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完全洗脳耐性

 『何で……あり得ない』


 脳内に響く黒幕の声が震えている。

 ウチが今平然と話しているのが信じられないらしい。


 『僕の正体に気づけば自然と思考がショートするはずだ。なのに、なんで君は』


 不思議な事でも無いでしょ。

 洗脳耐性がウチにはあるんだから。

 

 『この認識阻害は洗脳にちょっと耐性があるからって破れる代物じゃない。僕が、僕たちの為に作った一番強い魔法なんだから』


 そう。

 だっから嬉しい。


 『嬉しいって何が?』


 内はさ、今までアンタらにいい様にやられるだけだった。

 ずっと洗脳されてて好きでもない財人の事を好きになった。


 その恨みで最初は財人の事を疑ってたこともあった。  

 懐かしいなぁ。

 でも、財人も被害者だった。


 ゆるりには完敗。

 アンタが操るミ=ゴだっけ?

 あれなんか怖くに夢に出てきた。


 一緒に戦ってくれた委員長も結局洗脳されて。

 財人もいい様にハーレムの中心にされてて。

 一番最初に戦っていたモモまであんな洗脳されてさ。


 ずっと。 

 ずっと!

 ずっと!!!


 ウチらはアンタの手のひらの上で踊らされていた。

 でも、今は違う。


 ウチの意地がアンタの認識阻害を打ち破った。

 アンタの一歩先を行った。


 『そんな……あり得ない。僕が、僕がまた……僕がまた失敗したから』


 今更狼狽したって遅いわ。

 覚悟しなさい【邨ア鬥?】。

 こっからはウチ達のターンよ。


 『あぁ僕が……また僕がしくじった??いや、落ち着くんだ、そう……落ち着いて。そう言うのは無しにしようって……あの日に豎コ繧√∪縺励◆繧上h縺ュ』


 急に黒幕の口調が変わった。 

 ウチの知らない『僕』の口調から、ウチの良く知る【邨ア鬥?】の口調へと。


 『譛ア驥後?雋エ譁ケ縺悟ョ悟?縺ェ豢苓┻閠先?繧呈焔縺ォ蜈・繧後※繧ら樟迥カ縺ッ螟峨o繧翫∪縺帙s繧?』


 それはどうかしらね。

 ウチは打ち勝つよ。

 皆と一緒に。


 『縺昴≧縺ァ縺吶°窶ヲ窶ヲ縺ェ繧峨?縺昴?譎ゅr讌ス縺励∩蠕?▲縺ヲ縺?∪縺吶o繧?』


 えぇ。 

 首を洗って待ってなさい。



 「赤山??俺の声、聞こえるか??」

 「財人??」

 「良かったわぁ朱里ちゃん。ちゃんと戻ってこれた見たいね」


 ウチ……思考に夢中で周囲が見れてなかったみたい。

 気が付けば、寝かされてるし……なんかモモが膝枕してる。


 「別に変な目的は無いのよぉ朱里ちゃん。ほら、しんどそうだったから……善意でね」


 「本当にそう?本当の本当に??」


 「本当の本当よ」


 てか、ウチ鼻血なんか出してたんだ。

 全然気が付かなかった。


 「赤山、本当に大丈夫か?記憶が吹っ飛んだりしてないか??」

 

 財人に言われて、ウチは思考を巡らせる。 

 うん。

 大丈夫。

 

 【邨ア鬥?】の事は忘れてない。


 「私も気がかりなのよぉ。さっきから、朱里ちゃんの心の声の一部がノイズで聞き取れなくなってるの」

 「多分……黒幕の正体について考えてるからよ」

 「朱里ちゃん、それって」


 なら、もったいぶる必要なんてない。

 皆に共有して、早く対策を立てよう。


 「ウチは……認識阻害を克服した」

 「はい???」

 「黒幕の正体も掴んだ」

 「本当なの、それは」

 「えぇ……その事について、皆と話したい事があるの」

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