第一話 赤ちゃんプレイはお手の物
一話からこのタイトルって・・・とか思わなくもない。
目が覚めると、僕は大層美人なお姉様に抱かれていた。
光が反射してキラキラと輝く金色の髪。透き通るような白い肌。宝石と見間違えるほどに綺麗な蒼い瞳を嬉しそうに細めてずっと僕を見つめている。
彼女の身体の大きさと僕の身体の大きさとを比べると、やはり僕はまた転生したらしかった。
多分彼女は僕の新しい母親だろう。
それにしても、僕は彼女と昔何処かで会ったことがある気がしてならない。彼女を見ていると何だか、懐かしいような嬉しいような愛おしいような怖いような哀しいような、よくわからない気分になる。しかしそれは多分この人に対する感情ではない。この人によく似た誰かに対する感情だ。
誰だっけな・・・。凄く重要な人だった気がする。まあ、転生直後の記憶の混乱は良くあるし、そのうち思い出すだろう。
ああ・・・。少し頭を使ったから睡魔が。これだから幼児の身体は・・・。
次に目が覚めると僕のベットの周りには5人の大人が立っていた。
一人はさっき僕を抱いていた今回の母親。その横に優男風の父親と思わしき男。それから祖父母っぽい老人二人に、十代前半辺りメイドさんっぽい黒髪ポニーテールの少女。
このメイドさん、ちょっと好み。今回はこの子狙おうかなと思ったけれど、よく考えると、十数歳差か・・・。年増とはもう嫌だしな・・・。
「本当に可愛い女の子ねえ」
祖母らしき人がしみじみと呟いた。
あのメイドさんのことかな? でも目線は僕を向いてるし・・・。
ふむ。まさか今度はメスに転生したのかな?
「本当、貴女にそっくりねえ」
「ありがとうございます、お義母様」
祖母と母が喋っている。
やっぱり僕はメスの様だ。
・・・ちょっと嬉しいな。いや、別に僕がオカマとかそういうのではない。断じて違う。ただ単純に、今までに何度も何度も転生してきたが、性別は全く変わらず男ばかりだったから、少し女も体験してみたかっただけだ。わかんない? この感覚。
「名前はもう決めたのか?」
お、僕の名前の話か。どうでもいいけど、声良過ぎるな爺さん。まじ渋い。
「はい、レインと名付けました」
答えたのは父親。こっちはなんかやたらと女性受けしそうな声。セクシーボイスというやつか? ちなみに僕はこの声好かん。こういう奴がいっつも女の子達を誑かしてハーレム造るんだ。まあ僕も人のこと言えないことしてた時もあったけど。
にしてもレインか・・・。どっかで・・・。
「はーいレインちゃん、おばあちゃんですよー」
祖母が僕の目の前で手を振ってきた。思考を中断してそっちを見る。こういう時の赤ちゃんの反応は・・・。
「あ・・・あう・・・あ・・・」
精一杯手を伸ばして祖母の手を掴もうとする。
うん。こんな羞恥プレイ慣れましたよ。何回やったことか。今の僕には赤ちゃんプレイなんてプレイでも何でもない!
・・・・・・あー・・・うん、それでも漏らすのはどんだけ慣れても嫌だなー。何が悲しくて他人にトイレの世話されにゃならんのだ。
とりあえず泣いとこう。今の身体はちょっと不快な気分になっただけで泣けてしまうのだ。
別に本当に漏らしてなんかいないんだからね。
何か展開遅いかなあ。次いきなり数年後とかにしてやろうか。