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5章―10
「ちょっと待って、殿下!」
…
「え?どんな状況?」
「どんなって、タペストリーから出てきたこいつを始末しようとしているところだか?」
そう言う殿下の靴に踏まれているのは、どぶねずみのしっぽだった。
本体の方は牙を剥き出し、チューチュー鳴いている。
「……くれてやろうか?」
「要りません!」
どんな質問なんですか!
視線を感じてそっちを見ると、ネルがソファを盾にこちらを見ている。
へぇ、ネルにも苦手な物があるんだぁ。
「まぁ、貰っても良いですよ。ネルはネズミダメみたいですし」
捕まえようとしたら、牙を剥いて容易に捕まえさせてくれない。




