人型異獣
僕はガトー、セランの二人と合流し、協力しながら異獣の発生場所へと向かっていた。
今回の任務は、なぜかいつもとは違う雰囲気があった。
「サツキ。気づいているか?」
「うん。なんか違和感があるよね」
ガトーは剣で異獣を斬り伏せながら、僕に話しかけてきた。
僕はというと、セランが僕を戦闘に参加させようとしないため、ガトーの近くにいた。
ただ、何かあったときにすぐ対応できるよう、セランの動きにも注意を払っている。
「お前からすれば違和感か。俺は今回の任務、きな臭い感じがする」
「きな臭いって、どういうこと?」
「今回の任務は、前回、俺が参加した任務と似ているんだ」
ガトーが前回参加した任務。
それって、昼休みに屋上で話していたあの任務のことか?
「それって、今日、屋上で話してたやつ?」
「そうだ。前回の任務でも、人がいないような場所に異獣がいた。まるで、誰にも見られたくないとでもいうようにな」
そう言いながら、ガトーは襲いかかってきた弱い異獣を蹴散らし、さらに奥へと進んでいく。
僕もその後を追い、セランとともに進んでいくと、やがて人気のない開けた場所が見えてきた。
そこには、ミヤ先輩とアサルト先輩の姿があった。
「サツキ!」
「ミヤ先輩。今回も任務が一緒だったんですね」
「そうみたいね。合流が遅くなってごめんなさい。アサルトと一緒に弱い異獣を討伐していたんだけど、急に違和感があるって言い出して」
ミヤ先輩がそう説明すると、ガトーはアサルト先輩のもとへと歩み寄った。
「あんたも違和感を感じているのか?」
「そうだが、君は?」
「俺はガトー。ガトー・ステ。この名前を聞けばわかるか?」
ガトーが名乗ると、アサルト先輩はしばらく彼の顔を見つめた。
そして、そっとガトーの肩に手を置いた。
「……君が参加した任務か。あのときは、本当に災難だったな」
「災難だったとか、今はそんなことはどうでもいい。それより、今回は来るのか?人型が」
人型?ガトーは、なぜアサルト先輩にそんなことを聞くんだ?
人型の異獣が現れるかどうかなんて、アサルト先輩にもわかるはずがないのに。
「来るかどうかはわからん。だが、いつもとは違う何かが来そうではあるな」
「えっ?アサルト先輩、わかるんですか?」
思わず尋ねると、ミヤ先輩も不思議そうな顔でアサルト先輩を見た。
「アサルト。あんた、前々から思ってたんだけど、なんでそんなに先のことがわかるような動きができるの?」
「君たちが知る必要はないことだ。今は異獣の討伐に集中するんだ」
アサルト先輩はそれだけ言うと、僕たちに背を向けて歩き出した。
僕たちもその後を追い、さらに奥へと進んでいく。
そして、開けた場所に足を踏み入れた瞬間――。
「……っ!」
僕は思わず足を止めた。
そこには、これまで見てきた異獣とは明らかに違う、人型の異獣が立っていた。




