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風詠みと謳われしポンコツエルフ

作品一の自由エルフの話。

実はキーキャラなので、何故か話が膨らみ二分割ヾ(o゜ω゜o)ノ゛

「う~ん、(しゃあわ)せぇぇ」


 あたしは、馬車の屋根部分に座って、アイズ君が作ってくれた料理に舌鼓を打っていた。

 口一杯に頬張った、数々の食べ物。その上に掛かったソースが、何処でも味わえない壮絶な深みを与えて、食べた人を昇天に(いざな)う。

 複数の果物や野菜から出来ているらしいし、いつか故郷に戻ったら絶対再現しようと心に誓った。


「こんな料理、街の食堂でも食べられないよね。やっぱり、自分の鼻と舌は間違ってなかったって断言できるなぁ」


 あたしの名はエルミア。

 フルネームはこれ以外にも色々付くんだけど、長すぎて覚えれない。

 言われてみれば「あー、それそれ」ってなるんだけどね。

 言い切るのに早口でも十秒近く掛かるって、絶対異常だよ。人間の中には、姓すら無い人も多いのに。

 そんな長い名前を一言一句違えずに覚えていられる、他のエルフたちがおかしいんだよ。


 エルフは長寿の一族だけど、何百年・何千年と生きる訳じゃない。

 精々、普通の人間種の三倍くらいかな。

 エルフが珍しい国では、色々話に尾ひれが付きまくってるみたいだけど。

 なので、見た目は成人である16歳を過ぎた辺りでも、実年齢はもう少しだけ上。

 まあ、それでも種族の中ではかなり若い方なんだよね。


 そんなあたしが、彼らの旅に同行している理由。それは、一言で表せる。



 アイズ君のご飯が、とてつもなく美味しいからだ。特に味噌汁。



 あたし自身の旅の目的を、完璧に満たしてくれる存在。そりゃあ無理してでも同行しなきゃ、嘘ってもんだよね!

 旅に出るのを許してくれた里の皆――の一部――が期待する方の目的は、のんびり旅をしてれば多分見つかるよ。多分。


「しっかし、里でも食べてた胡瓜(ケリル)。これに柑橘の汁を含ませて漬け物にしちゃうなんて、発想が柔軟通り越して斬新すぎだよ、ホント。まあ、今日のメインはこっちだけど!」


