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あっという間に2月の卒業展示の準備開始だ

 さて、大晦日の中華街デートのあとの短い春休みはあっという間に終わった。


 1月の後期の期末試験と技術考査はあっさりクリアしたよ。


 まだ基礎段階の1年目はともかく専門学科とはいえ、調理師免許自体はみんな手に入れてる2年目の筆記試験実技考査で落ちるやつはほとんど居ないけどな。


 後期の筆記試験と技術考査を無事クリアしたら卒業制作展示について考えないといけないが、今年も工芸菓子(ピエスモンテ)で行こうと思う。


 ジャパンケーキショー東京の見学でみた様々な工芸菓子(ピエスモンテ)や文化祭の和菓子に触発されたというのもあるんだけどな。


 去年の卒業制作展示は砂糖細工(パスティヤージュ)だったけど入賞はできなかった。


 だから今年は是非入賞を目剤したいのだ。


 そして今年は飴細工(シュクル・ダール)で行こうと思う。


 飴細工の歴史は古くそもそも砂糖細工と飴細工は明確に分けて考えられていなかったようだ。


 熱した飴を用いて造形物を作り出すためには、高度な技術と美術的なセンスも必要で、西洋の飴細工は基本的には食べることを目的としない。


 その発祥が何時頃なのかもはっきりはしないが日本に飴細工が入ってきたのは延暦15年(796年)と言う話だから奈良時代にはもう中国では作られていたのだろう。


 もっともポルトガルが南蛮菓子として持ち込んだ有平糖のほうが直接的な影響は大きいようなんだが。


 飴細工の技術は洋の東西を問わずほぼ同じで80℃ほどに熱して柔らかくなった飴を飴を引っ張り伸ばしたり空気を飴の内部に送り込むことにより、丸い立体的な形に成形したり、その型に飴を流し込んだり、溶かした砂糖を素早く左右に振り動かしながら糸のように非常に細い飴を作ったり、それらを組み合わせたりして作る。


 飴に色を付けて模様を作ったり花の色を再現したりするのも飴細工の特徴で、砂糖細工が建物を再現することが多いのに対して飴細工は植物や動物などを再現することが多い。


 もちろんチャレンジするのは初めてなのでまずはテストで赤いバラを作ってみよう。


 材料は砂糖、水飴、水、食紅などの着色料。


 あとはクッキングシートに火傷防止のための手袋、ハサミとフォークに白熱の飴ランプ。


 準備する材料だけならそれほど高くないのもありがたい。


 まずは砂糖、水飴、水を加えて強火で加熱し混ぜながら3分ちょい温度を測り飴が柔らかくなるまで煮る。


 小さな泡がボコボコでてきて、飴自体に段々粘り気が出てきたらそれをクッキングシートに流し出す。


 全部流し出したら、フォークで飴をまとめながら練って、綺麗にまとまったら手袋をして、飴を手に取り、伸ばしては畳んでを繰り返して均一に空気を含ませていく。


 それを何度も繰り返す事で飴に光沢が出て来るのだ。


 飴ランプで温度を維持しながらある程度光沢ができたら飴を引っ張り薔薇の花びらをハサミで切って作っていく。


「う、結構難しいなこれ」


 手で1枚1枚花びらを指で引っ張り形作ってハサミで切っては更に形を整えて作り、放り出した花びらを、飴が熱いうちにくっつけて、巻いてバラの花の形に整えていく。


「うしできた」


 できたはできたがネットで飴細工を検索してでてくるような綺麗なバラには程遠いな。


「もっともっと数をこなしていかないと駄目だな」


 花びらを薄く切っていくのは結構難しいのはよくわかったが失敗は成功の母だ。


 まだまだ時間はあるしどんどん挑戦していこう。


 失敗したものは普通に飴として食えるしな。

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