第七十四話
とうとうララードルーキーVSエクリアデュナレスのデキレ戦争が終わった。
終わってみれば街民と街長には無事で死んだのは、この戦争を企てた、リムーザン騎士団とエクリアの大臣一味だけだった。ある意味圧勝だったわけだ。
俺達は逃がした街民を呼び寄せつつ、唯一生き残ったリムーザン騎士団の副団長、オンゴールを捕まえてこちらに引っ張ってくる!
俺達の前に来たオンゴールにヘレフォードさんが声をかけた。
「さて、生き残ったのは貴方だけですか、オンゴール
」
「ま、まさか、我々が負けるなんて!これは夢だ。これは悪夢だ」
「ところがどっこい!これは夢ではありません!現実です!これが現実です!」
ユウ先輩、それは某カジノオーナーのセリフじゃないっすか!
「とまあ、冗談はこれくらいにして、彼奴等が持っていた指輪、アレは誰からもらったんだ?」
「わ、私は知らないんだ。アヤツとは団長としか会話してないから」
「何か分かるヒントはないのか?」
「ほ、本当に分からないんだ。団長と会わす為の案内しかしてないから。ただ、女と言う事と喋り方が特徴的な奴だった!」
「特徴的な喋り方?」
「語尾にニャ、とかつけてたから猫人だとは思うんだが詳しくは本当に知らないんだ」
「マジかよー。あいつがこの国にきてたのかー!」
「ユウ先輩、やっぱあのネコショウっすか?」
「多分そうだろ。面倒だなー」
「冒険者様、貴方方はその猫人?と知り合いなのですか?」
「知り合いっていうか、敵っていうか」
「何かあやふやな感じですね」
「どっちかって言うと敵だにゃ」
「やっぱそうだよなー!ってダイ、ネコショウの真似をするなよ!」
「えっ?俺は何も言ってないっすよ!」
「はっ?じゃあ今の声は!」
「久しぶりだにゃあ。冒険者チームアース一同!」
その声は空から聞こえた。上を見ると白衣を着た猫人がいる。俺達がこの世界に来る事になった事件の犯人ネコショウだ!
「久しぶりだな。ネコショウ!」
「あれ?何で私の名前を知ってるにゃ?」
「オロチの野郎が喋ったんだよ」
「あの脳筋は!どうしようもないにゃ」
「それで、お前は何しに来たんだ?」
「私の作った失敗作を回収に来たのにゃけど、もう壊れちゃったみたいだにゃ」
「それだけの為にここに来たのか?」
「まあにゃ!自分の作った失敗作が何時までもあるのって嫌じゃにゃいか?」
「その気持ち、分からなくはないっす!」
「そうだにゃー!あと、後片付けして終わりだにゃ」
「後片付け?」
そう言った後、ネコショウがオンゴールに向かって右手を振り下ろす。それをユウ先輩が受け止める。
「簡単に殺させるかよ!」
「へぇ~、アンタ私の攻撃が見える様になったのかにゃ!やるにゃー」
「お前と会ってから結構月日が流れてるんだ。俺だってレベルアップしてるんだよ!」
俺には見えなかったけどネコショウの右手の爪が伸びており、それでオンゴールを殺そうとしてたけど、ユウ先輩が防いだみたいだ!
「いいにゃ!いいにゃ!アンタ、大分強くなってるにゃ」
「そりゃ、どうも!ってか、もう用事は終わったろ!帰ってもらっていいぞ!」
「そうだにゃ〜!まあ、別にゴミを一つ、残したぐらい別にいいかにゃ」
「なら早く帰れよ!こっちはお前に用事なんてないんだからな!」
「ひどい言い草だにゃ!まあ、いいかにゃ!ついでにアンタ等に言いたい事があったにゃ!」
「何だよ?」
「そろそろ私達の準備が終わるにゃ!そうしたらでっかい花火を上げてやるにゃ」
「出来れば俺達が還った後にしてくれないか?その方がお前達にも都合がいいだろう」
「そうはいかないにゃ!オロチもアンタに用があるし、セッショウも会いたがってるにゃ!」
「オロチはともかく、セッショウには会いたくないな!」
「ニャハハハ、楽しみにしてるにゃ!」
そう言うとネコショウは空の割れ目に消えて行った。ネコショウが消えた後割れ目も消えた!
「たく、言いたい事だけ言って消えやがった!マジで面倒くさいなー!」
「何すかね?でっかい花火って?」
「ろくでもない事だろう。あー、嫌だ嫌だ!取り敢えずノリとマシロをこっちに呼ぶか。子供達も親に会いたいだろうからな」
「了解っす!」
俺達は逃がした街民を集めた。逃がした街民集めつつ、メーヌちゃんとオオルリちゃんを母親の元に案内した。
「「おかーさーん!」」
「ああ、メーヌ!無事で良かった!」
「ルリも無事?ケガしてない?」
「大丈夫だよ!この冒険者チームの人達が守ってくれたから!」
無事に母娘の再会を果たしたようだ!感動的だなー。
さてと、この後どーするんだろ?
