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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 エリオットが何か深く考え事をしているようで、気になって声を掛ける。

 「令嬢は満足して帰ったか?」

 「大臣は北の外交官達を見て何か違和感はありましたか?」

 「いつもと同じじゃないか?でも文官が少し多かったか?」と言うと

 「文官の半分は騎士でしたよ」と返ってきた。


 「我が国でそんなに警戒するようなことは無いはずだがな」

 それでも彼は何かが引っかかるようで、

 「リリベル嬢は別の思惑を感じたんじゃないですかね?それに外交官の家族はいないのか?と気になったようです」

 「そうか彼らはいつも単身だからな。だから年末は帰国するのだと思っていたがな」

 「あと、大臣、彼らが王妃様に約束していた特別な贈り物って何だと思いますか?一度、王妃様に確認されるよう宰相閣下に言っておくのはどうでしょう?」

 「特産品なんじゃないのか?!また改良した花とか何かだと思っていたが」

 「私もそう思ったんですけどね。でも一応」

 「そうか分かったよ」と言って大臣は席を離れた。


 僕もまんまとリリベルの発言に振り回されているなと思う。だけどリリベルの違和感は僕も感じるところだった。

 あの場に王太子妃様がいなかったのが残念だったな。いたら彼女の意見も聞けただろう。

 彼女はこの冬には出産しているな。早く現場復帰を願いたいものだ。


 

 あれって絶対リリベル嬢だったよな?

 アイザックのリリベル帯同は当然許可が降りなかった。国境の領地の令嬢とはいえ、王族は誰も側近を広間の中まで伴っていなかったし、集まった面々も重鎮ばかりだ。

 なのに外務省一行の中に同化したようにいた職員は、絶対にリリベル嬢だった!

 変装してても見つけてしまうなんて、自分でも、どんだけいつも一緒にいるんだ?なんて思ったが、よくあの場に入り込めたもんだ。


 まあ確かに外務大臣のとことは親戚だったな。筆頭侯爵家の権力でねじ込んだんだな。

 王族の自分より力を持ってないか?恐ろしいな。いや本当にジッとしてない。目が離せない。

 まあ俺より全然賢いがけど、だからって無敵というわけじゃない。できれば非力な妖精令嬢のままの方が目をつけられにくいが一度、忠告しておくか。


 それにしてもあの場で何か気付くことはあっただろうか?俺は前回との違いはそう分からない。

 リリベル嬢に言われて、外交官達を気にして観察していたが…そう言えば前回より文官が多かった。

 それにガタイの良い奴が多かった気も。自分が騎士に交じって鍛え始めたからよく分かる。

 これは今まで無かったな。それに母上に特別な贈り物って?それは気のせいか。


 リリベル嬢に平和ボケって言われなければ多分、何も違いに気付けなかっただろう。

 確かに国防は学んでも王族なのに危機意識とか危機管理とか考えたこと無かったかも。

 王太子教育にはあったのだろうか?王族には絶対必要だよな。

 気になることは義姉上に相談しておくか。義姉上なら何か気付くかも。

 俺もまだまだだな。

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