14言め『明日ありと思う心の仇桜』
そこは『三寒四温』のつらたんたんの観念世界の中。
『七天罰党』と名乗る謎の3人組の手により、言業紡久、掛詞笑子両名と分断された一文安美は、Whammyなる女と泥沼の戦いを繰り広げていた。
「……いい加減諦めたらどうなの?」
「まだまだ!!!」
安美は勢い任せに突進するが、Whammyは依然としてびくともしない。それどころか彼女は、その華奢な身体からは想像もつかないほどの力で安美を薙ぎ払う。
「どこまで無駄な傷を増やせば気が済むのかしら。大人しく死んだふりでもしておけば良かったのに」
「ここで私が諦めちゃったら、貴女はあの2人のところに行っちゃうでしょ?」
安美はよろよろと立ち上がり、強がりで笑ってみせた。
「アンタのしつこさには心底うんざりだわ……!」
おかしい。絶対におかしい。その身体で、立ち上がれるわけないじゃない。その横っ腹の傷。身体が消し飛ばないように多少手加減したとはいえ、普通の人なら激痛でまともに立つことすらできないはずなのに。
「本当に何なのよ、アンタは!? もう分かったでしょ!? アンタ如きがワタシには適うわけがないの! 無駄なのよ、全部全部!! その身体でこれ以上戦ったらアンタ、死んじゃうわよ!?」
「……Whammyさんは、優しいんですね」
「は?」
何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
「誰が優しいですって? 今更そんな見え見えのお世辞言われたところで、嬉しくも何ともないのだけれど?」
「お世辞じゃない……ですよ。だって貴女、さっきからずっと私の身体を気にしてばかりじゃないですか。それになんだかんだ無駄と言いつつ、ここまでしっかりと私の足掻きに付き合ってくれてますし」
「はあ……。アンタの目には、随分と都合の良い世界が見えてるみたいね」
瞬間、視界が少しぼやけたかと思えば、手先が小刻みに震え始める。
「(なんだ……、この違和感は)」
手の震えが止まらない。寒気がする。それに何だか、気持ちが悪い。
「思いの外長いこと粘っちゃってくれたのが誤算だったけれど、これでもうおしまいね」
「何を言って……、おえっ」
咄嗟に口を塞いだ手の隙間から、ぼたっ、ぼたっと赤黒い液体が垂れる。口の中が濃厚な鉄の臭いと味に包まれて、心臓の音がうるさいくらいに大きく、速く聞こえる。
「はぁ……、はぁ……、え、ええ……?」
「アンタは不思議に思わなかったの? どうしてワタシが途中から炎の攻撃を使ってこないのかって」
ふと見れば、Whammyの目つきはがらりと変わっていた。壁際まで獲物を追い込んだ蛇のように、翠緑の瞳を爛々と輝かせ、妖艶に微笑んでみせる。
「アンタに付き合ってあげてたのは、もう既に決着が着いていたからよ。あの攻撃は手が熱くて痛いし調合も難しいから、やっぱこっちの方が手っ取り早いのよね」
Whammyの左腕から透明で不気味な液体が、どろどろと滴り落ちていく。
「〝毒液装甲〟。皮膚から体内へ侵入し血流に乗って、やがては全身を蝕む猛毒。これが、ワタシが『嫉妬』のつらたんたんと同化することで手に入れた特別な力。素晴らしいでしょ?」
「つらたんたんと、同化した……?」
「あら、いいわねその表情! 弱者が強者に踏み躙られる時のその表情! 怯えるような、羨むような、強い憎しみのこもったその表情こそ、ワタシをワタシたらしめる! 何なのかしら、この高揚感は! 貴女から流れ込んでくる負の感情、たまらなく美味しい!」
Whammyはあまりの多幸感に身震いし、不用心にも安美の元へと近づいていく。
「こんなに満たされたのはいつぶりかしら! 今なら何でもやれるような気だってする! ……そうね! ねえアンタ。あの2人を止めなさいよ」
「……え?」
「今ワタシは最高に気分がいいから、見逃してやるっつってんのよ。解毒はもちろん、傷だって治してあげる。あの2人だって、ワタシたちの仕事の邪魔をしないんだったら別にどうでもいいしさあ。悪い提案じゃあないでしょう?」
