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「ララ姉ちゃん!」
「あ、リリごめんね。ちょっと立ち眩み」
「今日も暑いからな。我々は日陰に退避するから、君らは気にせず盆ダンスを楽しんでくれ」
「ビーバーちゃん。ララちゃんと一緒にいてあげて。明日、帰っちゃうのでしょう」
「うん」「王女殿下、気を遣わせてごめんなさい」
「第二王子殿下、私は姉に付いていますから、他の皆様と盆ダンスを見に行って下さい」
「姉妹には私と弟も付き添いますから」
ライオット兄もそう言ってくれた。
「そうか君達、全員、従兄弟同士だったね。お昼を取る予定の店を教えておくから、そこで合流しよう。夫人、無理はしないように」
「ザエモン様、ありがとうございます」
皆が次のダンス会場に移動するのを見送っていると
「リリ、そっち、そっちに私の店があるの。休憩できるわ」
「姉ちゃん?」
姉がスタスタと歩き出し、広場に面した建物に入って行く。
「ララ?お前、貧血は?」
「まあ確かに暑かったけど、私、こっちに3年近く住んでるのよ、もう慣れたわ」
「ララ、仮病ですか?理由によっては許しませんよ」
「ライオット兄さんも、エリオット兄さんも忘れてるんじゃないの?殿下に頼まれているのよ、私」
『あっ!』二人がハモった。こんな時、兄弟だと思う。
「二人とも逃げるんじゃないわよ。本当に良い品なのよ〜。二人の好みを教えて頂戴!サイズもねぇ」
「ララ…悪魔か…」
「リリベルっ殿下は良い人ね。二人にも下着を勧めて下さるなんて!」
二人は何か殿下の気に触る事でもしたのだろうか?
「ライ兄もエリオット様も諦めて選んだら?奥様に着て欲しいヤツ」
「リリ!そうだリリが選んでくれ!な?」往生際が悪い。
「姉ちゃん、何でも良いみたいだよ。お二人の外見を教えるね」
「そう。お任せか〜ガブリエラお姉様のダンナ様の方が、よっぽど素敵だったわ」
「ララ姉ちゃん、フィリップ様も学院で主席の生徒会長だったからね。それにこれからは宰相府にお勤めの公爵様だよ」
「よっしゃぁ!太パイプ。リリベルっあなたのも選ぶわよっ!」
「えっ姉ちゃん、私は多分、要らないわ」
「勝負下着は急に必要になるの!あの時、用意しておけば!ってなるわよ」
「姉ちゃん、それはこの国だけだよ。西ではまだまだ結婚が先だから」
「我が家の恋愛体質を忘れたの?リリ」
今のところ、姉と祖母だけだと思うけど。
「お父様だって、多分、先に手を出してるわ」
その情報…娘としては知りたくなかった…。
「何でララ、そんな事?」エリオット様、深掘り止めて…。
「だって結婚した日とお兄様の産まれた日の計算が合わないの。私、自分で子供を持って分かったわ」
ルト兄ちゃんは大丈夫だよね?!信じてるよ!
「ララベル、リリは俺が守る!」
「ライ兄はおバカなの?」
「多分そうだ!」
「エリオット!」「私もそう思う」
「リリまで…」「なあ、さっきから笑っているよね?子爵」
「いや補佐官殿の、そういう姿、初めて拝見しましたので」
「悪いけど従姉妹には弱いんだよ、僕」
「そのようで。ですが、いつもの補佐官殿のようにビシッと「妻にはこれかな?」くらいで選ばれてはいかがかと」
「でもさ、僕の色だとお婆ちゃんの下着みたいじゃない?」
「兄様は私のセンスを疑ってらっしゃるの?例えウ○コ色だろうと、何だろうと可愛い下着しか作らない自信があるわ!」
ウ○コ色の可愛い下着って…
「ララベル、俺は、そのスカイブルーにするぞ!それを2セットだ。そっちのレモン色もだ。あとは俺は…その…そこにあるバイオレットがいいな。きっと妻に似合う…」
ライ兄が冷汗かいてる…。
「ライ兄!!なんて!なんて急にナイス判断!」
ブルーと黄色を2セットって何か企みを感じるぞ。恐らく王太子殿下の色にして、王太子妃とお揃いとかやる気だな。
だがライ兄にしては頑張った。
「はあ。兄さんに先を越されるとは…ララベル、オリーブグリーンをベースに淡い黄色のレースを付けてもらおうか。ああ僕の色ならアースカラーだな。それをベースに…」
おっ、なかなか本気を出してきた。心を決めたら早いんだな。
「リリのは、やはりベースはエメラルドグリーンで黄色のフリルとレースを〜」
おい!人の下着まで勝手に決めんな!
「ダメだ!エリオット、それは可愛すぎる」
「それぐらいしても、リリの方が可愛い!」
私は学院の皆のところに戻りたい。




