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第35話 勝利

 砦を陥落させた後も、僕たちの快進撃は続いた。


 基本戦術は今までとあまり変わらない。

 序盤で強力な魔法を一撃お見舞いして、敵の陣形を崩したあと、僕が率いる近接戦闘部隊で突撃を仕掛ける。


 最初の戦で、敵に大損害を与えたので、2戦目以降は兵数において上回った状態で戦えた。敵の指揮官が有能ならまだ対処できたかもしれないが、あまり有能と言える指揮官はいなかったので、本当に一方的な展開が続いた。


 戦がスタートしてから、僅か一ヶ月後。

 トレンス王国の王都を陥落させることに成功した。


 王都を陥落させた後も、まだ落としていない城はあったのだが、あまりの反帝国軍の強力さに恐れ慄き、次々に降伏をしていった。


 本当にあっさりと、親帝国派との戦を終わらせる事ができた。


「これよりトレンス王国は帝国より独立する!」


 シンシアは王都の民の前にたち、高らかにそう宣言した。


 帝国に従属していた事を屈辱と感じていた国民も多かったのだろう。

 シンシアの宣言に民は大歓声を上げた。


 戦のあと祝勝会が開かれたが、浮かれムードをすぐに終了する。


 帝国がすぐに挙兵を開始し、トレンス王国に攻め込む準備をしているという報告が入った。


 当然の行動ではある。

 反帝国派をこのまま調子づかせるわけには、帝国としてはいかないだろう。


 ここからが戦の本番ということになる。


 帝国は親帝国派に援軍を送ってはいたが、それほど大規模なものではなかった。

 兵数的には親帝国派の方が上回っていたので、援軍の数は少なくても、問題なとの判断だろう。

 仮に劣勢になった場合も、すぐに援軍を送り込めば、普通は間に合うと思ったはずだ。戦力的に上回っている親帝国派が、反帝国派に一瞬で敗北するなど考えづらい。

 まあ、現実は僅か一ヶ月で決着がついたわけだが。

 帝国でも成長魔法の存在は知らないだろうし、無理もないだろう。


「さて、今回の戦はライルの大活躍のおかげで、簡単に勝利する事ができた。しかし、帝国は兵数は桁違いに多い。これからが本当の戦だ。覚悟して望んでくれ」


 シンシアは軍議を開き、指揮官たちを呼び寄せてそう言った。

 元々親帝国派についていた人材も、何人かシンシアの下についていた。


 国王に逆らうという決断は下せなかったが、帝国のことは気に入らないという貴族たちが、それなりにいて、そういう者たちはすぐにシンシアに忠誠を誓った。


 まあ、そこまで有能な人物はいないけど。

 それでも最低限の指揮能力はあるので、プラスなのは間違いない。



 軍議は滞りなく終了する。

 僕は帝国との戦いでは、魔法を多めに使うつもりだ。

 親帝国派との戦いでは、ほとんど最上級魔法を消費せずに済んだ。

 帝国軍に一気にぶつける事ができるだろう。

 帝国軍の数は桁違いに多いのだが、帝国は国境が多く四方を敵に囲まれている。

 現在は、一方的に他国を蹂躙しているようだけど、一度大敗を喫したら、他の戦線も劣勢になるかもしれない。次の帝国との戦では、ただ勝つのでは無く圧勝してやろう。

 僕はそう目標を立てた。


 そして、数十日後。

 帝国軍がトレンス王国の国境まで付近まで進軍してきた。






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