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「第三王子殿下、ようこそ大神殿にお越し下さいました。いつも妹のリリベルがお世話になっております」
と言ってザック殿下に気付いたマリィ姉ちゃんが、殿下に挨拶をする。
ザック殿下は普通に挨拶を返してらっしゃったが、何だか照れたように少し顔を赤らめてらっしゃる。
姉ちゃんもそれを見て楽しそうに微笑み返しているが、姉ちゃんそれ逆効果。ヤバいわ。
食事中も殿下は姉ちゃんをチラッと見ては頬を染めてる。多分、ご飯の味なんか分からず口に運んでいる感じだ。
もしや、ザック殿下はマリィ姉ちゃんに会う為に大神殿を選んだのだろうか?
「へぇ、ふ〜ん。それは面白いかもな〜。私の事はここに来るための口実なのかもしれない」
とリリベルは思ったが、殿下の侍従のフィリップ様が一人この状況にあまり良い表情をしていない。
そりゃそうだろう。マリィ姉ちゃんは殿下より4つも歳上だし。
でもザック殿下が姉ちゃんの任期を待っても22歳だから、全然イケる気はするけど。
ザック殿下の後ろに、さっきまで控えていたミネルバ様が、こっそりリリベルに「いいんですか?リリベルちゃんのボーイフレンドなんでしょ?」と恐ろしいことを言ってくる。
「全く問題ありません!そうだザック殿下にもマティアス画伯が描いたマリィ姉ちゃんの肖像画を差し上げようかな?」
と言うと、姉ちゃんの後ろに控えていた侍女のアンナさんが「もしかして聖女様のお部屋に飾ってある、あの絵と同じ画家の作品ですか?」と聞いてきて、何だか笑いを堪えている。
「そう。アンナさんも気に入ってくれた?」
「ウフフ。私には芸術は分かりませんので。ですが商人の父が彼の絵はどんどん価値がつり上がっていて、近頃は入手困難だと申しておりましたわ」
それはビックリだ。伯父のセンスとは違ったらしいが、彼は今も侯爵家の支援を受け敷地内のアトリエで創作活動を行なっている。
今はリリベルがほぼ支援者となっているせいか、彼はリリベルが作品を頼むと快く引き受けてくれる。
そんなに人気者になっているなら、個人的な依頼は悪いなとリリベルが思っていると、マリィ姉ちゃんが「リリ、午後のお仕事があるから、また夕飯の時にね」と言ってアンナさんと、護衛の聖騎士様を引き連れて食堂を出て行った。
「お前は午後は何をするんだ?」と殿下が聞いてくる。
私はもちろん次は「神殿の菜園です」と言うと、殿下は「植物ばっかりだな」と言って笑った。




