第七十三話
遂に開戦したララードルーキーVSエクリアデュナレス!
まあ、正確にはリムーザン騎士団と大臣のデキレ戦争なのだが。
ユウ先輩は両軍の真ん中に現れ、魔力で地震を起こし、街民の洗脳を解いた!さあ、これからユウ先輩はどうするのか!するとユウ先輩は大きく息を吸い込み大声を出した!
「聞けーい!街民や街長に洗脳をし、自身の欲を満たそうとする行為!人、それを悪と言う!」
「な、何だ!何者何だ貴様は!」
「貴様達悪党に、名乗る名など無い!」
ユウ先輩、あんたどっかの兄貴か!
「ふ、ふざけおって!あんな男、一人!さっさと殺ってしまえ!」
「再び洗脳して、貴様を殺してやる!」
大臣と騎士団長が黒い指輪を掲げ、再び洗脳をして、街民をユウ先輩に向けて進軍させる!ちなみに、街長は神輿の様に担がれており、ユウ先輩の地震は届かない!
「さーてと、どうやって街長の洗脳を解くかな」
そんな事を呟く、ユウ先輩に大勢の街民が襲いかかってきている。ある程度引き付けてユウ先輩が再び振動脚をする。すると、街民の洗脳が解ける。
それを見た騎士団長と大臣が洗脳をかけるが、ユウ先輩に近い街民まで洗脳は届かなかった!
あの黒い石の指輪の効果はそこまで広い範囲、洗脳は出来ないみたいだ。
「洗脳が解けた街民は今すぐに此処から離れろ!残りの奴等も洗脳を解くから!」
「な、何だお前!偉そうに!」
「何で俺達がお前の言う事を聞かないといけねーんだよ!」
「黙って言う事を聞け!じゃないと殺すぞ!」
ユウ先輩の迫力が増す!こんなの一般市民にはキツイだろう!何人か倒れ込む!
「オラ!とっとと倒れた奴等をどっかに運べ!ただし、軍には近寄るなよ!」
「わ、分かった!」
何人かの街民の洗脳は解けて、戦場から離れて行ったが、まだまだ、洗脳された街民はいる。それに、街長をどうやって洗脳を解くか考えないと!
そんな事を考えていたら、騎士団長が動き始めた。
「クソ!こんな所で、こんな訳の分からん奴に、吾輩の野望を消されてたまるか!」
そう言って騎士団長がヘレフォードさんの首元に剣を突きつける!
「動くなよ貴様!お前の目的は分からんが、それ以上我々の邪魔をするならば、この女の首を刎ねるぞ!」
そうきたかー!確かにこれだとユウ先輩の動きを封じつつ自分達の目的を達成出来る。まさに一石二鳥な行動だな。これは、俺達の出番かな!そう思っていたら、一緒にいた、メーヌちゃんとオオルリちゃんが大声で叫ぶ!
「「おかーさーん!起きてよー!」」
その声に反応したのだろう。それぞれの街長の持っている武器が輝きを放つ!何だあれは?
「神器でしょうね。やはり、あの文献に書かれた事は真実だったのですね」
「あの現象が何か知っているっすか!ノリ先輩!」
「ええ、私は以前シュガールさんと一緒に神器についての文献を調べにいったのは覚えていますか?」
「あー、確かに。神器解放の先があるかもって言って調べてたっすよね?」
「ええ、その時に知った事なのですが、そもそも神器を扱うのに必要事は何だと思います?」
「えっと、血筋とかっすかね?」
「私も最初はそう思ってましたが、違ったのです」
「えっ?じゃあ、何なんっすか?」
「その文献にはこう書かれていたのです。神器が持ち主を選ぶと!」
「それはつまり?」
「神器は知性を持つ武器の可能性が高いのです」
「あれっすか?何とかデスティニーとか死神代行とかに出てきてる武器って事すか?」
「まあ、そんな所です。私も試しにシュガールさんの神器を使わせて貰いましたが、神器解放は出来ませんでした」
「ノリ先輩でも出来なかったんすか!」
「ええ、なので私は文献の通り、私達が神器を選ぶのではなく、神器が私達を選ぶのだという結論になりました。」
「それで、あの光は何なんっすか?」
「文献通りならば、あの光は武器に認められた証。神器解放の次の段階に行った証らしいです」
「い、一体どうなるっすか!」
「分かりません。シュガールさんの所にある文献ではそれ以上の事は書かれていなかったので!」
〜俺達が慌てている時、ヘレフォードさんとコトドリさんに起こっていた事!〜
「・・・此処は何処ですか?私は、何をしていたのでしょうか?」
「・・・えるか、聞こえるか!」
「だ、誰ですか!この頭に響く声は!」
「聞こえているかい。僕の声が」
「・・・ええ、聞こえます。貴方は誰ですか!」
「僕は神器、君が手に持っている神器だ」
「えっ!武器が喋っているのですか!」
「そうだよ。君は、前の神器の持ち主から聞いていなかったのか?」
「えーと、そう言えば子供の頃にそんな話を聞いたような」
「しっかり覚えておけよー。大事な事だぞ!」
「す、すいません。それで神器さん?は私に何か用なのですか?」
「君、今自分の状況を分かってるのか?」
「いえ、意識があまりハッキリしないので、覚えているのは冒険者に助けられ、その後また騎士団長に洗脳を!グッ!そこから記憶が曖昧で・・・」
「そうか。君は騎士団長に洗脳されて、今戦場にいる。そら、見えるか?」
神器が映し出した映像には、自分に騎士団長が剣を首に突きつけている姿が見えた。
「これは!どうすれば洗脳は解けるのですか!」
「この洗脳は簡単に解けるよ。君なら出来るはずだ」
「し、しかし現に今は身体が動かないです」
「それは心持ち次第だ」
「心持ち?」
「俗にいう気合ってやつさ!」
「そ、そんな簡単な事でこの洗脳は解けるのですか!」
「そうだ。元々大した洗脳じゃあないからね。それに聞こえないかい?君の娘の呼ぶ声が!」
「おかーさーんー!起きてよー」
聞こえた。私の愛する娘の声が!私の守るべき民の声が!
