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第七十話

街の広場で行われた大臣の演説。それにより、精神感染で戦争を起こそうとしていた。

今後どうするかを御屋敷にいるコトドリさんと相談する為にユウ先輩と共に向かう事にした。


「じゃあ、行くかダイ!」


「了解っす!じゃあ、ノリ先輩行ってくるっす」


「気を付けて下さい。何か面倒事が増えてきてますから」


「おう、あとマシロ達を頼むぞ」


俺とユウ先輩は再び御屋敷に向かった。御屋敷に着くとミラージュをかけ、五階まで壁を伝って最短で登った。ベランダからコトドリさんに会おうと部屋に入ろうとしたら話声が聞こえた。あれは、大臣か!あとはお付きの護衛か?コトドリさんは何かボーッとしている。


「全く、強情な女よ。大人しく吾輩の言う事を聞いておればこんな手荒な事はせなんだのにのう」


「しかし、カザノ様。殺した方が楽ではありませんか?」


「コヤツは民からの信頼が強い。もし吾輩が殺した事がどこから漏れたら面倒じゃ。殺るなら戦争中でいいじゃろ」


「そうですね。今はコトドリを洗脳した事で満足しましょうか。しかし、その魔道具。素晴らしいですね。こんなにも沢山の民を洗脳出来るなんて」


そう言って護衛は大臣のしている指輪に目をやる。

あれが、洗脳の魔道具か!黒い玉が付いた変な指輪だな。


「ふふふ、アヤツには感謝じゃな。吾輩の長年の野望が叶えれるのだからのう」


「では、そろそろ北地区での演説に行きましょう。今日中に街全体に洗脳をかけましょう。」


「そうじゃの。しかし、この魔道具。洗脳出来る数は多いのだが、簡単に解けるのは面倒じゃな」


「その通りですね。そのせいでコトドリをここから動かせないですからね」


「まあよい。取り敢えず北地区に行くぞ」


「分かりました」


そんな会話をして大臣ことカザノと護衛は部屋を出ていった。俺とユウ先輩は少ししてからミラージュを解いて部屋に入った。


「いやー、大臣達って見るからにワルモノって感じっすね」


「だなー、さてと、このコトドリさんをどうするか?」


「アイツラ曰く、簡単に洗脳は解けるって事ですがどうします?」


「取り敢えず解かないと話し合い出来ないしな。どれ・・・」


ユウ先輩がコトドリさんに触れようと手を伸ばすと、コトドリさんの手によって弾かれた。顔は動いて無く、まるで手を自動で弾いた。


「まじかよ!オートガードみたいな感じかな?」


「凄いっすね!無表情で弾いたっすね」


「物理が駄目なら魔力か?」


ユウ先輩は指先から小さな雷を走らせ、コトドリさんの頭に当てる。少しビクッとなり、コトドリさんの瞳に光が宿る!


