ち終わりじゃないのよ!一発位なら撃ってからみなさいよこの馬鹿!」
射的の途中にスフィアが震えた事が分かり、もうすぐ集合時間か。と思いながらスフィアをとる為、やり途中の空気銃を横で見ていた麗奈に渡し場所を代わると、コルクの容器にある一つを見てキレてくる。
それに対して「銃の先を見ろ」とだけ返すと「それでも二発だけでしょうが!」と騒ぐが、無視してスフィアのメールを確認し始める。
(案の定…姉貴からか。内容はっと、……どうやらもうすぐ最終確認も終わるみたいだな。いつもなら必要ないんだが、朝っぱらからずっと心配し続けてるからな~?…一応、返しとくか)
そう結論をだすが早いか画面に手短に打ち込み送信をすると、一瞬で返ってきた事にビクッとしつつ見てみると、了承の返事が書かれていた事を確認し終えスフィアをしまい、射的をしている彩芽に声をかける。
「お~い、今やってるのが終わったら姉貴との合流場所に向かうぞ」
「は~い、ってあ!外れた~もう、お兄ちゃんのせいだからね!」
「いや、彩芽の場合さっきから外し―――痛っ!?」
かけられた声に返事しながら真剣な目で撃つが、外れてしまい頬を膨らませ怒ってくる。
それに対して彩芽の真横で見ていた彩希羅が、ツッコミを入れようとしたがその途中で短く叫ぶと顔を歪ませる。
「ん~?どうかしたのかな~彩希羅?」
「いや、どうかしたって足!?足踏んでるから!?いって!おい捻るな!」
その反応に彩芽は振り向くと笑みを浮かべたまま彩希羅に振り向き何でもない様に尋ねる。
その反応に顔を歪めつつ抗議の声をあげ、踏んづけてくる足をどかそうとする。
そのやり取りにため息を吐きつつ再度呼びかける。
「おい、じゃれあってないでさっさと行くぞ」
「「じゃれあってない!!」」
「いいから行くぞ。遅れて姉貴がキレたら彩芽や彩希羅のやり取りを話して「すぐに行こう!!」……はぁ~、んじゃ俺らも行くか」
行こうと動くが、二人はさっきと同じやり取りを続けて動こうとしない様子にもう一度声をかけるも、揃って言い返しまたじゃれあいを始めようとする。
その様子を眺めつつ最終手段をもちいり声をかけた瞬間―――最後まで聞く前に走って人混みの中に消えていった。
その姿を見送りつつ疲れた息を吐き、麗奈に声をかけ俺達二人も歩きだすと麗奈が疑問符を浮かべながら聞いてくる。
「いいけどアイツには連絡したの?」
「あ、忘れてたわ」
麗奈に言われアイツの存在を思いだし連絡を取るかと少し考えたが、面倒だな。と結論に至り「……まあ、いいか」と言い進もうとしたが後ろからこちらに近く足音と同時に――――
「いや、よくねえよ!」
―――――佐間義のツッコミが聞こえてきた。
俺は、うっわ~と言いたげな表情になりながらも首から上だけを後ろに動かして見ると、息を荒げて近寄ってきてる佐間義が眼に映り、(うっわ~、面倒な事になりそうだな~) と思っている内に人一人分の距離まで近寄りツッコミを続けてくる。
「お前なに人のこと忘れたうえに連絡せずに行こうとしてんの!?俺達ダチだよな!?つーか、そのめんどくさそうな顔を止めろ!!」
「う~し、揃ったし早く行くぞ」
「そうね。早く行きましょう」
「俺の話を聞けー!?」
案の定めんどくさい事になったなと思いつつ、返答するかどうか考えたがすぐに無視する方に傾き麗奈に声をかけた。
声をかけられた麗奈も意図を察してくれたのか佐間義を無視しつつ、返答してきたのを確認して歩きだすと、また叫び声をあげ追いかけてくる。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ん?早いな」
「なにが?」
あのやり取りを終え合流場所にしていた境内が見えると、彩芽や彩希羅そして姉貴がいるのが分かり思った事が小さく口からでていた。
「いやほら、姉貴の奴もういるからよ」
その言葉は真横にいた麗奈には聞こえていた様で首をかしげて聞いてくる麗奈に姉貴たちの方を指しながら答えると納得したようで頷く。
