愛母
掲載日:2026/04/14
荒れた肌をさすったのは
爽やかな風と柔らかな太陽
この身を大地にあずけて立っていれば
そのうち土に還れる気がする
暑くもない寒くもない
温かな日和が
包み込む
緑色を灯らせながら
そっと
私の名前を呼んでくれた
この中から
私も生まれてきたのかな
指の間からこぼれ落ちる
細かな土の粒が
どこか懐かしい匂いを運んでくる
眠っていた記憶が
ゆっくりと目を覚まし
遠い日のぬくもりを撫でていく
ああそうか
私はずっと
この腕に抱かれていたんだ
私は今日も
この掌の上で
小さく息をしているだけなんだ
それだけで
生まれてきた理由の半分くらいは
もう満たされている




