第七十一話
俺達はコトドリさんの依頼でメーヌちゃんをララードルーキーに連れて行くために街を出た。そして街から少し離れた森の中に向かった。
「じゃあ、此処で出しますっすね。少し待ってて下さいっす!」
俺達のやっている事が分からないのか、オオルリちゃんとメーヌちゃんがユウ先輩に話しかける。
「あ、あのユウさん。此処で何をするんですか?」
「ララードルーキーに行くはずでは?」
不安そうにしている二人にマシロが明るき声をかける。
「大丈夫だよ!師匠達に任せとけばすぐに隣街まで行けるから!」
「よし!出来たっす!少し離れて下さいっす!」
そう言いながら俺は土魔法で作った小型飛行機を取り出した!
「こ、コレは一体!」
「凄く大きいです!」
「よし、マシロ。二人を中に案内しろ!」
「了解です師匠!行くよ、二人共!」
「ちょ、ちょっとまってマシロちゃん!」
「は、はわわ!」
マシロが二人を引っ張って飛行機の中に入っていった。俺とノリ先輩、ユウ先輩も続けて入る。ユウ先輩が操縦席に座り声をかける。
「ノリ、マシロ!出発準備!ダイは機体硬度維持!俺はミラージュをかけて操縦する。オオルリとメーヌはマシロの近くにいろ!それじゃあいくぞ!」
ユウ先輩の掛け声を聞いて、マシロとノリ先輩が魔力を放出!機体が浮くとオオルリとメーヌがはしゃぎだす!
「と、飛んでるよ!凄い!」
「空に浮いてる!凄いねマシロちゃん」
「でしょう!師匠達は凄いんだから!」
そんなはしゃいでいる子供達を見ながら、俺はユウ先輩に話しかける。
「ユウ先輩、どれくらいで着くっすか?」
「あと、三十分ぐらいだろ。ダイ、ノリ、マシロ。魔力は持つか?」
「俺は大丈夫っす!」
「私も問題ないです」
「師匠!私も大丈夫です!」
「それなら行くぞ!オオルリとメーヌも座ってろよ」
「「はい!分かりました!」」
その後問題無くララードルーキーまで飛んでいけた。
その事にメーヌちゃんが驚いてた。
「こ、こんなに速く戻れるなんて!」
「おし、街の近くに着地するぞ。少し揺れるから気をつけろよ!」
「了解っす!」
俺達は無事に着地出来た!まあ、少し木をなぎ倒したけど問題ないよな!
「す、凄い!本当にララードルーキーに着いてる!」
「速いね!マシロちゃん!」
「ふふふ、師匠達は凄いんだから!」
「それでこれからどうしますか?」
「コトドリさんから、この街長に手紙を届ける依頼を受けているから、先ずはそれを届けないとな」
「メーヌちゃんはどうするっす?」
「流石に連れては行けないな。多分この街も洗脳がされてるだろうしな」
「では、私はまた子供達のお守りをしましょう」
「じゃあ、俺とダイはまた行くか」
「俺も行くっすか?」
「最悪の場合、逃げる時に二人の方が生存率は高くなるだろ」
「それで、俺だけ殺られるっすね。分かります」
「阿呆、そうなる前に逃げろ!」
「分かってるっすよ!とりま、メーヌちゃんに家の場所を聞かないとっすね」
「そうだな。ノリ、お前等はどうする?街の中に入るか?」
「いえ、私達はこの辺で待っておきます。街の中は何か嫌な気配があるので」
「やっぱノリは感じていたか」
「ええ、何か分かりませんけどね。今は近寄らない方がいいと思います」
「分かった。俺とダイで街に潜入する。おーい、メーヌ!お前の家は何処にあるんだ?」
「はい、えっと街の真ん中にあります。お母さんはそこにいると思います」
「分かった。ならさっさと行って手紙を渡してくるか」
「あ、あの私も一緒に行っては駄目ですか?お母さんに会いたいのですが」
「今は辞めといた方がいいな。街の中にヤバい奴等がいるからな」
「そ、そうですか」
「だが、安心しろ。お前は俺達が必ず守ってやる。だから少し我慢してくれ」
「は、はい。分かりました」
「よし、じゃあダイ!行くぞ」
「了解っす!」
そう言った後、俺とユウ先輩は街の方へ走っていった。すると街の入口は閉まっていた。
「入口閉まってるっすね」
「まあ、もともと正面から行く気は無いからいいけどな。それじゃあ、ミラージュをかけて壁を登るぞ」
「そうっすね。その方が安心っすね」
俺とユウ先輩が壁をよじ登って、街の中に入った。
街の中は前回とは違う、静けさに包まれていた。
「何か静かっすね」
「この街も洗脳されてんだろうな。とにかく街長の家に行くぞ」
「話を聞いた感じ中央のデカイ家ぽいっすね」
「行くぞ!」
俺とユウ先輩は真っ直ぐに中央の大きな家の近くまで行った。
「おい、ダイいるか?」
「ここにいるっすよ。ってかこの家で、間違いなさそうっすけど」
「警備が多いな」
「まるでここに何かありますよーって、言ってるみたいっすね」
「まあ、俺達は姿を消してるから分からんだろうがな。三階建てか。けど部屋自体は広そうだな。」
「どうするっすか?」
「一階づつ見て回るしかないだろ。ただ、中にいる奴等の会話も聞いとけよ!街長が何処にいるかヒントがあるかもだからな」
「勿論っすよ!じゃあ、三階で集合でいいっすか?」
「そうするか。なら行くぞ!」
ユウ先輩が再びミラージュをかけて俺達は家に入っていった。
家に入ってみたが、あまり人はいなかった。外の警備に人を割いているか?