確かに、Whammyの要求を飲めば、私たちは誰一人欠けることなく生き残れるかもしれない。私は猛毒に犯されていて、戦況もあまり芳しくない。ここで彼女に従わない手はないだろう。
――でも。
「ほらほらどうしたの? いつワタシの気が変わってもおかしくないのよ? ちゃっちゃと決めちゃいなさいな。それともアンタ、このまま長いこと苦しんで死ぬ気?」
「……一つ、聞かせてください」
「何よ」
「貴女は、いえ貴女たちは、あのつらたんたんを手に入れてどうするつもりなんですか?」
Whammyは露骨に眉を顰める。
「それ、今関係ないわよね? いい? 今アンタが答えなきゃいけないのはワタシの提案に乗るか乗らないかの二択だけ。それ以外に興味は無いわ」
「関係、大ありなんですよ。もし貴女たちがつらたんたんを、人を傷つけるために使おうとしているのなら、私は――」
「くだらない」
冷たい、冷たい声だった。
「無関係の人のことなんてどうでもいいじゃない。それでアンタたちは助かるんだから」
「……ああ、そう」
――相容れないな、この人とは。
安美はWhammyの隙を突き、顎に鋭い一撃を放つ。Whammyは大きくバランスを崩し、危うく倒れかけたが、なんとか踏ん張って持ち堪えた。
「悪いけど、貴女の提案には乗れない」
「は、はぁ!? 正気!? このままだとアンタ死ぬのよ!!? 普通なら自分の命を優先するところでしょうが!!!」
「死なないよ。紡久先輩が、笑子ちゃんが、私を守るって言ってくれたから」
「はっ! お得意の仲間同士の信頼ってやつ? よくもまあそんな愚直に人を信じられるものね。いつ裏切られてもおかしくないってのに」
「……いや、これはそうだったらいいなって願いだよ。私みたいな人を不幸にする劇物を本気で助けようとする人がいるなんて、まだちょっと信じられてないんだ。ただその言葉に縋りたくなっただけ」
安美の呼吸が段々と浅くなっていく。だがWhammyを睨みつけるその眼光は依然として鋭いままだった。
「それに、貴女みたいな人に助けられるなんて、まっぴらごめんだし」
ああ、もう最悪。どうしてこうも澄みきった目をしていられるのかしら。諦めないでいられるのかしら。本当に。見ていて本当にムカッ腹が立つ!!
「そういうところが嫌いなのよ! 誰にでも優しくて馬鹿正直! アンタの隣にはいつも誰かが居て、楽しそうに笑ってる! アンタみたいなのが幸せそうにしてるのを見ると反吐が出るの! ああ、クソクソクソ、嫌いよ嫌いよ大嫌い! 頼むからワタシの前から消えてよ、安美!!」
「え?」
急に名前を呼ばれて、安美は目を丸くした。「どうして名前を知っているのか」と聞きたかったが、今それどころではなかった。Whammyの様子がおかしいのだ。
今の彼女に、先ほどまでの自信など欠片もない。手で顔を覆い、子供のように泣きじゃくっていた。彼女の姿は、ある種の哀れみさえ感じさせた。安美が心配そうに手を伸ばそうとすると、彼女は一心不乱に叫んだ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。どうしようどうしよう、やっちゃった。また……!! 呼ばないって決めてたのに、どうして。嫌だ嫌だ嫌だ。ごめんなさい。待って、お願い!」
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一方言業紡久はピンク髪の男・dotに足止めされ、膠着状態に陥っていた。
「〝愛 の 拳〟」
dotの前腕部が弾け飛んだかと思うと、ピンク色のガントレットが現れ、鋭い一撃を放つ。
「〝君子危うきに近寄らず〟」
言業紡久は諺で無理やり体を動かして避ける。ガントレットは攻撃を終えると、バキバキと音を立てて瓦解した。
「瞥見。何度あの女を側目すれば満足するのだ。戦場での集中力散漫は絶息へと繋がる。先刻の殴打も、危うく当たるところだったぞ」