「ほんとね。もしかして遅れたのかしら?」
「いや、メールで最終確認だけだって言ってたから早々と終わらせたんだろ」
「なあ、ちょっと聞いていいか?」
待たせてしまったと思ったのか、俺に聞いてきたのでメールに書かれてた内容を伝えると納得したように頷いた。
そこで会話を終えそのまま向かおうとしたが、後ろから佐間義が声をかけてきた事で足を止め「別にいいぞ~」と振り向き言うと話しだす。
「最終確認なんだよな?普通はもっと時間かけるもんじゃねえのか?」
「あ~普通はそうなんだが、姉貴の場合は幼い時からやっていたうえに義母さんのを見ていたからか、ほぼ全部を覚えているんだよ。だから細かい調整と、祭事の補佐をする人達との合わせだけで済むんだよ」
「へー、綺麗なだけじゃなく記憶力もいいんだな。ただブラコン過ぎるのが凄く残念だな~。……それがなければすぐ押しまくって求こぉぉん!?」
俺の答えを聞いた後、姉貴の方を子供が興奮した時の目で見つつ言ってきた言葉に誇らしく頷き、次の言葉には何度も首を縦に振り納得した。
ただ少しの間をあけた所で呟く様に言った佐間義の言葉に聞き捨てならず、喋ってる途中の頭に拳をわりかし強めに叩き落とし、頭を押さえ唸ってる佐間義を見下ろしながら警告をいれる。
「かつ間義、次は―――無くすぞ」
「何処を!?」
「そんなの分かりきってるだろ?」
「ヒッ、すみません。ふざけすぎました!?」
まだ痛むのか頭を押さえながらも……いつものツッコミをいれてくる佐間義に、笑顔を向けて答えると怯えた顔で、後ずさりしながら謝ってきた。
それに内心で首を傾げていると、察したのか麗奈が呆れた顔で言ってくる。
「アンタの眼が全く笑ってないうえに殺気を出しているからよ。だから早く収めなさいこの馬鹿」
そう指摘された事で……あ、ヤベ。とすぐに収めたが、周りにいた人等は軒並みいなくなっており「やっちまった~」と頭を抱えるが、それも一瞬だけですぐにある事に気付き後悔する。
(あれ、確か姉貴の姿をアイツ等も確認出来てたよな?で人がいたから姉貴達は気付いてなかっただけで視認できる距離にはいた事になり、今は不自然な位に人がいなくなってスッキリしていると……つまり)
そこまで考えて答えに行き着いた瞬間―――顔を青ざめ小さな本当に小さな悲鳴をあげ姉貴の方をゆっくりと見る。いや―――見てしまった。
「み~ら~い♪早く~♪お・い・で♪」
誰しもが見惚れる笑顔で俺に手を振り呼んでくる姉貴の姿が確認できる。
だがそれが普通の笑顔であればの話であり……今、俺に向けられた笑顔は恐怖を覚えてしまう程の威圧感がある。
なら逃げればいいと思う奴がいるだろうが、見つかった時点でその選択肢は潰れている。
なんせ振っていない逆の手は後ろに隠しているが、脚の間から見覚えのある鎖と腰の辺りからもこれまた見覚えがある棘の形状をした鉄が見えている事から悟ってしまったからだ。
(ああ、人生とは儚いものだ。……今日の死亡原因って姉貴による処刑なのかな~アハハ)
そんな事を考えながら瞳から理性の色をなくし……乾いた笑い声を漏らしながら姉貴の所に向かった。
「……なあ」
「…なに」
「俺、今だけはアイツに少し申し訳なく思うんだが」
「そう思うなら助けたらどうかしら」
「無理」
姉貴の方にフラフラと向かう俺を眺めながらそんな会話をかわし、麗奈と佐間義はお互いに顔を見合わせた後、合掌して見送った。
その一分後には俺の悲鳴がこだました。
その後、また首輪を取り付けられロボットの様に返事を返すだけになった俺を見た麗奈や彩希羅達三人が姉貴を説得しなんとか解放された。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
急いで書いた為、雑になってしまってる部分があるかもしれません(絶対にあるな)のでその時は指摘をお願いします。
次は1月中に出します。