二日目の夜はアナログゲームを楽しもう
さて食事がすんだらあとは風呂に入って夜をのんびり過ごすだけだ。
「せっかくだからみんなでゲームでもしようよ」
風呂に入って上がってきた桜田さんが百均で買ったテーブルテニスセットや財テクゲームなんかを取り出して持ってきた。
「たしかにせっかく買ったんだし、やってみたら面白そうだな」
俺がそういうと笠羽さんとチーフも乗ってきた。
「たしかに、こういうときでもないとなかなかできませんよね。
「じゃあちょっとやってみるか」
というわけでダイソーの”目指せ10億円!財テクゲーム”を4人でやることになった。
いわゆる人生ゲーム系のボードゲームで”平凡なサラリーマンが不動産・起業・投資を通して資産を増やし億万長者になる”のが目的のゲーム。
ゴールはなくていくらでも周回するのは人生ゲームと違い、対象年齢は7歳以上とかなり低年齢でもできるようになってて、2つのサイコロを振って、出た目の数だけコマを進め、止まったマスの指示に従って金を増やしたり減らしたりしていく。
30日の決済時に10億円を持っているプレイヤーがいたらその時点で終了となり、2位以下の順位は終了時の資産額順で決定するのだが、プレイヤーが破産でゲームオーバーになっていった場合は、最後まで残っていたプレイヤーが勝者となるというルールでもあって、気が抜けなかったりするらしい。
「良し、じゃあ10億円目指してがんばりますか!」
ちなみに最初の所持金は1人7000万円。
「実際に7000万円も貯金があったらずいぶん楽だろうなぁ……」
まあ、そんな奴でもなきゃ脱サラして起業だの投資だのしないかとは思うけどな。
ゲームでの金は10万円札、50万円札、100万円札、500万円札、1000万円札、5000万円札、1億円札。
どんだけインフレしてるんだよとも思うが、そういう設定なんだから突っ込んだら負けだな。
キャラクターの名前はトミー、ジュン、エリカ、ナンシーとなってる。
「じゃあ俺はトミーで行こう」
チーフがそう言うと女性陣二人もいう。
「じゃあ私はナンシー」
桜田さんがそういうと笠羽さんも言う。
「私はエリカにしますね」
「じゃあ俺はジュンだな」
さて、さっそくサイコロをみんなで振っていく。
俺は4と5で9マス目の……いきなり交通事故にを起こしてしまい、相手の治療費として100万円が吹っ飛んでいってしまった。
「まじか……」
その後、起業カードを引いて、進学塾の経営に乗り出したが、ニュースカードで小学校の移転が発生し、経営が悪化して進学塾は銀行に売却処分しないといけなくなってしまった。
「くう、せっかくの起業物件が……がぁ」
そして10億行く前に投資するお金が無くなって破産してどんどん脱落していく俺たち。
最終的には笠羽さんが最後まで生き延びて優勝したんだけどな。
「くう、現実は厳しいぜ」
そしてなんかおかしいと思って説明書を読み返したら、投資のカードを引いたときにはそれに対して投資するかしないかを選んでも良かったらしい。
とはいえ、それでやりおなしてもかなり厳しいんだけどな。
対象年齢7歳以上にしては厳しすぎないかこれ? まあ面白いけどな。
それからその後はテーブルテニスセットと長テーブルをつかって卓球で体を動かして財テクゲームのもやもやを吹きとばして、夜も更けてきたんで解散して皆バンガローで寝ることになった。
明日は食事をしたら片付けでいっぱいいっぱいだろうけど楽しかったな。