「ご忠告どうも! 〝窮鼠猫を噛む〟!」
紡久が両手を口のようにガブガブと動かすと、dotの左半身が消し飛ぶ。……が、これも瞬く間に再生してしまう。
「クソッ!!」
「全力で勝とうとするのなら、彼女を案ずるべからず。彼女を守ろうとするのなら、不毛な戦闘を続けるべからず。お前の行動は中途半端だ。このままではオレを負かすなど夢のまた夢だ」
「うるさい! そんなことは分かっている!」
「〝愛 の 槍〟」
dotの腕から飛び出したピンク色の槍が彼女の右肩を勢いよく貫く。槍は瞬く間に消失し、刺創からは血液が吹き零れ、紡久は苦悶の表情を浮かべる。
「王手だ」
dotが拳を振り上げたその時、天が白い輝きを放つ。そして空から数本の光の柱が降り注ぐと同時に、見知った少女の声が広大な戦場に轟いた。
「〝雷はもうたくさんだー〟!」
笑子の掛け声と共に雷鎚は、激しい雷鳴と閃光を伴って、悪党3名へと落とされた。
「この雷は、言霊ん力で具現したもんや! 詳しいことは分からへんけど、お前もつらたんたんなんやったら、いかにタフな身体やろうと効くやろ、この攻撃は!」
短時間とはいえ、超高温の電撃が体中を駆け巡る。まともな人間ではまず間違いなく耐えられまい。これをまともに食らった讃木矯正は――、
「あっはははは!! あはははははは!!!」
――高らかに笑っていた。
「……ウソやろ?」
「そうかそうか! これが雷に打たれるという感覚か!! ああ熱い! 痛い! なんて耐えがたく疎ましい苦痛なんだ!! 指の先から髪の毛の一本に至るまで、ズキズキとした痛みが絶え間なく襲い来る!! ああ貴重な経験だ! 希少な体験だ! 俺は嬉しい!! なぁ、次に君は俺に何を見せてくれるんだ? 見たい!! 聞きたい!! 知りたい!! さあ教えてくれ!!!」
雷に打たれたとは思えないほど嬉しそうに声を上げる彼の肌は、徐々に元の灰色を取り戻していく。
「知るかアホ! ウチはお前の相手しとるほど暇ちゃうねん!! お前みたいな『かまってちゃん』には、アイツの相手をしとる方がよっぽどお似合いや!!」
「………アイツだって?」
鋼鉄の壁が大きく音を立てて崩壊し、『三寒四温』のつらたんたんが姿を現す。
「ああ! そういえば居たねえ。いやあ、戦闘が楽しくてすっかり忘れて――」
大量の桜の花びらが讃木矯正の肉体を豆腐のように切り刻む。
――しかし。
「そうかそうか! 君は自分の観念世界で好き勝手されちゃったからご立腹なんだね!! 失敬失敬!!」
「なんッで頭だけでも生きとんねん!!」
讃木矯正にとってはそれすら決定打にはなり得ない。『三寒四温』のつらたんたんは「これ以上の攻撃は無駄だ」と判断したのだろう。
「ねえ、目を覚ましなさいよ、ねえ!! アンタこんなところで――。……は?」
今度は丸焦げのWhammyの方へと猛突進を始める。あまりに突然のことで、彼女は逃げ遅れたよおうだ。あわや接触というところで、ピンク色の巨岩がつらたんたんに命中し、大きく軌道を逸らした。
「はあ、はあ、危なかった……!!」
「dot!? そんなデカい投石器なんか作って……、アンタ身体は大丈夫なの!?」
「構うな! 取られるぞ!」
「取られるって何を……、あ!!」
Whammyがdotと話している隙に、笑子が地面に倒れている安美を回収し、そのまま走り去っていく。
「あ~~~、クソッ!!! どうしてこうも上手くいかないのかしら!!」
「ごめん。オレが拙劣だったから――」
そこまで言いかけたところで、Whammyは彼の頭を優しく撫でる。
「ごめんね、大きな声出して。ちょっとむしゃくしゃしていたの。アンタに怒ったわけじゃないから、気にしないで」
「……うん」
そんな2人の元に、再生を終えた讃木矯正が合流する。
「はいはい二人とも! ここからが本番だ。邪魔者が居なくなったことだし、ちゃっちゃとつらたんたんを片付けよう!」
「矯正はちょっと黙ってて」
「あっれえ!? 俺だけちょっと扱い酷くない!?」
