表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/47

46

 あの場になぜザック殿下が来たのか?それはフィリップ様が殿下を連れて来たのではなく、フィリップ様の話を聞いた殿下がリリベルを助けに来てくれたのだった。

 だが神殿の巡礼者パワーは想像を上回った。

 全員が巻き込まれることになり、全員で昼食を食いっぱぐれた。


 そして殿下は結局、時間になりフィリップ様と城に戻って行かれ、リリベルはマリィ姉ちゃんの差し入れのお菓子を食べ、何とか夕飯まで乗り切った。

 やっぱりザック殿下といると碌なことにならないなと思う。

 もう、しばらくは神殿には来ないだろうと思って、寝る前に買ったばかりの聖騎士名鑑を見ようとしたら、マリィ姉ちゃんがやって来た。

 「リリ、今日はお疲れ様。表は大変だったんだってね」

 「うん。マリィ姉ちゃんお菓子ありがとう。お陰で生命拾いしたわ」

 「第三王子殿下も大変だったろうね」

 「殿下はいいの。殿下が来たから大騒ぎになったんだし。いつも本当に人を厄介ごとに巻き込むんだから」と名鑑のページを捲ると“聖騎士人気ランキング第1位ベルトラント”といきなりリリベルが見たい本命が出てきた。


 「おおこの人か!」と思って内容を読もうとすると、マリィ姉ちゃんが急に「わっラント様!」と言って、顔を真っ赤にして狼狽し出した。

 リリベルは「え?マリィ姉ちゃん、どうしたの?」と聞くと、

 「リリっ何でもないよ。何でもない」って言いながらも、何でもなさそうな感じでは絶対なかった。


 結局、マリィ姉ちゃん速攻で逃げて行ったが、あれはどう見てもかなりベルトラント様を意識しているよね。

 実はベルトラント様のアプローチ、マリィ姉ちゃんに、ちゃんと伝わってるんじゃないの?

 

 「ザック殿下、失恋決定かも」とリリベルは殿下に同情しつつ、ベルトラント様のページをもう一度見る。

 彼は元王族なのに金髪なのだな。ちょっと色は薄いけど王太子殿下と一緒だ。でも緑色の瞳だ。

 名前もベルトラント、“緑色のベル”じゃん。

 へーこの人が1番人気なの?でも、うちの先祖の肖像画に埋もれそうな人だ。とリリベルは思った。


 翌日、また厄介な事が起こった。

 「リリベル嬢、行くぞ〜」ザック殿下とライオット兄ちゃんの横にフィリップ様が申し訳なさそうに佇んでいる。

 リリベルが驚いて「ザック殿下!ライ兄!何で?」って叫ぶと、

 「お待たせ〜」と後ろから声がする。

 振り向くと聖騎士のアドリアン様ともう一人、貴族の年配の男性が立っている。

 ますます分からん。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