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最弱の僕が、君の隣に立つまで  作者: アークマ


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プロローグ

 その日、街中に警報が鳴り響いた。


『――警戒してください!住民の皆さんは、ただちに避難してください!烈界より異獣が出現します!』


 耳をつんざくような警報とともに、空が歪んだ。

 次の瞬間、青空に巨大な裂け目が出現する。

 その裂け目の向こうから現れたのは、人間とは明らかに異なる生物だった。

 四本の腕。全身を覆う筋肉。二本の足で大地を踏みしめる、巨大な異形。

 僕達、人間はそれをーー異獣と呼称した。

 烈界と呼ばれる場所から現れる、人類の脅威だ。

 そして今、そんな化け物の前に一人の少年が立っていた。

 僕の名前は、サツキ・オウトモ。

 異能を持つ者たちが通う学園に在籍する、ただの学生だ。


「グルルルル……!」


 異獣が唸り声を上げた。

 四本の腕が動き、そのうちの一本が僕に向かって振り下ろされる。


「くっ……!」


 僕はとっさに異能を発動させ、攻撃を仕掛けた。

 異獣の攻撃は地面に当たると、砕け散る。


「はあっ、はあっ……!」


 駄目だ。まともに戦っても僕の異能じゃ勝てない。

 攻撃を仕掛けても通用せず、反撃しようとすれば、逆にこちらが吹き飛ばされそうになる。

 今の僕にできるのは、異獣の攻撃を避け続けることだけだった。

 それでも、僕は退くわけにはいかなかった。

 そのとき――。


「サツキ」


 不意に、隣から声がした。

 振り向くと、そこには一人の少女が立っていた。

 白銀のような長い髪。整った顔立ち。そして、学園の制服。

 こんな状況だというのに、彼女の表情には焦りすらなかった。


「あなたじゃ勝てないわ。一人で突っ走らないでちょうだい」

「ミヤ先輩……!」


 ミヤ・アサカ。

 僕と同じ学園に通う少女であり、学園でも最強クラスの異能を持つ人物だ。

 彼女は僕を一瞥すると、異獣へと視線を向けた。


「ここからは私がやるわ」


 ミヤ先輩が右手を掲げる。

 その瞬間、彼女の手の中に光が集まり始めた。

 光は細長く伸び、やがて一本の剣へと姿を変える。


「私の異能――《新星の剣》で、あなたを切り伏せてあげる」


 ミヤ先輩は剣を構えた。

 そして、一歩。静かに地面を蹴る。

 次の瞬間、彼女の姿が僕の視界から消えた。

 ――速い。

 僕がそう思ったときには、ミヤはすでに異獣へと向かっていた。

 その背中を見つめながら、僕は拳を握りしめる。

 悔しい。僕も彼女のように強くなりたい。誰かを守れるような強い男に

 そして、いつか――僕は最強の異能使いになる。

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