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「笑子!! 無事か!!」
「……紡久先輩」
紡久が笑子の元へ駆け寄る。笑子は地面にぺたりとへたり込んで、地面に寝かされた安美をただ茫然と眺めていた。
「そ、その傷……」
「ん? ああ。これは大した傷ではないよ」
あの男は本気では無かった。先の槍の攻撃は、血管や骨を極力傷つけないよう細工がされていた。おかげで簡単に治癒できた。……屈辱だ。
「君こそ、ボロボロじゃないか」
「ウチのことはええねん。問題は安美や」
紡久は安美に目をやると言葉を失った。全身の痣に炎症。それに加え目元は涙で赤く腫れており、口からは血を吐いていた。
「みゃ、脈がない。心臓が動いてへんのや。こ、呼吸も、と、止まっ、止まってて……。どないしよ。先輩。ウ、ウチ、どうしたら……」
笑子はいつものお気楽さはどこへやら、涙目で頼りなく紡久を縋るばかりであった。
……見ればわかる。恐らく何らかの毒が安美の肉体を蝕んでいるのだ。笑子の話を整理すれば、どうやら今の安美は心肺停止状態。今すぐに何とかしなければ、安美は死んでしまう。
どんなに優れた『ことだマスター』といえど、死者を蘇らせることはできない。父や誠兄でさえ、母を生き返らせることができなかったように。
取り返しのつかなくなる前に、私が動かなければ。私が、安美を助けなければ。
「〝毒を以て毒を制す〟」
安美の皮膚の爛れが徐々に引いていく。
「これで、毒は打ち消せたはずだ。これから私は心肺蘇生に取り掛かる! 笑子!! 安美のために力を貸してくれ!!」
「……助かるんか?」
「やってみなければ分からない。だがやらないよりは断然やった方がいい!!」
「……分かった」
笑子は制服の袖で涙を拭い、呼吸を整えた。
「ええで。安美を助けるためなら何でもやったる!!」
「いい心意気だ」
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……あれ。ここはどこ?
暗い。寒い。……私、死んじゃったのかな?
「汝はまだ死んでおらん。……いや、本当にここで死なれては困るのだよ」
「……誰?」
安美は声の主の方を向く。そこには白い人のようなものが居た。
「余は人語で“神”と形容される者だ」
「神ィ!? ……そうは見えないですけど」
「不敬で祟るぞ無礼者!!! ……オホン。まあ良い。汝は今、生と死の境を彷徨っておる。本当に危うく死ぬところだったのだぞ!! 余計な仕事を増やすんじゃないよ全く……」
「な、なんかすみません……」
自称“神”はたいそうご立腹なようだった。
「あの……どうして私は生きてるのでしょうか? 私、てっきりWhammyの毒で死んでしまったのかと……」
自称“神”は大きくため息を吐く。
「ああ。普通だったらあそこで死んでいるところだ。汝が『言葉贄』としての役目を全うすることなくな!! 不安で不安で胃がキリキリしながら見ておったわ!!」
「す、すみません……」
“神”にも胃袋ってあるんだ……。
「時に汝が先刻対峙していたWhammyなる女。やつの能力は、名を呼んだ対象を不幸にすることだ」
「そうなんですか?」
それってものすごく辛いことなんじゃ……。
「あやつは感情が昂ぶりすぎたあまり、汝の名を呼び、意図せずして能力を暴発してしまったのだ。そのせいで汝は掛詞笑子が敵を掃討するために具現した雷に巻き込まれた。しかしその雷が汝の心臓を停止させたことで、かえってWhammyの毒の巡りが一次的にストップしたのだ。全く汝は運が良いのだか悪いのだか……」
「すんごいピタゴラス○ッチですね」
「何はともあれ、言業紡久と掛詞笑子が、今も懸命に汝の救命活動にあたっておる。直に汝の意識も覚醒するだろう」
「よ、良かったぁ〜」
――て、あれ? 私のことはともかく、紡久先輩や笑子ちゃん、そして出会ったばかりのWhammyのことを、どうしてこんなに詳しく知っているんだろう。神様だから?