「こ、ここはどこですか?私は一体?」


「おっ!解けたか?」


「本当に簡単に洗脳は解けるっすね!」


「せ、洗脳?確か私は大臣と会話をして、それから?」


「その時に洗脳されたんだな。変な指輪の魔道具の効果だな」


「大臣が洗脳?しかし、誰がそんな魔道具を?」


「そこら辺はぶっちゃけ情報がなくて分からない。だから分かる事から片付けていこう」


「片付ける?何をです?」


「アンタが頼んだ依頼だよ。例の湖の小屋で、メーヌを無事に保護した」


「!!そう、無事ならよかった。助けてくれてありがとうございます」


「それであの子はどうする?すぐに隣街に届けるか?」


「出来ればそうしたいですね。彼女が誘拐されてから既に五日程経っています。あれ?そうなると貴方方が此処に来たのは今日ですよね?」


「そうだな」


「奴等が誘拐して隣街に連れて行ったとして、隣街には馬車で三日はかかります。それなのに貴方方は二日でこの街に戻ってきたのですか?小さな子供を連れて?」


「そうっすけど?」


「早すぎませんか?」


「まあ、急いだからな」


「い、急いだ?どうやって?」


「まあ、その方法はまた教える。っでどうする?」


「確認ですが、貴方方は最速であれば隣街までどれくらいでいけますか?」


「うーん?最速なら今日中に行けるかな?」


「えー、無理じゃないっすか?」


「いや、魔力飛行機を使えばすぐだろ?」


「あー、あれならそうっすね」


「ほ、本当ですか!それなら!」


コトドリさんは机に近づくと手紙を書き始めた。


「何を書いているんだ?」


「隣街の長に、この街の現状を書いてます。おそらくですが、あちらの街でも同じ事が起こっている可能性があります」


「まあな。戦争は二つの街じゃないと起こせないしな。多分、何だっけ?あの騎士団の名前は?」


「確かリムーザン騎士団っすね」


「そう、それ!」


「リムーザン騎士団。この街まであの子を護衛していた騎士団ですね。初めから誘拐の為に護衛をしていたのでしょう」


「だが、いち騎士団だけで戦争なんて起こせる訳はない。裏にいるだろうな。黒幕が!」


「そいつはこっちの大臣とも繫がっているでしょうね。・・・よし、出来ました」


コトドリさんは手紙を封筒に入れて封をして、ユウ先輩に手渡した。


「コチラの現状と貴方方の事を書いた書状です。これを急いで隣街の長に届けて欲しいのです」


「それはいいが、アンタはどうするんだ?」


「・・・私はこの街の長です。民を見捨てる訳にはいきません。洗脳にかかった振りをしておきます。多分、再び洗脳をかけられるでしょうけど」


「戦争に駆り出されるぞ。彼奴等アンタを戦争中に事故として殺すかもしれないぞ?」


「覚悟の上です」


「娘さんはどーするんだ?」


「・・・あの子は私の子です。きっと分かってくれるはずです」


「大丈夫っすよ!俺達がいるんで!何とかなるっす!ねっ!ユウ先輩!」


「おいおい、ダイよ。安請け合いすんじゃねーよ。まあ、乗りかかった船だ。任せとけ!取り敢えずこの手紙を隣街の長に届けてくる。娘さんも任せとけ」


「本当にありがとうございます。私も最後まで希望を捨てずに頑張ります」


「それじゃあ行ってくるっすよ!」


俺達は再びベランダから出ていった。


「っでどうするっすか?」


「すぐに街を出て、魔力飛行機で隣街にいくぞ」


「手紙を届けるっすね!」


「おう、後はまあ、なるようになるさ」


「じゃあ、宿屋に戻るっすよー!」


俺達は宿屋に戻り、ノリ先輩と合流した。

御屋敷でのコトドリさんの依頼を受けた話しをした!


「成程。しかし、ユウ先輩は厄介事に好かれますね」


「俺だけのせいじゃねーよ!」


「そうですね。まあ、冗談はこれくらいにして、すぐに出ますか?」


「おう、結構時間無いからな。最速最短でいくぞ」


「それはいいのですが、あの子達はどうします?」


「取り敢えず一緒に行動するか。少なくともオオルリの事はコトドリさんから頼まれたからな」


「分かりました。取り敢えず隣の子供達を呼びましょう」


ノリ先輩が子供達を呼びに向かった。俺はユウ先輩に問いかける。


「この後、どうなるっすかね?」


「さあな。隣街がどうなってるか分からないから、そこら辺が分からないと俺達も動けないしな」


「戦争に武力介入するっすか?」


「どうかなー?面倒事はやりたくないんだかなー」


「出来ないって言わないのがユウ先輩らしいっす」


「うるせ!所で魔力飛行機の形維持はお前に任せるぞ。推進力はノリとマシロに頼む」


「ユウ先輩はどうするっすか?」


「俺は機体にミラージュをかけて、少し休憩する。魔力を残しておきたいからな」


「そうっすね」


そんな話をしていたらノリ先輩が戻って来た。三人の子供達と共に。ユウ先輩をみたオオルリちゃんが話かけてきた。


「ユウさん!お母さんはどうでした?」


「おう、元気だったぞ!だけどまだ誘拐犯達を捕まえて無いから、もう少し俺達と居てくれだとさ!」


「そうなんですねー!」


「それで、コトドリさんからメーヌを隣街に届けてくれって依頼を受けたから俺達と一緒に隣街にいかないか?」


「・・・分かりました!一人で待ってるよりユウさん達と一緒の方が安全ですし!」


「よし!それじゃあメーヌ!」


「は、はい!」


「コトドリさんからの依頼だ。超特急で隣街に連れて行ってやる!」


「よ、宜しくお願いします」


「えっと、ユウさん。またあの魔力列車でしたか?あれで行くのですか?」


「いや、今回はあれより速い乗り物に乗って行くぞ!」


「!師匠もしかして!」


「おう、魔力飛行機でいくぞ!ダイが形維持を!ノリとマシロで出力維持を頼む!」


「分かりました!師匠!」


「そうですね。なるべくユウ先輩の魔力は温存した方がいいでしょうから」


「ま、魔力飛行機?それは一体どんな物なんですか?」


「説明するより見た方が早い!取り敢えず今から行くぞ!全員、すぐにこの街を出る!準備しろ!」


「了解っす!」


俺達は荷物を持って宿屋を後にした。街の中は少し静かで何か変な感じがする。

面倒事に巻き込まれない様に、オオルリちゃんをユウ先輩が、メーヌちゃんをノリ先輩が背負って移動した。勿論ミラージュをかけてだ。

全員無事に街の外に出た。これからすぐに隣街に向かう。果たして隣街はどうなっているのか?

ってか還る為に必要なアイテムはいつ取りにいけるのか?早く日本に還りたい。そう思う俺なのであった。



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