表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/43

14.5 ラッシュ駅占領事件 (中編)

~前回のあらすじ~


J-7が列車強盗の討伐を開始する少し前、J-7からのチャットの言葉が気にかかったバロンとジルは急遽クラウド行の列車に乗り込む。

だが、途中ラッシュ駅に到着した際、構内の異常な静けさに違和感を覚え調査を行う。

だが、駅はすでに謎の武装集団に占拠され、戦闘が始まった。

~ラッシュ駅前~


ラッシュの衛兵達は市民とプレイヤーから『駅が昼間なのに閉まっている』という通報を受け駆けつけていた。 現場へ来ると、確かに駅の入り口のシャッターが閉められ、入り口の所には何人かのガラの悪そうな人影がたむろしていた。 事情聴取しようと近づいた瞬間に襲い掛かってきたその犯罪者達を締め上げたところ、駅はすでに彼らの仲間に占拠されているようだ。 そこで衛兵達は列車が出入りするホーム側から侵入を試みたが、激しい抵抗に会い、しかも犯人の一人によるとなんと駅にいた乗客たちや駅員たちを人質に取っており、下手な真似をすると危害を加えると脅してきたのだ。 罪のない市民を危険に合わせるわけにもいかず、その場は退いたが人質たちを解放するため衛兵達は次の行動に移った。

そして今、衛兵達は閉められたシャッターを突破するため、バーナーを使って入口を焼き切ろうとしていた。


バシューーーーーッ!ジジジジジ・・・・・・


一般的な作業の他、出力を調節すればモンスターとも戦闘できる力を持つバーナーの火力で、突入のための入口を切り開く。

「急げよ、なんとしても閉じ込められている市民たちを救出するんだ!」

ラッシュの衛兵隊長が声を張り上げ部隊に指揮を出す。 とそこへ、彼の部下が緊急の情報を報告に来た

「隊長!オルティガ方面より、クラウド行特急列車、定刻通りに本駅に到着します!」

「なんだって!?クッ、情報が向こうに届いてないのか・・・」

それもそのはず、列車の到着を確認したり、駅の異常を連絡する駅員は皆、人質にされ、まともに機能していなかったのだ。

「いずれにしてもこれ以上被害を増やすわけにはいかん、お前はなんとかしてその特急列車に接触して停止させろ。手の空いている者は各駅に列車の出発を取りやめるように伝えるんだ!残りはこのまま作業を続けろ、ここを突破して人質たちの解放に向かうぞ!」

衛兵隊長はそう言って周りに指示を出した。

だが、彼の目に特急列車の姿が見えたのはそのすぐ後だった。



~ラッシュ駅構内~


「敵が来るよバロン、気をつけて!」

「ジル、いつも通り頼む!」


バロンとジルは、まるで四方八方から出てくるような犯罪者プレイヤー達にも手慣れたように果敢に挑んだ。 実のところ、この二人はプレイヤー相手、対人戦にも優れていた。 実際この手のMMOゲームでは素行の悪いプレイヤーと戦闘になることはよくあることであった。

バロンは片手に構えた盾で敵の攻撃を防ぎつつも、その華麗で素早い剣捌きで次々敵を切り伏せて行き、ジルはそんなバロンの後ろを敵に取らせまいと向かい来る敵をその堅牢な鎧で防ぎ、手にした大盾で弾き飛ばしていった。

戦力は敵が多数に対し二人のみ、だが二人は五分以上に渡り抜き、このまま倒しきると思われたその時!


バーン!


突如鳴り響いた銃声にバロンはとっさに盾を構えて身を屈める。 直後に盾に銃弾が弾かれた音が響く。

「狙撃だ!気をつけろ!」

「チッ!あたしたちの武器じゃ、届かないところに!」

狙撃を防いだ直後にバロンは狙撃手の位置を特定していた。ホームとホームの間の線路をまたぐ、歩道橋の上にそれはいた。 しかし、バロンもジルも手にしているのは近接用の武器、近づいて倒すには、そこまでの道をふさぐ敵が邪魔だ。 中堅プレイヤーの二人には銃弾の数発程度ではなんの驚異ではない、だが、銃類とそれ以外の連携はかなり驚異と言えた。 飛んでくる銃弾を防いでいれば近くの敵がたたみかける。 近距離の敵に対して攻撃を行えば長距離攻撃に対する防御がおろそかになってしまうからだ。

迫りくる敵集団に五分以上戦っていた二人も銃弾の脅威が加わり、そしてジルが向いている側にも狙撃手が現れたことでやや押され始めてしまった。 それでも二人は迫りくる敵を何とか退けようとした。

敵の狙撃手が守りが手薄になったバロンの頭部に銃弾を撃ち込もうとしたその時!


タタターーン!


3発の銃声がホームに響き、敵の狙撃手の頭部に命中した。 頭部に3発も銃弾を受けた敵狙撃手はそのまま死亡し階段の上から転がり落ちた。

バロンはその光景を見るとすぐホームを索敵した、すると自分達がさっきまで乗っていた列車の屋根に誰かか上っているのを見つけた。


二人とは面識がないが、同じ中堅プレイヤーのロンメルがそこにいた。


時は少しさかのぼり。

ロンメルもまたJ-7の要請を受けており、彼もまたかつての自分と同じように新兵ーーー初心者が無謀をしやすいことを知っていたため列車に乗りクラウドに向かっていた。 そして現在気づかれないよう隠密に、駅の混乱にNPCの運転手がどうすることもできず停車状態にあった列車の屋根にあがり、スキルで土嚢を築きあげ狙撃陣地から下のホームで戦闘しているプレイヤーを援護するため、それを狙っていた敵性プレイヤーに対し狙撃を行った。


列車の上に上がっていたプレイヤーは狙撃手を撃破するとその反対側の敵狙撃手も撃破した。

どうやら味方のようだ。

「援護するであります!」

「すまない、感謝する」

屋根のプレイヤーに礼を言うとバロンは再び目の前の敵に集中した。

少し押されていた二人のプレイヤーは味方が増えたことで形勢を巻き返した。 するとそこへ・・・


「見ているだけなんて出来るか!俺も加勢するぞ!」

「私も回復しか出来ないけど、力になりたい!」

「お、おい待てよお前ら!勝算はあるのかよ!?」

「罪なき民を襲う卑劣の輩共よ!この白銀のアーサーが相手だ!」


列車の中にいた他のプレイヤー達もその戦いに感化され戦列に加わる、さらに!


「よーし、侵入構が開いたな・・・ン!?戦闘が起きている!」

「数人のプレイヤーが占拠犯と交戦している模様です、隊長どうしますか?」

「どうするもなにも、こちらも援護してやるんだ!加勢するぞ、全部隊突撃!」


シャッターを切り開き、衛兵達も戦いに加わった。

両者の戦力は駅舎解放側に大きく傾き、そして優勢となった。


作中のワード補足:駅のシャッター


準ファンタジーの世界感でも、駅には鉄製のシャッターが取り付けられている。 このシャッターは火災時の防火シャッターとして機能し、普段は終電発車・到着後に駅舎を閉めるために使われている。

バージョン1.0の時点では、駅舎はすでに各地に存在したが、列車の運行は行われていなかったためシャッターは常時閉まったままであった。 バージョン2.0に移行する数バージョン前に初めて開かれ、NPCが運行する列車が走ったが、終電の頃には閉まっていた。 バージョン2.0に入ると駅には終電が発車したあとにもプレイヤーの列車がひっきりなしに到着するので現在はシャッターは開いたままになっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