「おし、ダイ、ノリ、マシロ!行くぞー!」
「いいんですか?挨拶もしないで?」
「せっかくの感動的な再会だ。俺達が混じったら野暮ってもんだろ!マシロいいか?」
「・・・はい!友達二人が幸せそうだからいいです!」
「安心しろ。お前の家族は俺達だ!」
「!!!はい!」
「ユウ先輩!優しいっすねー!」
「うるせ!行くぞ!」
「何処へ行くんですか?」
「取り敢えずダンジョンにアレを取りにって!コトドリさん!」
「私達にお礼もさせないで行くつもりですか?」
「流石にそれは薄情ではないですか?」
「本当です!ユウさんには大変お世話になったのに!このまま何も言わずに行くのですか!」
「まだ、お礼してないです!」
ヘレフォードさん母娘とコトドリさん母娘にユウ先輩が詰められてる。なんか、こう、笑える!
「テメー、ダイ!笑ってないでどうにかしろ!」
「無理っす!自分で何とかして下さいっす!」
「では、向こうで話しましょうか。いいですかコトドリさん」
「勿論です!さあ行きましょう!」
「「行きますよ!ユウさん!」」
ユウ先輩の右手をオオルリちゃんが、左手をメーヌちゃんに引っ張られてユウ先輩が連れ去られて行く。
アレは振り払えないよなー。
「わ、分かった!行く、行くから!ノリ、ダイ、マシロ!行くぞー!」
「あんな風に振り回されてるユウ先輩、久しぶりに見ましたね」
「本当っすね!オモロイっす!」
「師匠と手を繋いでる!ちょっと羨ましい!」
そんな事を言いながら、連れ去られているユウ先輩の後を付いていく。
「此処でいいでしょう。改めて、今回の件。貴方方には大変お世話になりました」
「気にしないでくれ。俺達はアンタ等の娘達の依頼で関わっただけだ」
「それでも、私達を助けて下さったのは事実です。貴方方がいなかったら多分、私達は殺されていたでしょうから」
「・・・だろうな。実際、騎士団長はそのつもりだったみたいだからな。そうだろ?オンゴールさんよ!」
「え、えっとその!」
「ハッキリせんか!」
「そ、その通りです!神器を奪う為に殺ると言ってました!」
「街長が戦争を起こした!それを止める為に騎士団長が街長を殺し、戦争を止める!その活躍により、次の街長になる。そして、神器を手にする。そういう段取りだった訳か」
「概ね、その通りです!」
「下らないっすね。そんな事の為に戦争するなんて!」
「い、一応言っておきますが、昔の騎士団長はそんな事をする人じゃなかったんだ!ここ最近、可怪しくなっていったけど!」
「もしかしたら、あの指輪のせいかもな。欲望を肥大化させるとかかもな」
「!!確かに、あの指輪を手にしてから騎士団長の様子が可怪しくなっていたかも」
「先程の猫人が渡した指輪ですか。ユウさん。あの方と貴方方の関係は?」
「あー、ちょっと話が長くなるけどいいか?」
「ええ、勿論です」
改めてユウ先輩が話始めた。俺達が異世界から召喚された事から今までの事を!それをコトドリさん達は静かに聞いていた。
「とまあ、俺達の経歴はこんな感じだな」
その話を聞いていたオンゴールが涙を流していた!
「そんな辛い旅をしていたなんて!私はどれだけ報われた生活をしていたんだ!」
「何でお前が泣いてるんだよ!」
「オンゴールは昔から喜怒哀楽が激しいのですよ。困った者です」
「それでユウさん達はこの後、どうするのですか?」
「この大陸にある、送還の義に必要なアイテムを回収して、次の大陸に行く予定だ。えっと、この大陸にあるアイテムは何だっけ?」
「水晶の鏡っすよ!手に入れる場所もわかってるっすよ!」
「と言う訳で、俺達は行くわ!」
「ちょ!まだお礼が出来てないのですが!」
「だーかーら、お前達の娘達から依頼料も貰ってるからいいって!あ、けど一つ欲しい物があるわ!」
「な、なんですか!」
「ウチのマシロと、アンタ達の娘達が友達になったから、今度寄った時に遊べる様にしてくれよ!」
「し、師匠!いいんですか!」
「勿論だ!」
「・・・貴方と言う人は。分かりました。何時でも来て下さい。歓迎しますよ!」
「まあ、それはいいとして、街に戻ろうぜ。街民も帰りたいだろうしな」
「それでは、二手に別れて送りますか。ユウ先輩とマシロ。私とダイで街まで護衛します」
「じゃあ、それでいくか!護衛が終わったら此処にまた集合な!」
その後、俺とノリ先輩はララードルーキーへ、ユウ先輩とマシロはエクリアデュナレスへ護衛をした。
護衛中は特に問題無く、無事に街に戻れた。
護衛終了後は、ユウ先輩達と合流して、送還の義に必要なアイテム、水晶の鏡を取りに行く。
果たして、次のダンジョンでは何が待ち受けているのか!それは誰にも分からない!