 この料理はなんて言ったっけ。確か、フランちゃんには固そうな肉質の魔物を、彼女のためにグチャグチャにして衣で包んだ、メンチカツ……だったかな。

 うーん、お嫁さんが少しでも食べやすいようにというこの配慮。お熱いお熱い。味噌汁のごとくだよ。


 あたしは同族から見れば、異常と思えるくらい食い意地が張っているので、特に苦手な食べ物はない。

 固いお肉だって、美味しければあたしの誇りに賭けて噛み千切ってみせる。

 まあ、この料理は絶品だからどっちでも良いんだけどね。柔らかいから何個でも食べれちゃうよ。


 メルヴィナおねーさんも、飢餓放浪時代の経験で大抵の物は食べられるそうだ。

 しかし、あたしもそこそこあるから別に嫉妬はしないけど、なんでそんな食生活であんな豊かすぎる爆弾おっぱいになるかねぇ。

 今度またアイズ君が持ち歩いている、組立式の浴槽でお風呂入る時、お邪魔して揉んじゃお。

 そんな(よこしま)な事を考えながらご飯を貪っていたら、下から声が掛かった。


「お~いエルミアぁ。お代わりいるかー?」


「あ、ありがとー。でもおかずは大丈夫! その代わりお味噌汁がもう一杯飲みたい、カナー」


「お前も好きだなぁ……あと一杯だけだぞ」


 今は国境線を渡るところだけど、次の街までが遠いのでご飯は進みながら摂っている。

 あたしとフランちゃんは御者が出来ないから、ゆっくり食事が出来るんだけど、少し申し訳ない気持ちになる。

 そう言ったら、大丈夫、将来的には嫌でも御者を覚えてもらうから。そうニッコリされた事は……もう忘れた。うん、忘れた。


 因みにここ、屋根の上は射手としてかなりお気に入りのポジションだ。

 本当は木の上が良いんだけど、飛び移れる程木々が街道脇に密集し続けている場所は少ないからね。あと、地味に疲れるし。


「ねぇ、エル。今ちょっとよろしいかしら」


「んー、なあに?」


 フランちゃんの呼び掛けに、通り抜ける風を全身で堪能しながら返事をする。

 普段から、お貴族様らしい話し方をする彼女だけど、今は声色が少し上擦っていた。

 これは何かに興味をもって、知識欲が刺激されている時の特徴、らしい。アイズ君に教えてもらった事だ。


「エルって、エルフが暮らす樹海の中から出てきたのでしょう。場所は勿論言わなくて構いませんが、どんなところだったんですの?」


「どんなところ、かぁ~。一言で言えば退屈なところだったけど、それはあたしの主観だもんねぇ」


 英雄潭好きの彼女が聞きたいのは、神秘的な場所とかエルフの勇士とか、そんな感じの話だと思う。

 この主観と客観っていう概念があたしは苦手なので、なんと表現していいのか少し困ってしまった。

 だって、自分を通して見たものを説明するんだから、自分が興味ないものの話を、他人が聞いて感動できるようにお話するなんて難しくない?


 そう思いながらも、純粋な少女に可能な限り応えられるように、多少の脚色を交えて話を展開する。

 基本的にエルフの話や、秘境の風景の事を伝えた。

 一番食い付いてきたのは、一族が寄り添う大樹関連だったかな。

 アイズ君は、何代か前からこの樹を何故か『世界樹』と呼び始めたって事が気になってたみたいだけど。葉っぱに霊薬的な効果なんて無いってば。




 なんせ、彼には毎日お味噌汁を作ってもらわないと困るからね!


「ありがとうエル。内容を選んで話してくれたから、とても興味深かったですわ。でも、そんなにわたくしに気を遣わなくてもよろしくてよ?」


 あらら、頭が足りないあたしの配慮なんて、彼女にはお見通しだったみたい。

 でも、やっぱりするなら楽しい話が良いよね。


「あと、何か面白い話あったかな……」


「だから、エルがしたい話で構いませんのよ。例えば、貴女からしたらただの愚痴でも、わたくしたちには新しい知見になりますもの」


 ちょっと、目から鱗だった。

 確かに、面白おかしく語らなくて、失敗したと嘆く話でも、聞いてたら面白いとかあるもんね。なんか違う例えをしてしまった気もするけど、気にしない気にしない。


「じゃあ、名付けの法則の話をしようかな。エルフだからエルミアって、ホントあたしの部族は安直な名付けをすると思わない?」


 他の部族は、また違う伝統の名付け方があるらしいけど。

 うちの伝統は何代遡るか分からないけど、何世代前の暮らしを劇的に改革したお祖父さんが決めたとか言ってたかなぁ。


「そうですか? 上手く言えませんが、エルはエルミアって名前がぴったりだと感じるのですけれど」


「フランちゃんは嬉しい事言ってくれるなぁ~。はぁーイイ子イイ子」


 すべすべ、ふみゅふみゅ。

 この娘は日だまりみたいな良い匂いがするにゃー。

 手触りも善きかな善きかな。


「ちょっとエル!? 羽交い締めにして髪をぐりぐり撫でるのは、おやめなさいなっ」


「えへへー、あとちょっと、もうほんの指先だけぇ」


「おやじ臭いぞエルミア」


 アイズ君が半眼で睨んできた。

 あの眼は、仕方ねぇ今回は見逃してやるって物語ってるね。

 多分、フランちゃんと仲良しな女の子以外がやったら、即座にぶち転がされてると思う。




 スキンシップを終えて、脚色を付けずに話を続けたら、驚く程故郷に良い想いを抱いていない事が判明してしまった。

 推奨されたとは言え、ちょっと愚痴ばっかりになっちゃったかも。やれ頭が固いとか、先祖を崇拝しすぎだとか。

 そうこうしてたら、アイズ君と御者を交代したメルヴィナおねーさんも、会話に混じってきてくれた。


「何か、楽しい思い出などはなかったのですか? 辛い過去でも、探せばそんな一時もあるものですよ」


「あたしは、どうにも里の皆と感覚が合わなくて出てきたってだけだから、メルヴィナおねーさん程辛い過去は特にないけど……そっ、だなぁ」


 それに、今が幸せだしね。

 それは、このパーティーの誰もが思う事だと思う。

 アイズ君だけは、何か目的を毎度果たせていないようだけど。


 そんな事を考えながら、あたしは旅立ちの時分を思い出してみた。

書き貯めかけていた三章、クライマックスへの伏線に致命的な矛盾(?)が生まれ、大半書き直しの刑に処させれている鷹崎(*つ´・∀・)つ


某国の研究では、夏はコロナがかなり蔓延しにくい環境らしいです。

少なくとも屋外で、フェスとか程密集しなければ多分そんなに気にせず過ごせる筈なので、今だけと思って皆さん体をご自愛下さいね!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] せっかくのストーリーがポンコツエルフを使うことでつまらなくなりました。 良作が一気に駄作とまり残念です
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