1.現在
恋愛小説です☆
誤字脱字、あったらコッソリお知らせ下さい。
ではどうぞ。
「うっるさーーーーーーーーい!!!」
今日もまた、私の声がご近所中に響き渡る。
睨んだ先にはいつもの顔。
プレイボーイと称される男、越高雅斗がいた。
【非日常×毎日=日常】
「毎日毎日よくやるわねー、あんた達」
そう教室に入ってすぐ声をかけて来たのは紫藤朱音。
中学からの付き合いで一番仲がよくていつも一緒にいる私の親友だ。
「別にしたくてしてるわけじゃないっ!ってか、あいつと私を纏めるなよ!私は迷惑してるんだよ!?」
「はいはい」
「朱音〜!?」
朝から叫んで怒鳴ってもうなんだかそろそろ疲れてきたという
のに、朱音は私の気持ちなんて全く関せずに毎日こんな感じだ
。
私が迷惑しているんだといくら主張しても、朱音曰く――楽しいから手出ししない――だそうだ。
ま、朱音ってもともとこういう性格だけどね…。
大きな溜息をついた辺りにこれまた見慣れた顔が教室に顔を出す。
「またやってんの?お前ら」
坂江孝樹――容姿端麗・スポーツ万能・勉強はダメ…のサッカー少年で、朱音の彼氏だ。
「おはよー、孝樹」
「孝樹からも朱音に言ってよー」
「おはよー朱音。俺からは無理だ、紗代。諦めな」
そんな薄情なことをさらっという孝樹はやっぱり朱音の彼氏にピッタリかも知れないと最近思う。
まぁそんなこんなでいつもの朝の風景ではあるのだが…ここ数
ヶ月、私藤枝紗代は困っている。
「おっはよー☆先に行くなんて酷いじゃないか、紗代」
ガラッと教室を開けて大きく私の名前を呼ぶ男は、この学校で知らない者はいないんじゃないかって言うほどの有名人――越高雅斗。
ま、有名って言ってもいい噂ばかりじゃないけどね。
コイツを最も端的にあらわす言葉といえば――プレイボーイ、つまり『遊び人』だ。
で、そんな奴が。
「今日も大好きだよ☆紗代♪」
何故か数ヶ月前から毎日私に絡んでくるようになった。
それも人目も憚らずに。
「なら、去れ」
「紗代〜、恥ずかしがる必要ないだろ〜?」
「…その頭虫でも沸いてるんじゃないの?」
そしていくら私が追い払おうとしてもガンとしてやめる気配なし。
つまり私が困っている元凶はコイツ。