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いきすぎた健康は異世界チート。行きつく先は・・・  作者: ぼん@ぼおやっじ


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9-11 戦闘開始

9-11 戦闘開始



「敵襲―――――っ!」


 ということで警戒を呼び掛ける。


「どこです?」

「全然わかんないよね」


 ルトナとサリアが首を傾げる。クレオは何かをつかもうとしてか周囲をきょろきょろとしている。


「うむ、なかなかやるじゃねえか」

「そうじゃの、儂らでもよく分からん」


 フェ老師とナミラ老師にも正確な位置は分からないようだ。ただ敵がいる方向は分かるらしい。さすが。


「でも敵が来ているのは間違いないのね、だったら」


 そう言うとルトナは戦車を引き出してそれにグリンプルスディを繋いで行く。ついでにミョルニルとグングニルも武装だ。

 クレオは剣を引き寄せ、自然体で何時でも向けるような姿勢で立っている。

 サリアも自分の双剣を出して…


「お前はダメ」


 やっぱり総大将だからね。突っ込むのはないだろう。

 護衛の兵士たちを呼んでサリアの周囲に配置。

 後ろに二人配置してあとは少し距離を置いて周りを守ってもらう。

 変な陣刑だが護衛よりもサリアのほうがずっと戦闘力が高いんだよね、つまりサリアの動きを疎外するような布陣はNGだ。


 伯爵たちのほうもとりあえず防備を固めてもらう。

 彼の部下もすでに到着しているので200人ほどの陣容になっている。


 とりあえず手弁当部隊だ。本体と輜重部隊はまだ来るらしい。


「まだ姿を現さねえな」

「そうじゃの、こちらの動きですでに存在がばれているのは分かっているだろうに」

「何か目的があるのか」

「じゃなければよほど自信があるのかじゃの。どれ、一当てしてみるかの」


 ナミラ老師がいきなり抜き手を放った。

 衝撃波が一直線に、あるいはカーブを描きながら地面を走り目標の位置に殺到する。


 盛大にズババババッとかズガガガカガッとか言う感じでなかなか凶悪。


「おっ、何かいるぜ」

「こりゃ、いるのは最初からわかっとるだろうが」

「でっかい、魔獣か? たぶんそんなんだ」


 そう、その瞬間確かに何かが見えた。

 老師の攻撃を躱すように飛びのいたの何かが、一瞬だけ見えたのだ。


 まあ、空間密度を観測しているから大体はどんなのか分かっているんだけど、視覚も聴覚も、魔力の反応もすべて隠されているのでなかなか手ごわい相手みたいだ。

 以前戦った忍者もどきに負けてないね。


「いっきまーす」


 でもその見えない何かに向かってルトナが勢いよく飛び出していった。最初はガラガラと地面を走っていた戦車だが、スピードが乗るとすぐに少し浮いて後はすべるように進んでいく。あっという間にトップスピードだ。


 そしてブレード状の両翼を広げ、さらにその脇にオプション(ウリ坊二匹)を配置しているために地面をなめるように飛ぶ巨大な剣のような感じになる。

 それが一瞬見えた何かの着地地点を高速で駆け抜ける。


 また何かが飛び上がり、ブレードを躱す。

 だが激しく動いた瞬間はちらりと見えるんだよね。

 その陰に向かってオプションその①であるグングニルが体当たりを敢行。

 そしてそれは奏功した。


 グングニルが何かにぶつかって、瞬間ずれるような動きになる。そしてその後を追うように緑色の液体が飛び散ったのだ。たぶん血だと思う。


「みーつっけたー」


 現れたのは巨大な…


「何だあれ?」


「見たことねえなあ」

「精獣か何かかの?」


 年寄り二人も知らんらしい。

 二人の言う通り俺も知らない生き物だ。

 いや、生き物か?

 うーん、なんか変なんだよなあ、でも精霊とかではない。魔物でもない。

 謎だ。


 でも見た目は解説しよう。

 まずスタイルはドーベルマンのような精悍で俊敏なデザイン。

 だが皮膚は爬虫類だな。カラフルなトカゲに近い。

 口は耳まで裂けていて、目は丸くて膨らんでいる。カメレオンをイメージしてもらえればOK。


 グングニルがぶつかったときにその姿が見えたのだが、地面に降り立つと周囲の風景に溶け込むように消えていく。

 感じとしては光学迷彩のように見える。


 ただ流れる血は隠せないようで、皮膚表面のカラフルなのが周囲の景色を映し出しているのではないか。と考えられます。


 そしてその背中に人が乗っているのも確認できた。


「大男でしたね」


 そう、サリアの言う通りかなりガタイのいい男だ。

 だけどあいつ見覚えがあるぞ。


「あいつは確か海産物迷宮で見かけた奴だと思う。悪いやつだ」


 といっても海産物迷宮(あそこ)で見たの俺だけだろうけど。

 あいつも委員会で、どうやら勇者スキルの持ち主みたいだな。

 となるとあの魔獣も勇者スキルで呼び出したものか…


「ほい」


「きゃーーーーーっ」


 俺が振り向きざまに剣をふるったので悲鳴が上がった。

 ちょうどそのあたりに伯爵がいたのだ。

 きっと俺が伯爵に切りかかったように見えたのかもしれない。


 一気に緊張が高まった…のだが、俺のせいじゃない。

 伯爵の陰にいて伯爵を襲おうとしていたやつがいたからだ。


 俺の振り下ろした剣は伯爵を霞め、そのまま下に…と見えたのだろうがそれがガキンという金属音とともに空中で止まった。


 のでケリを入れます。


「あぐっ」


 こちらも蹴った瞬間姿が見えるようになった。

 海産物迷宮の時にいた大男の連れだな。小さい少年。


 蹴られて転がってすぐに起き上がる。

 ただこちらは姿を消したりはしないようだ。


「何者だ!」


「君たちの敵だよ」


 伯爵の護衛がすぐさま切りかかるが失敗。剣が少年をすり抜けてしまった。

 そして少年は話しながら短剣を突き出す。

 護衛は盾を構えるが、少年の手は盾をすり抜けて護衛を襲い、そして今度は血が舞った。


 その後何人かの護衛がかわるがわる切りかかるが剣は当たらず、逆に手傷を負わされる始末。


 どうもカラクリが分かっていないみたいだね。

 カラクリを見抜いたのは俺だけじゃなかった。というか俺はいろいろずるをしているからわかって当然なんだけど、老師二人が声を上げてびっくり。正解だったから。


「おめえらぬるすぎるぞ、そいつは幻だ、実体じゃねえ」

「見えるものが真実とは限らんのじゃよ」


 そう、この少年の使っているのは幻術というやつだろう。幻を作り上げてそれを本当だと思わせる技。

 本物は見えるそれより少しずれた場所にいる。


「ちょうどいいぜ、サリア嬢ちゃん、やってみな」

「おお、良い修業になるじゃろうて」


「いやいや、お姫様をけしかけんなよ」


 ほんと勘弁して。

 そしたら精霊たちから連絡が来た。


《れんらくがきました~、これから遺跡を攻撃するそうですよ~》


《こちら周辺監視のモースであります。マスターのもとに帝国の軍隊が進行中であります。その数3000》


 うわーい、もーりあがってまいりましたー


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