三十五
「はう....煉くーん.....」
「.....。」
「ねぇってば....」
「.....。」
「ごめんね...」
「...うるせぇ」
うるさい、か...
まぁそうだよね。付き合ってるのに....
嫌がっちゃったもんね...
「....出てくるね」
自分が悪いとわかってるけど...
でも拒絶されるのは辛いんだよ。
「ふぇ....ッぅ...」
外に出て、敷地内にある離れにきた。
ココに入るには鍵が必要で、
持ってるのは柚木と萩ちゃんと私だけ。
「ッ.....ふ...」
ガチャ
「ほぇ...?」
誰?開いたって事は柚木か萩ちゃん...?
「ったく...急にいなくなんじゃねぇよ」
「なんでっ...!?煉...!!」
扉の鍵は閉めたはずだし....
「安藤に鍵渡された...」
柚木......なにしてんの...
「お前が嫌ならやんねぇよ」
「そうじゃないのっ!!
煉が嫌なんじゃなくて...その....」
言いにくいってゆーか....ね、
「は、初めてだから...ちょっと怖いだけ..」
うぅ...めんどくさいよね....
処女とかさ....
「ばーか知ってる」
「んッ...」
優しくキスして抱き締められた。
「今はやんねぇけど、あんま煽ると...
わかんねぇぞ」
「あ、煽ってないし...!!」
てゆかね、この体勢どうにかしよ。
煉の膝に向き合って座ってる。
....近い。顔が近いィィィ!!
「顔、赤いな」
「!!ゆ、柚木達のとこ行こっ
ご飯出来てる頃だしね!!」
立ち上がろうとしたけど抑えられ...失敗。
「れ、煉?」
「あ?んだよ」
「降ろしてくれると嬉しいなぁ...」
「嫌」
煉にお姫様抱っこされるしまつ....
「いくんだろ」
そうですけど......
「じゃあ別にいいだろ」
よくないぃぃぃ!!!!
些細な抵抗も虚しくそのまま連れてかれた。