一階、二階、三階と見て回ったけど、街長っぽい人は見当たらなかった。
俺は三階でユウ先輩を待っていた。するとすぐにユウ先輩が現れた。
「どうだったダイ?」
「見て回ったすけど街長ぽい人はいなかったす」
「俺の方もだ。ただ一つ気になる情報が手に入ったぞ」
「なんすか?」
「実はこの家、地下室があるんだってよ。そこにどうやら街長は監禁されてるらしい」
「マジっすか!そんな情報聞けなかったすよ!」
「なーに、一人っきりで見回りしてる奴に優しく話を聞いただけだよ」
「それでそいつは行方不明になるっすね。分かります」
「ならねーよ。ただ、今日は目を覚まさないんじゃないか?」
「おお、怖い怖いっすね。じゃあ、地下室に向かうっすね!」
「おう、急ぐぞ」
「けど、何処から地下室に行けるっすか?」
「安心しろ。行き方も聞いてる。ついて来い」
「あれ?ミラージュはいいんすか?」
「もう、いいだろ。見た感じ面倒そうな奴はいなかったから。邪魔する奴がいたら殺っちまうか」
「最近、本当にユウ先輩が脳筋化して来てると思うっすよ」
「うるせぇ!ついて来い!」
ユウ先輩の後に付いて家の中を移動するが誰とも会わずに一階まで降りてこれた。これって・・・
「ユウ先輩。もしかして家の中の奴等を殺っちまったすか?」
「・・・」
「殺っちまったすね!どうするっすか?もし、街長の仲間だったら」
「殺ってねーよ!ちょっと寝て貰ってるだけだよ」
「ちょっとっすか?起きるんすか?」
「大丈夫だよ!それより、ここの掛け軸の裏にボタンがあるからそれを押せば地下室への階段が現れるだってよ!」
「掛け軸の裏ってこれっすかね」
俺がボタンを押すと床が割れて地下への階段が現れた。この先に街長がいるんだな。
「こっから先は何があるか分からん。気を引き締めろ!」
「了解っす!」
俺とユウ先輩が階段を降りて行く。地下に降りた。
特に誰とも会わずに地下室の檻がある所まで来れた。
檻の中には一人の女性がいる。洗脳されているのだろう。ただ、その女性の一部から目が離せない!
何故なら・・・
「ユウ先輩、あの人でっかくないっすか!」
「デカイな。あんな巨乳初めて見たわ」
「確かに!」
「っと、とにかく洗脳を解くか」
そう言うとユウ先輩は指先から雷の魔法を飛ばし、女性に当てた。すると女性の目に光が宿る!
「こ、此処は?私は一体?」
「起きたかい?アンタ何処までの事覚えるかい?」
「確か、騎士団長と会話をしていたら、急に意識が無くなって!って貴方方は誰ですか!」
「俺達が誰なのかはコレを見たら分かるはずだ。見てくれ」
そう言ってユウ先輩はコトドリさんから預かった手紙を女性に渡す。
「これは、コトドリさんの印?失礼します」
女性は封を切って手紙を読み始める。読みながら、えっ!これは!本当に!みたいな独り言を繰り返してた。手紙と俺達を交互に見たりしてる。
「手紙ってどんな事が書かれてるっすか?」
「いや、俺も読んでないから知らん」
少しして読み終わった女性がコチラに話かけてきた。
「手紙を読ませて頂きました。私の今の状況とこの手紙で大体の事が分かりました。最後の確認をさせて貰ってもいいですか?」
「いいぜ、何から聞きたい?」
ユウ先輩と女性は今の状況を確認している。俺は入口を見張っている。
「成程。私の子供や、コトドリの子供も助けてくれたのですね」
「気にすんな。冒険者としての依頼を受けただけだ。えっと」
「申し遅れました。私の名はヘレフォードです。それでこれからはどうしたらいいでしょうか?」
「それなんだよな。どうすっか?」
「ユウ先輩!誰か来るっす!」
「まじか!ヘレフォードさん。俺達は姿を消す。様子は見てるから俺達の事は気にしないでくれ!」
ユウ先輩はすぐに自分と俺にミラージュをかけた。そして、部屋の隅に移動する。
これから来るのは誰なのか!敵か味方か?
戦争は止められるのか!
次回戦争勃発!ユウ先輩!お前が止めなきゃ誰がとめる!
無事に日本に還りたいぜ!