「……知っているさ」
「(心を読まれた!?)」
「……このやり取り、既視感があるぞ。さては汝ら、前世では婦婦だったのではないか?」
「誰のことを言ってるんですか?」
「分からんのならそれでよい」
自称“神”は軽くため息を吐き、話を続けた。
「さて、話を戻すが、余はこの世界に生を受けてから幾星霜もの年月の間、ずっと汝ら人間のことを見守り続けていた。守るとはいっても、もう殆ど力は残っておらんのだが」
力が残ってない……? それってどういう――。
「余にはあまり、時間が残されていないのだよ」
「それは……、寿命ということですか?」
「いや、……まあそれも言い得て妙だな。今の余には、以前ほどの畏れや信仰が無い。人間の文明が発展するにつれて、余の存在そのものが疑われ、忘れ去られていったのだ。仕方のないことだが、結果として余の力はどんどんと失われ、衰弱していった」
「そう……なんですか」
自称“神”は感覚の有無を確かめるように手先を動かす。
「大体察しはついているかもしれないが、汝を『言葉贄』に選んだのは、余だ。もっとも、誰が選ばれるかは完全にランダムだったのだがな」
「……勝陽さんから聞いた資料の内容は」
「間違ってはいないな。ほとんど事実だ。全く嗣家はいい仕事をしよる奴よ」
自称“神”は昔を懐かしむように微笑んだ。
「今回、余は最期の力を振り絞り『言葉贄』を作った。だがこれも結局のところその場しのぎにしかならない。次また同じことが起これば、間違いなく世は滅んでしまうだろう。……余は、ただ確証が欲しいだけなのだ。余が居なくなっても、人間は大丈夫だという確証が」
「それを、私に話してどうするんですか。」
「話が早いね。そこで1つ提案をしよう」
自称“神”はにこりと笑う。
「――一文安美。世界のために、ここで死んではくれないか」
☆オマケ
このコーナーでは、作中で使われた諺の意味や『使われ方』について解説を行います。
①明日ありと思う心の仇桜
今回のサブタイ。浄土真宗の開祖・親鸞が9歳で出家する際に詠んだとされる和歌が元ネタ。『「明日」があると油断していると、大切な機会を逃したり、思いがけないトラブルにあったりする』という意味があるらしい。ちなみに後半は「夜半の嵐に吹かぬものかは」と続く。
②君子危うきに近寄らず
『徳があり知恵の優れた人物は、危険な場所や怪しい状況には近づかず、常に身を慎んで行動する』という意味の諺。今回の場合、紡久がdotの攻撃を避けるために使用した。なお、語源は調べてもよく分からなかった。
③窮鼠猫を噛む
『いかに弱い者でも、追い詰められれば自分より強い者に反撃することがある』ということを喩えた諺。中国の古書『塩鉄論』の中での一節が語源とされているとかいないとか。今回の場合、紡久がdotにカウンターの一撃を繰り出すために使用した。
④毒を以て毒を制す
『悪いものを取り除くために、別の悪いものを利用して抑え込むこと』を喩えた諺。今回の場合、紡久が安美の体内の毒を無効化するために使用した。宋代の禅書『嘉泰普灯録』内の一文が由来とされているものの、諸説ある。