「こんだけ応援されているんだ。洗脳くらい解かないと駄目じゃあないかい?」
「ええ、そうですね。貴方の言う通りです!・・・そう言えば貴方の名前はあるのですか?」
「あるよ!そうだね、今の君なら教えてもいいかもね。」
「教えて下さい。貴方の名前を!」
「いいよ!僕の名前アメジスト!神器アメジストさ!」
「そうですか!ならば神器アメジストよ!私の力となって、この洗脳から解き放て!」
「いいよ!久しぶりに暴れるかー!」
その言葉と共に神器が輝きを放つ!
まばゆい光と共に身体が自由になったのを感じます!
それはヘレフォードさんだけではなく、コトドリさんも同じ様に光に包まれている。
そして、光が収まると同時に、二人共が同じセリフを言った!
「「神器解放!神獣化」」
二人の街長の姿が変わる。何だろ?あの、人と動物の良い所取りの様な姿は!それに、下手したらユウ先輩以上の圧力を感じる!これが神器解放の更に先の姿か!
更に二人が手にしている神器、あれはまるで・・・
「あれってマイクみたいじゃないっすか?」
「ええ、マイクですね」
俺達がそんな感想を抱いていると、二人の街長は神輿から飛び降りて、ユウ先輩の近くに着地する。そして、二人でそれぞれ神器型マイクを握りしめ、歌い始めた。
その歌声には微かな魔力を乗せており、次々と街民の洗脳を解いて行く。
それに慌てた大臣と騎士団長が指輪で再び洗脳しようとするも、二人の歌声で防がれる!
それを見たユウ先輩は街民を洗脳範囲から逃がすために動いている。それを見て俺も動く。ノリ先輩は子供達の護衛だ。
俺がエクリアデュナレス側、ユウ先輩がララードルーキー側の街民を移動させる!
五分もしない内に全ての街民を無事に逃がせれた!残りは大臣一味とリムーザン騎士団だけだ!
「ふ、ふざけるな!その神器は吾輩の物だ!貴様如き女がつかうものではない!さっさと吾輩にその神器をよこせー!」
「此処まできて、今更作戦を変更出来ん。彼奴等を殺ればまだ修正出来るはずだ!殺ってしまえ!」
大臣と騎士団長が、指輪を掲げ更に魔力を込めているが、その時指輪についている黒い石が砕けた!
「はっ?なぜ、この石が砕けるのだ!これはあの方から貰った指輪だぞ!」
「大臣の方だけではなく吾輩の方も砕けた!どうなっている!」
驚いている二人の側で、砕けた黒い石の破片が流動体になり、スライムの様な物体になり、大臣と騎士団長に絡みつく!
「な、何だ!これは!」
「は、離せ!や、やめろーー」
哀れな大臣と騎士団長は、スライムに取り込まれてしまった。更にスライムは取り巻きも吸収しようと触手をのばしている。オンゴールが逃げ回っている!
「ユウ先輩、あれどうするっすか?」
「どうすっかなー?コトドリさんとヘレフォードさん。どうしたらいい?」
「どう、と言われても。ねぇ」
「そうですよね」
「いや、腐っても彼奴等、アンタ等の所の大臣と騎士団長だろ?」
「そうですけど、アレ元に戻るのでしょうか?」
「戻らないなら、もうしょうがないでしょうね」
「なら、俺が引導を渡してくるぜ」
「ええ、宜しくお願いします」
ユウ先輩は、気軽に散歩でも行くようにスライム達に近づいていく。大臣スライムは一味を吸収してかなり大きくなっていた!
ユウ先輩は右手に魔力を集中させて魔法を唱える!
「ヒャッハー!汚物は消毒だー!インフェルノ!」
大臣スライムは瞬く間に炎に焼かれ消し炭となった!
ユウ先輩は続けて騎士団長スライムにも魔法を唱えて消し炭にした。
「これでこの戦争も終わりかな」
「思ってたより早く終わったっすね!」
遂に戦争が終結した。
戦争を行おうとした元凶は最後はスライムになり、消し炭になるという結末で終わった。
俺としては神器解放の先が見れたのが凄くよかった!この後、どうするのか!
俺達は無事に日本に還れるのか!
本当にどうなるか分からないな!




