閑話 久しぶりの邂逅
おはようございます。
暖かくなって、うっかり通勤前に上着を
羽織るの忘れました。
帰りが寒くないといいなぁ
起きて。
耳もとでなんだか懐かしい声がする。
ダレ?誰だっけ?
聞いたことがある声なのに近くて遠い?
う~ん。だあれ?
わたし、まだねむい。
そんなこと言わずに起きてくれまいか?
起きて話を聞かせてください來祢。
やっとそなたと繋がったのだ、久しぶりに話をしようではないか。
今世のあなたの話を聞かせてくださいませんか?
そこまで聞いてハッと気が付いた。
この声は選別の義で聞いた光?神さま?の声だ。
わぁ!?
驚いて飛び起きたわたしの視界は、また球体に包まれたぼんやりとした物だったが、すぐ近くに薄らとそれと分かる人らしき輪郭がある。
神さまですか?
思わず呟いた小さな声にふたつの輪郭がうなずくのがわかる。
下界ではそう呼ばれることが多いな。
あなたの好きに呼んでください來祢。
では神さまとお呼びしますね。
でもどうして?
わたし、また死んじゃいましたか?
まさか!あなたはちゃんと生きていますよ。
久しぶりにあなたが近くに感じられたので、話をしたくてコチラに呼び寄せてしまいました。
遠くからは眺めていたが、声をかけられる近さではないからな。
近く?
あ……王城には神殿があるから?
辺境伯領には無いもんなぁ……。
そう言う事だ。
來祢はやはり察しがいいな、我らの加護持ちだからな。
ん?えっ……ちょっと待て!
え。
待って、加護持ちってなに?
なんだ、自覚してなかったか?
そたなは我ら二柱の初めての愛し子。
わたくしたちの加護を持つ初めての愛すべき子ですよ。
え?えっとそれって大丈夫なの?
わたし普通に生きていけるの?
ふはは!大丈夫だ、体調に変化は無かろう?
ふふふ、少々成長に遅れはある様子ですが、お供に付けた神獣達が上手く隠しているようですし、あなたが心配するような事はこの先もありませんよ。
そうなの?
ちょっと待て、神獣?
もしかしてリリとロロのこと。
え?ふたりは精霊なんじゃないの?
ん。
あれらは我らに紐づく神獣であるが、今はそなたを護り導くそなたの精霊。
あなたの友であり師であるようにと言い聞かせてそちらに送り出しましたが、上手くやっている様子ですね、良かったです。
そうなの?
でも、わたし、自分で庭で選んだ妖精だったはず?
そうですね。
そなたに選ばれなければコチラに戻る手筈であったが、そなたはそなたの意思であれらを選んだ。
ええ。
それは確かに、リリとロロに強制されたわけではないし、神さま達がそう言うならわたしがふたりを選び今も一緒にいるのはわたしが選び取った運命なのかも?
そうだ、まだ確信が持てないしふたりにも聞いてみたい。
普段はわたしの影に潜んでいるけれど、話は聞いているはずだし。
でも、ココで出てきてくれるのかな?
なんか、夢見てるみたいな感覚だもんなぁ~
試しにリリとロロを呼んでみる。
リリ?ロロ?いたら出てきて。
わたしの声に見えない影が揺れ、ふっと気付くと両脇にいつもより大きなリリとロロがいた。
真っ赤な燃え上がるように美しい色をした大きな翼の孔雀のような鳥?
真っ黒でツヤツヤの毛並みでいつもの3倍くらい大きな犬?
ごめんね。コッチだと本来の姿にしかなれなくて。
すまん。大き過ぎて怖がらせたか?
ふたりがしょげたように目尻を下げてわたしを両脇からのぞき込む。
大丈夫だよ、リリは大きな鳥さんなんだね~綺麗だなぁ。昔読んだ火の鳥みたいですごいなぁ♪
ロロはめちゃくちゃ大っきいなぁ~馬さんみたい♪
強そうでかっこいいね!!
ふたりは神獣なの?
まぁね。そうだな。
キライになる?
まさか、なんで?
黙っていたからな。
そんな事?聞かなかったし?
神獣でも精霊でも妖精でも、何でもいいよ?
ふたりはリリとロロでしょ?
これからもずっと一緒でしょ?
もちろん。
ずっとそばにいる。
約束したからね。
うむ。
頼んだぞそなたたち。
わたくしたちにも加護を与えた愛し子とは言え、できることに限りがありますからね。
御意。お任せを。
なんて定型文的な侍従の挨拶を済ませたあとは、神さまと一緒に色んな話をした。
これまでのサイネリアとして産まれてからの生活や家族の話。
美味しかったご飯やお菓子の話もした。
ちょっとだけ別れた日本の家族の話も聞くことができた。
特例だぞ?と苦笑い付きで。
両親は別の世界でまた出会って恋を始めたらしい。
仲良し夫婦だったもんなぁ~
お姉ちゃんはなんと!?冒険者になってダンジョンに仲間と潜ってるらしい。
スポーツが得意で明るい性格のお姉ちゃんにはピッタリかも♪
うん。
わたしも負けていられない。
ライネリアとして楽しく生きていかなくちゃ!
まだ五歳だもん。
何ができるかわからないけれど、リリもロロも。
そして新しい家族もいる。
大丈夫!頑張れネリ!
気持ちを新たにしたところで神さまから帰りの時間だと告げられる。
そろそろ朝、起きる時間が迫っている。
神さま。
ありがとう。
新しい家族と新しい人生をくれて。
わたし。
頑張るよ!
また会える?
ああ、また会おう。
たまには神殿に来てください。
また会いましょう。
お元気で、幸せにね。
うん!またね!
読んでいただけて
ありがとうございます。




