想定
「ニャッ!」
キュトさんの短剣が掠り斧持ちゴブリンが鈍い叫び声を上げるが、ゴブリンは怯まずに斧を振り回す。
「ギャギャ!」
ガスッ!
「キュトちゃん!」
キュトさんは腕に斧でダメージを食らってしまい短剣を手放してしまった。これでは一方的にやられてしまう。
「あ・・・・」
キュトさんが手放した短剣に気を取られている隙に、斧持ちゴブリンが近づきキュトさんに頭上から斧を振り下ろした。が。
ドゴンッ!
「キュトさん下がって!」
ユウが間に割り込み盾でブロックを発動させる。間一髪だが間に合った。
「紫苑!合わせろ!」
「分かった!」
ユウはバッシュを叩き込み、盾持ちゴブリンの体勢を崩すししゃがみ込むと、
後ろから紫苑が現れて、ゴブリンが斧を構える間も無くスキルを発動させる。
「ブレイククラアアッシュ!」
紫苑のスキルは斧持ちゴブリンの顔面に直撃し、顔の造詣を変えながら吹っ飛んでいく。
「おっしゃあああ!」
恐らくクリティカルが出たのだろう。今の一撃で毒状態で減っていたHPもあり、斧持ちゴブリンはあっさりとその肢体を倒れ伏していった・・・・。
「なんとかなったな・・・・。」
俺達は二匹のゴブリンの撃破に成功した。だが、キュトさんが腕にダメージを負ってしまったのとサラさんのMPが枯渇していたため、回復と休憩をすることにした。ちなみにキュトさんの腕は俺がヒールを使い癒した。やっぱり買って正解だったかな?
「しかし、一体増えただけでも結構苦戦したな!」
紫苑が豪快に言っているが、実際に危なかったし、死人が出ても可笑しくなかったと思う。ただやり方次第ではもっと楽に狩れた筈だ。やはり途中で紫苑が此方に来てしまったのが痛かったかもしれない。バインドと毒のコンボは確かに有効ではあるが、今回の場合敵のLvが高く拘束時間もそんなに稼げてはいなかった。ここはやはり紫苑をサブ盾で機能させた方が安全に狩れるんじゃないか?
「ユウにゃ・・・・。ちょっといいかニャ?」
「・・・・ん?」
俺が考えに耽っていると、いつの間にかキュトさんが目の前まで移動してきていた。
「
えっと・・・・。さっきは助けてくれてありがとうニャ。
カッコよかったニャ・・・・。」
「え・・・・。そ・・・それは、どういたしまして?」
カッコいいとか生まれて初めて言われたような気がする。というかキュトさん。
上目遣いでこっち見るのやめてくれ。可愛すぎてヤバイから。
「・・・・ねぇ、イチャイチャしてないで、これからどうするか決めましょう」
「そ・・・、そんなことしてないニャ!助けてもらったお礼を言ってただけニャ!」
サラさんがジト目で此方を睨めつけながら言ってきたが、キュトさんが頬を膨らませながらそれに反論する。可愛い。
「という訳だから、今度からは無理せず三人で倒すようにお願い。こっちは盾で 防いでればそう簡単には死んだりしないからね。」
俺は先程考えていた事を伝え。無理はせずに確実に倒すようにと話を進める。
「ん~・・・・。しょうがないか。確かにさっきは危なかったしね。キュトちゃんが
傷つくのはヤダし・・・・。」
「痛いのは嫌ニャ。おとなしくするニャ」
その言い方だと紫苑は傷ついてもいいと聞こえるのは・・・・気のせいだよな?
「おう!どんどん俺を盾にしてくれ!」
紫苑は傷が付いても良いらしい。男らしいね。
「そういえば、さっきの連中はどうしたんだ?もしかしてやられちまったのか?」
「ああ・・・・。それなら俺達が戦ってる途中で全滅しちゃったみたいだぞ。俺達の 時みたいに二匹ならともかく、レーダーを見ただけでも五匹くらいいたからな 」
その五匹が俺達の所に来なくて助かったと、内心ほっとしていたのは内緒だ。
「五匹かよ。何で逃げなかったんだろうな?」
「ん~・・・・。なにか逃げられない事情でもあったんじゃないかしら?」
確かに。一匹でも倒すのに時間が掛かる敵を、五匹も相手にするなんて普通はしない。俺達でも二匹で苦戦したんだ。五匹なんて近づいてきただけで、走って逃げ出さないと全滅してしまうだろう。
「見つけたらすぐ逃げるニャ!キュト達も殺されちゃうニャ!」
「そりゃもちろん。安全第一で行動するよ。けど逃げられなくなってしまった
場合も想定しておいたほうが良いかもな・・・・。」
「にゃぅ・・・・」
キュトさんの耳がペタンと垂れ下がってしまっているがしょうがないだろう。
先程のPTと同じ轍を踏まない為にも、対策を考えておかなければならない。
有難う御座いました




