Game Start
初投稿です。拙い文章ですが、楽しんで頂ければ幸いです。
2142年6月14日 午前6時
「ピピピピピピピ」
「…」
今日も部屋のスピーカーにセットした目覚し時計が鳴り響く。
俺はベッドから降り、五月蝿いスピーカーを黙らせるべく
眠い目を擦りながら、スイッチを切る。
俺はカレンダーを見て今日の日付を確認しニヤリと笑った。
なんといっても、今日は待ちに待った[Brave Blade Online]
のサービス開始日だからである。
このゲームはいわゆるVRMMOという物で、仮想世界にフルダイブし
冒険者になり、剣や魔法で迫りくる魔獣や魔族を倒したり、
レアな装備を集めて俺TUEEEEをする在り来りなゲームなのだが、
このゲームには一つだけ他のゲームとは違った特徴がある。
それはゲームのNPCがすべて意思を持っているということだ。
オルト博士が人工知能を開発して10年ほど経って、ようやく
娯楽ゲームにAIが搭載されることになった。
俺[一瀬 雄太]もこのゲームのサービス開始日を友人と話しながら
今か今かと待っていたのだ。楽しみでしょうがない。
だが悲しきかな、俺は学生なので学校に行かなくてはならない。忌々しい。
勉強も大事だが、遊びも大事だと何時も通り自分を誤魔化し、学校いく準備を整える。
キーンコーンカーンコーン
やっと授業が終わった。さっさと家に帰って[Brave Blade Online]
をプレイしようと席を立つと、後ろから声を掛けられた。
「おい!ユウ!今日はいよいよサービス開始だな!」
「ああ…、家に帰ったら即INするけど、お前ちゃんと待ち合わせ場所覚えてるよな?」
「おう!ギルド前だろ?わかってるってw」
こいつは[河野 紫苑]昔からの幼馴染だ。前々からゲームを一緒にプレイしようと
約束をしていたんだが、紫苑はあっちにこっちに動き回り約束を忘れていたり
するので、確認を取る必要がある。
「んなこと言ったってお前、何かに夢中になるとすぐ忘れちまうじゃねぇか」
「今度は大丈夫だって!」
「ならいいけどよぉ・・・、そういえばもうジョブは決めたのか?」
「おう!俺は戦死のヒャッホイ系を選ぶぜ!w」
「お前敵に突っ込んでいくの好きだもんな~」
「むふふふ~w んで、ユウは何のジョブにするんだ?」
「俺は無難に剣士をやろうと思ってるよ」
「おっ!剣士って盾役だろ?いいのか?」
「誰もが紫苑みたいに脳筋じゃないんだから・・・w
それに剣士ってのは、盾役もこなすが攻撃役にもなれるし
魔法もある程度は使えるオールラウンダーなんだぜ?」
「それって言い換えれば、器用貧乏ってやつなんじゃね?」
「色々やってみたいんだよ、折角のVRMMOなんだ広く浅くやっていくよ」
「そっかw んじゃそろそろ帰るか、このまま話していたら
ゲームやる時間がなくなっちまう!w」
「ああ、また向こうでな~」
紫苑が教室のドアからダッシュで出て行くところを見て、俺もさっさと帰ろうと家路を急いだ。
ガチャ
ドアを開け自分の部屋に入り鍵を閉める。ハードの電源を入れ、高速で普段着に着替える。
頭にハードを被り[Brave Blade Online]のデータを読み込む。
「さぁ・・・、やっとだ」
誰にも聞こえない声でそう呟くと、徐々に意識が遠退き、ゲームの中にダイブする。
最初の設定は単純だ。ただキャラ名と種族そしてジョブを選択すればいい。
キャラの外見はランダムで生成されており変更は出来ない。完全に運任せである。
種族は人族 猫族 犬族 竜族 妖精族があり、どの種族を選ぶかでジョブの有利不利がある。
例えば犬族は魔力が低くい代わりに筋力と敏捷が高い前衛向きの種族で、妖精族は魔力がある変わりに筋力と体力が低いといったように、
種族を選ぶ時は自分のやりたいジョブと相性がいいものを
選ぶと有利にプレイすることが出来る。
と、そんな中で俺が選んだジョブはこれだ。
キャラクター名 ユウ 種族 人族 ジョブ 見習い剣士
Lv1
HP20 MP5
筋力 2
体力 3
敏捷 2
魔力 2
「ちょっと安直すぎるけど、これでいいか」
人族はステータスバランスがいい種族といわれている。剣士をやるには丁度いいだろう。
俺は各項目を設定し、決定ボタンを押すと体が光だし、気がつくと何処かの広場に立っていた。
目の前にシステムメッセージが表示されている。
[Brave Blade Onlineへようこそ!
この世界のNPCは皆、意思を知性を心を持っています。
本物の人間と同じように接するよう心がけ
楽しいBrave Blade Onlineをご堪能ください!]
「AIってやつか」
俺は周りを見回してみると、本当にこの世界で生きているかのように、
人々がせわしなく動き回っているのが見て取れる。
なおも観察を続けていると広場の中央に噴水を見つけた。
俺は中央にある噴水に近づき、水に自分の姿を映して外見を確認してみた。
髪は長くもなく短くもない黒。どこにでもいる普通の日本人顔だった。
「なんてこったい」
別にこの顔が嫌だって訳じゃないんだが、せっかくなんだからもっと奇抜でカッコイイ感じがよかったな
と、思ってしまっても無理からぬことだろう。
「人族じゃなくて別の種族にしておけばよかったのかな~」
今さら種族を変えられるわけでもないというのにブツブツと愚痴をこぼしていると野太い声に話しかけられた。
「おう、兄ちゃん!ここは初めてか?」
髭のオッサンに離しかけられたので、とりあえず返事をしておく。
「ええ、たった今ここに着たばかりです」
「そうかそうか!ここは商業都市アルビナだ、
初心者の冒険者は皆ここから始めることが決まりになっている」
なるほど、ということは紫苑もすでにこの近くにいるのかな?
「そうなんですか、商業都市アルビナ・・・。
ということは、この近くに冒険者ギルドがあったりするんでしょうか?」
「おう、よかったら案内してやるぜ?
こう見えても俺はチュートリアルNPCだからな!」
「えっ!? ということはAIですか?」
「そういうことだ、どうだチュートリアルを受けるか?
受けてクリアすれば報酬をやるぜ?」
待ち合わせの時間まで、まだ少し時間がある。受けてみるか。
「はい。それじゃあ、よろしくお願いします」
「うむ、んじゃ早速始めるぜ」
髭のオッサンがそういうと徐々に背景が別の物へと変わっていった。
有難う御座いました




