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お読みいただきありがとうございます。サボり気味ですが、まだ続くようです。



リバティと黒猫のパスが再びヴァリーの工房に向かうと、再び入り口にとら猫のウェイブが寝そべっていた。

「おう、やっと来たな」

「こんにちは、ウェイブさん」

「さあ、あんたの靴を取りに行こうぜ」

「はい」

こうしてリバティと二匹の猫は工房に入った。工房では、ヴァリーが作業を終え木製の長椅子に横になっていた。

「おう、ヴァリーまた来たぜ」

とらねこのウェイブが声をかけると、ヴァリーは目を覚まして起き上がった。

「やあ、いらっしゃい。待っていたよ」

ヴァリーは机の下に隠していた靴を取り出して、リバティに見せた。その靴はリバティが最初に見ていた展示している靴とまったく同じエメラルドグリーン色の靴だった。

「わあ、きれいね」

「どうぞ履いてみてください」

と言ってヴァリーは靴をリバティの足元に置いた。リバティはまず右の足を上げて置いてある靴に滑り込ませてみた。特に窮屈には感じず、足の裏に受ける床への衝撃も少なく動きやすかった。今度は左の足を上げて同じように靴に滑らせてみると、左足の靴も丁度よく感じた。

「すごいわ、これ。綺麗なだけでなくとても動きやすい」

「何か違和感はありますか?」

「特にないわ。普段動くのにも丁度いいわ」

 ここまでリバティが辿り着くために履いてきた靴は、この王国で特に用意されてはいなく、銀座のショーケースの中で履いていたのと同じだった。それは適当に店の店員がリバティに履かせていたものであって、リバティの足のサイズには合わせていなかったのだ。

「これなら普段でも履いてゆけるわ」

「ヴァリー、あんたすごいな。俺は特定のイベントの時に限り履ける靴を作っていたのだと思ったよ」

とら猫のウェイブは感心して、ヴァリーを褒めていた。

「はい。まだこの国を旅されていると聞いていましたから、できたらこの靴も旅のお供にしていただきたかったのです」

「ヴァリーさん、ありがとう。とても気に入ったわ」

 そうリバティはヴァリーに向けてにこっと笑顔を見せると、ヴァリーはその表情を眩しく感じ動揺した。なんて綺麗な方なのだ。ヴァリーは内心、リバティの旅に加わりたいと思いはしたが、自分には任されている仕事があるので、旅に参加するのは諦めた。

「いえいえ。気に入っていただけて幸せです。どうぞ旅にお気をつけて」

 ヴァリーは膝を曲げてリバティが履いている靴に手を翳してしばらく目を閉じた。その様子は、リバティやパス、ウェイブにも奇妙に思えた。

「な、なにをしているのでしょうか?」

困惑してリバティが訊くと、ヴァリーは目を開いて手を戻し立ち上がった。

「あなたを守ってくれるように靴に祈ってみましたまでです」

「え?」

「勿論、僕には魔法の力なんて持っていないのですが、ここに来る前に色んな不思議なことを、そこにいるウェイブに遭遇したことで経験してきました。もしかしたら祈りが通じるかもしれないとそう思いました」

「ありがとう。そうだったのですね」

「ヴァリー、君は何かリバティに特別な思いを持ってしまったようだね」

 そう黒猫のパスがずばっと訊いてきたのでヴァリーは少し恥ずかしくなった。

「ええ。僕も意外でした」

「じゃあ、リバティ。お礼にヴァリーとデートしてあげなよ」

 今度はウェイブが訊いてきたので、リバティは困惑した。

「え?・・・どうしようかしら」

「その必要はありませんよ。大丈夫です。旅の邪魔になってはいけません。お気持ちだけで十分です」

 とヴァリーは咄嗟に語気を強めた。

「ありがとう」

「僕はここで仕事を続けています。もし、リバティさんが旅を終えて戻ってきたら、その時はまたここに寄ってくださると嬉しいです」

「わかりました」

「リバティ、別に君は必ず旅を続けないといけないという理由はないんだよ。どこかで中断したっていいんだ。君は魔法使いの約束のとおり人間になりたいのかい?」

 黒猫のパスは気遣ってリバティに尋ねた。

「・・・別に人間でもマネキンのままでもどちらでも構わないわ。ただ、今はもっとこの国を見て回りたいわ。色んな方に出会ったでしょう。上手に伝えられないけど、そういう旅を続けたいと思うの」

リバティはそう答えるとパスとウェイブはそうかと頷いて、ヴァリーの工房を出ようとした。

「じゃあ、俺は王宮に来るのを待ってるぜ。その時はヴァリーも呼んでやるよ」

「ウェイブ、ありがとう。じゃあ、王宮で皆さん会いましょう」

「わかりましたわ。どのくらいかかるか私にはわからないけど」

「まずはこれからどこに行くかだね」

そうパスが言ったので、ヴァリーは驚いた。

「君たちは特に目印もなく旅を続けているのかい?」

「まあね、無計画でこの物語自体始まったからね。でも、リバティの旅は君に会ったことも含めて、世界の特定のテレビには放送されているんだ。だから楽しみにしている人もいるんだよ、きっと」

「そうなのか。何も決まっていないのが面白いのかな。じゃあ、僕から一つ。君たちより前にダンス用の靴を作ったことがある。三人組の女の人だったな。その子達が今度ショーをするって聞いたよ」

「ショーを?」

リバティとパス、ウェイブは思わずそう口を揃えて聞き返したのだった。












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